ランボルギーニ・ウラカンEVO・RWDスパイダー 価格:7DCT 2919万3598円 試乗記
ウラカンEVOスパイダーは、強者揃いの3000万円級スーパーカーの中でもユニークな個性が光る。魅力は絶品のマルチシリンダー自然吸気エンジン、そして磨きが掛かったエアロダイナミクスと電子制御デバイスである。
ドライビングを極めたい硬派にはRWDがお勧め。リアミッドシップに搭載する5.2リッターのV10自然吸気エンジンは、前期型RWDから30ps増強、つまり前期型のAWDモデルと同じ610psに進化した。トランスミッションは7速デュアルクラッチ式だ。
ウラカンは、ドライブモードセレクター、ANIMA(アニマ)が走り味を決める。RWDのアニマは専用セッティング。ストラーダ/スポーツ/トラックの3種から選べる。
ストラーダは後輪を安全に制御、ドライブしやすい弱アンダー設定。コルサはその名称どおりサーキットモードで、ニュートラルステアを堅持。できるだけスリップを抑えてコーナーでの脱出速度を高める。確かに速いが、しかし楽しくはない。
最もドライバーをエキサイトさせるのはスポーツモードだ。オーバーステア状態になっても、クルマ側が見事に制御。適切なトルクと最適なステアリングアシストにより、ドリフトコントロールが楽しめるように調律されている。しかもクルマ側が制御しているのに、ドライバーには“操る醍醐味”がある。もう、最高である。
RWDの魅力は、前輪が駆動力から開放されている感覚がつねに味わえる点だ。EVOは前期型に比べて高速走行時の後輪の安定感がぐんと増したうえ、制御システムの完成度はピカイチ。610psのBIGパワーRWDDスーパーカーとしては、異例の扱いやすさだ。
スパイダーのルーフは、コンパクトで軽量なソフトトップ構造を採用。電動油圧式で、開閉に要する時間はおよそ17秒。50km/h以下であれば、走行中の開閉操作も可能だ。
ウラカンEVO・RWDスパイダーは、スーパーカー界きってのファン・トゥ・ドライブなマシン。並のスーパーカーだと、蛮勇を持って立ち向かわなければならない過激なドライビングシーンでも、絶品のエンジンサウンドをBGMに、オープンでスマートに楽しむことができる。
グレード=ウラカンEVO・RWDスパイダー
価格=7SMT 2919万3598円
全長×全幅×全高=4520×1933×1180mm
ホイールベース=2620mm
トレッド=フロント:1668×リア:1620mm
車重=1509kg(乾燥重量)
エンジン=5204cc・V10DOHC40V
最高出力=449kW(610ps)/8000rpm
最大トルク=560Nm(57.1kgm)/6500rpm
燃料タンク容量=83リッター
サスペンション=前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:245/35ZR19/リア:305/35ZR19
駆動方式=MR
最小回転半径=5.75m
乗車定員=2名
最高速度=324km/h
0~100km/h加速=3.5秒
※価格を除きスペックは欧州仕様