スズキは11月25日、小型ハイトワゴンのソリオ/ソリオ バンディットを全面改良し、12月4日に発売すると発表した。
車種展開は以下の通り。
■ソリオ
G:2WD158万1800円/4WD170万7200円
ハイブリッドMX:2WD185万200円/4WD197万5600円
ハイブリッドMZ:2WD202万2900円/4WD214万8300円
■ソリオ バンディット
ハイブリッドMV:2WD200万6400円/4WD213万1800円
今回の全面改良は、基本パッケージの見直しによる居住&荷室空間の拡大や内外装デザインの刷新、予防安全技術「スズキ セーフティサポート」の進化、機能装備のさらなる拡充などを実施したことが訴求点だ。
まず基本パッケージでは、全長をソリオが先代比で80mm、ソリオ バンディットが同70mmほど延長し、合わせて荷室床面長を同100mm拡大したことで、大きな荷室と広く使える室内空間を両立。また、内装部品の形状の見直しによって後席左右乗員の肩まわりスペースを広げ、後席3名乗車時の快適性を向上させた。ボディサイズは全長3790×全幅1645×全高1745mm/ホイールベース2480mmに設定。最小回転半径は先代と同じ4.8mをキープしている。
エクステリアに関しては、よりダイナミックかつ洗練されたデザインに仕立てたことが目を惹く。
ソリオはフード先端を上げて厚みを増した存在感のあるフロントマスクや車体サイズの拡大を活かしたダイナミックで伸びやかなフォルム、新造形のコンビネーションランプを組み込んで印象的に仕上げたリアビューなどが特徴。ボディカラーは新色のメロウディープレッドパールや新設定のフレイムオレンジパールメタリックを含めて全8色をラインアップした。
一方でソリオ バンディットは、ポジションランプとヘッドランプを二段構えとし、合わせて立体感のあるグリルやエアロ形状のバンパーを組み込んだ独創的なフロントマスク、シャープで動きのある線と面表現により迫力を増したフォルム、エアロ形状のバンパーやルーフエンドスポイラーなどを配してスポーティにアレンジしたリアビューなどで独自の存在感を表現。ボディカラーは新色メロウディープレッドパール、フレイムオレンジパールメタリック、スピーディーブルーメタリック、プレミアムシルバーメタリックにブラック2トーンルーフ仕様を設定し、全7色11パターンをラインアップした。
インテリアについては、心地よさや上質さを徹底追求する。
ソリオはネイビーとホワイトを基調としたカラーリングで構成し、洗練された空間を表現。また、立体的な表面処理を施したドアトリムによって上質感を引き上げる。シート表皮には光沢のあるライン柄とグレーミックスを組み合わせ、リビングにあるシックなソファのように仕立てた。
ソリオ バンディットは、ボルドーとブラックを基調としたカラーリングでスポーティなキャビン空間を創出。また、スピードメーターには赤い差し色を入れる。シート表皮は立体感のあるブラックとボルドー柄で深みを表現したうえで、鈍く輝くメタルのようなアクセントを加えた。
機能装備の拡充も見逃せない。パワースライドドアには予約ロック機能を追加し、ドアが閉まるのを待たずに携帯リモコンでドアロックの操作が可能。また、運転席アンダートレーや荷室左側面のショッピングフックなどを新設定して使い勝手を向上させる。さらに、2個のUSB電源ソケットをインパネ中央部に、アクセサリーソケットを後席の右側面に設置して利便性をアップ。高精細で大型の9インチHDメモリーナビゲーションはメーカーオプションで用意した。そして、車内の空気を循環し、エアコン使用時の前席と後席の温度差を少なくするスリムサーキュレーターをスズキの小型車で初採用。薄型のデザインとすることで、車内の広さや後席からの眺めの良さも確保した。
パワートレインに関しては、最新ユニットの“デュアルジェットエンジン”K12C型1242cc直列4気筒DOHC16V・VVTエンジン(91ps/12.0kg・m)+CVTをソリオGに、マイルドハイブリッドのK12C型1242cc直列4気筒DOHC16V・VVTエンジン(91ps/12.0kg・m)+WA05A型モーター(2.3kW/50Nm)+リチウムイオン電池(3Ah)+CVTをソリオ・ハイブリッドMX/ハイブリッドMZとソリオ バンディット・ハイブリッドMVに搭載。マイルドハイブリッドには減速時、ブレーキを踏んで13km/h以下になるとエンジンを自動停止するアイドリングストップシステムを組み込む。WLTCモード走行燃費はガソリンエンジンモデルで2WD19.0/4WD17.8km/リットル、マイルドハイブリッドモデルで2WD19.6/4WD18.4km/リットルを実現した。なお、先代モデルで設定していたストロングハイブリッドは、「販売比率が少なかった」(メーカー談)ことからカタログから外れた。
ボディやシャシーの改良を図ったことも訴求点だ。ボディにはルーフパネルとルーフメンバーの接合部に高減衰マスチックシーラーを組み込み、こもり音や雨音を低減。また、構造用接着剤を採用して接合部を強化し、操縦安定性や乗り心地、そして静粛性を向上させる。さらに、リアの全面にインナーフェンダーライニングを装備し、静かで会話のしやすいキャビン空間を実現した。一方、シャシー面ではリアサスペンションのストロークアップやコイルスプリングの見直しなどを実施し、とくに後席での乗り心地を高めた。
予防安全技術「スズキ セーフティサポート」に関しては、夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、誤発進抑制機能や車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシストなどを搭載。また、運転席前方のダッシュボード上に運転に必要な情報を見やすく表示するカラーヘッドアップディスプレイをスズキの小型車で初採用する。さらに、走行中にステレオカメラが認識した道路標識をメーター内のマルチインフォメーションディスプレイやカラーヘッドアップディスプレイに表示する標識認識機能を装備。そして、アダプティブクルーズコントロール(ACC)に全車速追従機能を追加し、長距離移動などでの運転操作の負担を軽減した。