ランボルギーニ・ウラカンEVO 試乗記
ランボルギーニ・ウラカンEVO 価格:7SMT 3223万735円
各部改良。EVOに発展
ウラカンがマイナーチェンジし、ウラカンEVOに発展した。改良ポイントは大きく分けて3つある。
ひとつ目はパワーアップだ。5.2リッター・V10自然吸気エンジンはバルブ回りと排気システムをリファイン。従来比で30ps/4.1kgmパワフルになった。スペックは高性能仕様のペルフォルマンテと同じ640ps/61.2kgm。EVOの0→100km/h加速は2.9秒、最高速度は325km/hに達する。
2つ目はエアロダイナミクス。ALAと呼ぶペルフォルマンテのアクティブエアロシステムとは異なる手法で徹底的に空気の流れを計算。とくにフロア回りの空力対策を追求した。結果、前期型標準モデル比で7倍のダウンフォースを獲得。空力性能は大幅に向上した。派手なエアロデバイスを使わずに達成、という点が素晴らしい。
EVOは主にフロア回りの空力対策で前期型標準モデル比で7倍のダウンフォースを獲得 特別なエアロパーツは未装備 駆動方式は4WD
クルマがドライバーの意思を先読み!
3つ目は、新たな統合頭脳とシャシー制御。従来モデルも可変ステアリングと可変ダンピング、アクティブボディコントロール、姿勢制御などの電子制御システムをすでに搭載していたが、EVOは、4輪操舵と4輪トルクベクタリング機構が加わった。そのシステムすべてが統合され、リアルタイムでフィードフォワード解析を行う優秀な頭脳で制御する。
制御の特徴は「ドライバーの意思を先読みする」点にある。走行中、クルマの状況とドライバーの意思を瞬時に判断し、膨大なシミュレーションデータと照合して、理想の走りを予想。それに合わせて車両の各機能を自動制御し、ハードなドライビングを可能にする。
「そこまでクルマにしてもらって何が楽しいの?」と思われるかもしれない。だが、これが想像以上にファン・トゥ・ドライブだった。
EVOは4輪操舵と4輪トルクベクタリング機構でシャープなハンドリングを追求 新たな統合制御システムで安定性は高い インパネデザインは従来モデルと同じ
サーキットで速さを堪能!
試乗の舞台は中東バーレーンのサーキットである。
最初はオーバーステアを許容するスポルトモード。コーナーではクリッピングポイントを過ぎたあたりでアクセルを開けると、理想の舵角がすんなりと決まる。視線をコーナーの出口に向けてさえいれば、きれいなカウンターステアが当たり、そのまま抜けていく。実際は100%クルマに助けてもらっているのに、自分で操ったという達成感が強い。だから面白い。
コルサモードはオン・ザ・レールに徹しており、これまたあぜんとするほど速くサーキットを周回した。同型車を操るプロドライバーに一対一で追走すると、同じラインを守っていれば、ペースが上がってもついていける。プロと同等のスピードでサーキットを攻める楽しさは格別である。
ウラカンEVOの完成度にスキはない。スーパースポーツの速さと楽しさ、先進性が実感できるマスターピースに成長した。
シートはサーキット走行にも対応したバケット形状 素材は多彩にラインアップ ユーザーの好みでセレクトできる 写真は本革とアルカンターラのコンビ
メーターはフル液晶式 走行モードに応じて表示が変化 写真はコルサモード
※次ページでスペックを紹介
ランボルギーニ・ウラカンEVO主要諸元
グレード=EVO
価格=7SMT 3223万735円
全長×全幅×全高=4520×1933×1165mm
ホイールベース=2620mm
車重=1422kg
エンジン=5204cc・V10DOHC40V(プレミアム仕様)
最高出力=470kW(640ps)/8000rpm
最大トルク=600Nm(61.2kgm)/6500rpm
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント245/30R20/リア305/30R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=2名
最高速度=325km/h
0→100km/h加速=2.9秒
0→200km/h加速=9.0秒
※価格とスペックは2019年4月現在
※スペックは欧州仕様