フィアット・パンダクロス4×4 価格:6MT 263万円 試乗記
ピュアエンジン
WLTCモード燃費:16.4km/ℓ
パンダクロスは2014年のジュネーブ・ショーで初披露され、欧州市場ではパンダの最上位機種として人気を博している。だが、日本にはこれまで未導入だった。
そんなパンダクロスが限定150台ながら突然、日本デビューを飾った。しかも専用色の鮮やかなパステルイエローをまとってだ。特別装備は、専用デザインの内外装に加えて、ルーフレールとサイドモールディング、15インチの10スポークアルミホイール、シートヒーター付きのファブリックシート、センターコンソールの収納、ロータリースイッチ式のドライブセレクター(オート/オフロード/ヒルディセント)、そしてフルオートエアコンなど。パンダとしてはかなりの充実度だ。
パワートレーンに変更はない。875ccの直列2気筒ターボのツインエアと6速MTを組み合わせている。マニュアルトランスミッションで操れる、いまや貴重なコンパクトカーである。その代わり2ペダルミッションの設定はない。
それにしても派手な顔立ちだ。パステルイエローというカジュアルなボディカラーもあって、さほどいかつくは見えないが、これがダークなトーンなら、かなりの強面だろう。15個もの穴をレイアウトしたフロントアンダーガードが個性をアピールする。
走りのポテンシャルは高い。実力はスタンダードモデル以上だ。85psのツインエアエンジンは出足も鋭く、街中で使うには十分のパフォーマンス。中間域でやや伸びが鈍るが、アクセルを踏み続け日本の高速域に達した後は、余裕のクルージング性能を見せる。6速ミッションの効果である。シフトフィールは確実かつ軽快。まるでスポーツカーを操るような楽しさだ。
足回りのセッティングも上々である。街中から高速道路まで、全域にわたって及第点を与えられる。しなやかな乗り心地と安定感が高次元でバランスしている。ベーシックカーとはかくあるべき、という高い完成度だ。このあたりは同門の500と共通の特徴といえる。ロングセラーの理由というものだろう。
現行3rdパンダは2011年デビュー。欧州ではすでに改良モデルが発表されており、間もなく日本にも上陸するに違いない。パンダクロス4×4は、それまでのツナギ的な存在だが、ファンを刺激する強いアピール力を発散する。ボクは買い替えを決意した
グレード=クロス4×4(限定車)
価格=6MT 263万円
全長×全幅×全高=3705×1665×1630mm
ホイールベース=2300mm
トレッド=フロント1410×リア1410mm
車重=1150kg
エンジン=875cc直2DOHC8Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=63kW(85ps)/5500rpm ※ECO時 57kW(77ps)/5500rpm
最大トルク=145Nm(14.8kgm)/1900rpm ※ECO時 100Nm(10.2kgm)/2000rpm
WLTCモード燃費=16.4km/リッター(燃料タンク容量35リッター)
(市街地/郊外/高速道路:12.6/17.2/18.2km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスクリア:ディスク
タイヤ&ホイール=175/65R15+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
●主な燃費改善対策:マルチエア/START&STOPシステム/電動パワーステアリング/スマートオルタネーター
●主要装備:シティブレーキコントロール(衝突被害軽減ブレーキ)/ESC(エレクトロニックスタビリティコントロール)/ヒルホールドシステム/ドライブモードセレクター(オート&オフロード&ヒルディセントコントロール)/タイヤ空気圧モニタリングシステム/ハロゲンヘッドライト/前後フォグランプ/専用エクステリア(ルーフレール+前後バンパー+サイドモールディング)/専用ファブリックシート/前席シートヒーター/本革巻きステアリング&シフトノブ/マルチファンクションディスプレイ/CITYモードスイッチ(デュアルモード電動パワーステアリング)/フルオートAC/FM+AMチューナー付きUSBオーディオプレイヤー/車速感応集中ドアロック/ラゲッジフック/イモビライザー
●ボディカラー:パステルイエロー
※最低地上高と最小回転半径は未公表
※価格はすべて消費税込み リサイクル料金: 1万2450円