スカイライン200GT-tタイプSP 試乗記
スカイライン200GT-tタイプSP 価格:7SAT 471万3120円
販売主力は2リッターのGT
スカイラインは、1957年に誕生した伝統ブランド。2013年にデビューした現行V37型は13thモデルとなる。
最新スカイラインは、海外ではインフィニティQ50として販売されているプレミアムなワールドモデル。日本だけが"スカイライン"と名乗るのは、根強いファンの存在があるからだろう。
スカイラインは、日本で「GT」を名乗ったパイオニアだ。以前は直列6気筒エンジンをアイコンとしていたが、現在は3.5リッターV6DOHC24V(306ps)+モーター(68ps)を組み合わせた350GTハイブリッドと、2リッター直4DOHC16Vターボ(211ps)を積む200GT-tの2シリーズ構成。2リッターユニットは協力関係にあるダイムラー製。つまり、メルセデス・ベンツCクラス用と関係が深いパワーユニットだ。
ハイパワーで燃費に優れるV6ハイブリッドか、直4ターボかは悩むところ。両車の価格差は約80万円(同程度装備比)。販売主力は、価格がリーズナブルな直4の「メルセデス・スカイライン」、つまり200GT-tである。
200GT-tの2リッターターボ(211ps)はダイムラー製 パワーウエイトレシオは8.01kg/ps 日本仕様もインフィニティ・エンブレムを装着
バランスのとれたスポーツサルーン
V37型スカイラインには技術的なハイライトがある。DASと呼ばれる世界初搭載のステアリング・バイ・ワイヤーシステムだ。ハイブリッド車には標準装備で、直4ターボはオプションで設定される。試乗車は200GT-tのDAS装着車である。
2リッターターボが生み出すパフォーマンスは、必要にして十分。バランスがとれたスポーツサルーンという印象が強い。
〝高級車らしさ〟をV6ハイブリッド仕様と比較すると、ノイズと振動が断然大きい点は残念だ。しかし、それ以外は、直4仕様で満足できる。トランスミッションは7速AT。アクセルを深く踏み込んだときの息の長い加速は印象的だ。走行モードをスポーツに切り替えるとアップテンポな走りが楽しめる。
室内は上質 ステアリングの動きを電気信号に置き換えてバイワイヤーで制御するDASをop設定 ハンドリング性能は高水準
シャープなハンドリング。安定性も高い
DASはリファインされ、完成度が高まった。デビュー当初はややぎこちない印象だったが、最新モデルは、応答遅れのないシャープなハンドリングと、高速走行時の高いスタビリティを達成している。ユニークな乗り味が楽しめるという点で、選択する価値がある装備だ。
フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク式の足回りはやや固めのチューニング。乗り心地はフラットな印象が強い。国際派モデルだけに内装の作りは上質。V37型スカイラインは、スポーティかつラグジュアリーな雰囲気のバランスがよく、大人の味わいがある。
運転席ポジションメモリー付き本革シート標準 前席はヒーター機能内蔵 室内長2000mm
メーターは視認性に優れたアナログ2眼式 中央に情報モニターを装着
※次ページでスペックを紹介
日産スカイライン200GT-tタイプSP主要諸元と主要装備
グレード=200GT-tタイプSP
価格=7SAT 471万3120円
全長×全幅×全高=4815×1820×1450mm
ホイールベース=2850mm
トレッド=フロント1535×リア1555
車重=1690kg
エンジン=1991cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=155kW(211ps)/5500rpm
最大トルク350Nm(35.7kgm)/1250〜3500rpm
JC08モード燃費=13.0㎞/リッター(燃料タンク容量80リッター)
サスペンション=フロント・ダブルウィッシュボーン/リア・マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=245/40RF19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動油圧パワーステアリング/充電制御
●主要装備:インテリジェントエマージェンシーブレーキ/車線逸脱防止&警報/後側方衝突防止支援システム/後退時衝突防止支援システム/インテリジェントクルーズコントロール/ドライブモードセレクター/LEDヘッドランプ/ハイビームアシスト/スーパーUVカットグリーンガラス/リバース連動ドアミラー/前後ソナー/インテリジェントアラウンドビューモニター/スポーツフロントバンパー/デュアルエグゾースト/ランフラットタイヤ+19インチアルミ/パーソナルドライビングポジションメモリー/前席電動調整機構/本革シート/日産コネクトナビゲーションシステム/パドルシフト/インテリジェントACシステム/イモビライザー
●装着メーカーオプション:BOSEパフォーマンスシリーズ・サウンドシステム21万9240円/DAS(ダイレクトアダプティブステアリング)+アクティブレーンコントロール32万4000円/可倒式リアシート4万3200円/電動ガラスサンルーフ11万8800円
●ボディカラー:オーロラフレアブルーパール
※価格とスペックは2019年4月現在