ホンダが定番コンパクトハッチバックのフィットを商品改良。デザインの変更やe:HEVの出力アップ、ガソリンエンジンの刷新に加えて、スポーティ志向の「RS」を新設定
ホンダは2022年10月7日、フィットをマイナーチェンジして発売した。
車種展開は以下の通り。
■1.5リットルDOHC i-VTEC+2モーターハイブリッド搭載車
e:HEVベーシック:2WD199万7600円/4WD219万5600円
e:HEVホーム:2WD217万5800円/4WD237万3800円
e:HEV RS:2WD234万6300円
e:HEVクロスター:2WD242万2200円/4WD262万200円
e:HEV リュクス:2WD249万9200円/4WD266万4200円
■1.5リットルDOHC i-VTEC搭載車
ベーシック:2WD159万2800円/4WD179万800円
ホーム:2WD182万2600円/4WD202万4000円
クロスター:2WD207万2400円/4WD227万400円
リュクス:2WD214万9400円/4WD231万4400円
なお、従来設定していたネスは廃止。また、RSにはガソリンモデルも設定され、11月10日の発表を予定している。
今回の改良では、デザインの変更やe:HEVの出力アップ、ガソリンエンジンの刷新、ホンダセンシング(Honda SENSING)の進化に加えて、スポーティ志向の「RS(アールエス)」を新たに設定したことが特徴である。
まずは新設定のRSから見ていこう。
外装では、専用のピアノブラック塗装メッシュタイプ・フロントグリルや前後バンパー、ブラック塗装ドアミラー、ピアノブラック塗装サイドシルガーニッシュ、リアスポイラー、エキパイフィニッシャー、レッドの“RS”エンブレム、16インチアルミホイールなどを採用して、よりアグレッシブかつ精悍なスタイリングを創出。ボディカラーには新色のスレートグレーパールのほか、プレミアムサンライトホワイトパール、プレミアムクリスタルレッドメタリック、プラチナホワイトパール、クリスタルブラックパール、メテオロイドグレーメタリックという計6色をラインアップした。
内装に関しては、ブラックとグレーのカラーを基調に、専用ステッチを施した本革巻き3本スポークステアリングや、前プライムスムース×ウルトラスエード/後プライムスムース×ファブリック表皮コンビシート(グレー)、本革巻セレクトレバーなどを配備してスポーティなコクピットを演出する。
一方、機構面ではアクセルオフ時の減速力を4段階で調整できるRS減速セレクター、走行シーンに合わせて3つのモード(NORMALモード/SPORTモード/ECONモード)が選べるドライブモードスイッチを専用装備。さらに、高減衰ダンパーおよび強化スプリング(フロント/リア)や強化スタビライザー(フロント)、リニアスタビブッシュ(フロント)などを組み込んだ専用サスペンションに専用開発のタイヤ(185/55R16 83V)を装備して、ドライバーの操作とクルマの挙動が様々なシーンで気持ちよくつながり、操る楽しさと質感の高い爽快な乗り味が満喫できる足回りに仕立てた。
シリーズ全体の改良内容に話を移そう。
デザイン面では、ライフスタイルやライフステージに合わせて選択できる従来のフィットのコンセプトはそのままに、フロントノーズをすっきりと見えるよう形状を変更するとともにアッパーグリルの位置を上げ、さらにホームとリュクスはその上部にメッキ加飾のラインを水平に通すことで、より端正で高品質なデザインに進化。また、クロスターはフロント、サイド、リアのガーニッシュをシルバー色に変更し、タフギアらしいルックスを強調する。ボディカラーはクロスターとRSに専用設定する新色のスレートグレーパールを含む全13色を用意。2トーンカラーはクロスターの専用タイプとした。
パワートレインに関しては、1.5リットルDOHC i-VTEC(LEB型1496cc直列4気筒DOHC16Vアトキンソンサイクルエンジン、106ps/13.0kg・m)+2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」の駆動用モーターの出力をアップしたことがトピック。従来の最高出力80kWから10kWアップの90kW(123ps)に向上させ(最大トルクの253Nmは従来と同数値)、加速性能をいっそう引き上げた。一方、ガソリンエンジンは従来のL13B型1317cc直列4気筒DOHC16V・i-VTECユニットから、L15Z型1496cc直列4気筒DOHC16V・i-VTECユニット(最高出力118ps/6600rpm、最大トルク14.5kg・m/4300rpm)に換装。トランスミッションにはトルクコンバータ付きのCVTを組み合わせ、日常の様々なシーンにおけるゆとりある走りを実現した。
全タイプに標準装備する先進安全運転支援システムのホンダセンシングについては、従来の機能に加えて、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)と急アクセル抑制機能を新たに設定。また、ブラインドスポットインフォメーションと後退出庫サポートもタイプ別で新たに採用している。