日産自動車は11月24日、コンパクトカーのノートを全面改良し、12月23日に発売する予定と発表した。
車種展開は以下の通り。
F:205万4800円
S:202万9500円
X:218万6800円
今回の全面改良で3代目に移行する新型ノートは、第2世代へと進化した「e-POWER」を搭載すると同時に、ガソリン車をカタログから外して、ハイブリッド専用車に切り替わったことが最大の特徴である。開発コンセプトには、「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」の具現化を掲げた。
まずは、注目のパワートレーンから解説していこう。新しいe-POWERは、キモとなるモーターとインバーターを刷新。EM47型フロントモーターは従来に比べてトルクを10%、出力を6%向上させ(最高出力85kW/2900~1万341rpm、最大トルク280Nm/0~2900rpm)、よりパワフルで気持ちの良い発進加速と中高速域での力強い追越加速を実現する。一方、インバーターは従来よりも40%の小型化と30%の軽量化を果たし、合わせてHR12DE型1198cc直列3気筒DOHCエンジン(最高出力82ps/6000rpm、最大トルク10.5kg・m/4800rpm)の効率も高めたことで、加速性能だけでなく燃費の向上も成し遂げた(WLTCモード燃費で28.4~29.5km/リットル)。また、システム制御によるエンジンの作動頻度の低減や車体の遮音性能の引き上げにより、1クラス上の静粛性を達成。加えて、路面状態からロードノイズが大きいと判断した場合には積極的に発電を行う制御システムを世界で初めて開発し、採用する。ドライブモードとしてはSPORT/ECO/NORMALの3種類を設定。SPORTモードではより力強い加速が体感でき、またSPORTとECOの両モードにもクリープを設定して駐車場などでの速度調整をしやすくする。さらに、停車中はブレーキペダルから足を離しても自動的にブレーキ力が保持されるオートブレーキホールドを装備した。一方、基本骨格には新設計のプラットフォームに、日産初の1470MPa級の超ハイテン材(冷間プレス用超高張力鋼板)を採用。懸架機構には、改良版の前マクファーソンストラット/後トーションビームを組み込んでいる。
次に先進安全システムに関しては、360°セーフティサポートを実現する先進安全技術を組み込み、全方位でセーフティ性能を向上させる。具体的には、インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)やBSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)、インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)、インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)、アダプティブLEDヘッドライトシステム、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントLI+LDW、インテリジェント ルームミラー、アダプティブLEDヘッドライトシステム、標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)、インテリジェントDA(ふらつき警報)などを設定した。一方、運転支援技術としてコンパクトカーで初搭載となる「プロパイロット」をオプションで用意。日産初となるナビリンク機能も組み込み、制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えやカーブの大きさに応じた減速をシステムが支援し、ドライバーの操作頻度を軽減、安心かつ快適なドライブを実現した。
エクステリアについては、日産デザインの新キーワード「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」を具現化したことが訴求点だ。フロント部は、日本の伝統工芸である組子からインスパイアされたパターンをあしらったグリルや、薄型のヘッドランプとそこにつながる新Vモーションクロームなどで精悍かつオリジナリティあふれるマスクを創出。また、4連LEDヘッドランプをオプションで設定する。サイドビューは、フロントからリアまで一本の線でつながるキャラクターラインと、その下に広がるクリーンで見る角度により豊かに移ろう張りのある面構成で、抑揚のあるフォルムを実現。足もとには、日本刀からインスピレーションを得てシャープで洗練されたデザインに仕上げた新造形の16インチアルミホイールを用意した。そしてリアセクションは、水平に広がる横一文字のシェイプをもつ特徴的なシグネチャーのリアコンビネーションランプに安定感を強調するバンパーおよびディフューザーなどを組み込んで、印象的な後ろ姿を演出する。ボディカラーは新色のビビッドブルー・メタリック/スーパーブラックとオペラモーブ・メタリック/スーパーブラックの2タイプの2トーンと11色のモノトーン、計13色の幅広いバリエーションを設定した。
内包するインテリアは、コンパクトカーの常識を覆す先進的で快適なキャビン空間を具現化する。前面部は外に向かって広がるようなインストルメントパネルにセンターディスプレイと一体化したメーターを装備し、電動化に相応しい先進感と使い易さを兼ね備えたコクピットを創出。また、小型の電制シフトレバーが乗るブリッジ型のセンターコンソールには、大容量の収納スペースやロングリーチのアームレストを装備して機能性を高める。さらに、前席のセンターコンソールにはスマートフォンのワイヤレス充電器などを配備した。一方、後席にはリクライニング機能を設定し、合わせてニールームとヘッドルームともにクラストップレベルのスペースを確保。さらに、荷室空間においては広い開口部と荷室幅を実現し、荷物の積載性を向上させた。インテリアカラー&マテリアルに関しては、3種類のバリエーションを用意。最上級のXグレードには、グラデーションストライプのジャージーシートと合皮レザーアームレストのコンビネーション、カーボン調加飾のインパネ、マットクロームのフィニッシャーなどを配して、モダンかつ上質な雰囲気に仕上げた。
コネクティッド機構に関しては、最新世代のNissanConnectサービスを設定。モニターには9インチワイドディスプレイを配し、Apple CarPlay/Android Auto連携機能を内蔵する。利便性を高める機能としてはドアtoドア ナビやOTA自動地図更新などを、エンターテインメント機能としてはdocomo in Car Connectやドライブ履歴などを、サポート機能としてはSOSコールやプロパイロット緊急停止支援システム、リモートドアロック/ドアロック状態表示などを設定した。
なお、最高出力50kWを発生するリアモーターを組み込んだ本格電動4WDの新型ノート 「e-POWER 4WD」も、本年12月に発表すると予告している。