日産自動車の米国部門は2021年2月5日、全面改良した新型パスファインダー(PATHFINDER)を本年夏より2022年モデルとして米国市場で発売する発表した。車種展開はS/SV/SL/Platinumの4グレードで構成。さらに、SVプレミアム/SLプレミアムの2種類のパッケージを用意する。日本への導入は、現在のところ予定されていない。
日産パスファインダーは、ニッサン・デザイン・インターナショナル(NDI)が車両デザインを手がけて1987年に登場した初代モデル、日本名テラノを源流とする3列シート仕様の大型SUVで、今回の新型が第5世代に当たる。製品企画は米国日産が担当し、基本骨格には進化版の日産Dプラットフォーム採用。ここに新設計の高剛性ボディをセットする。ホイールベースは114.2インチ(2900mm)に設定した。
エクステリアに関しては、「Bold, rugged all-new design(大胆かつ頑強なまったく新しいデザイン)」を標榜。力強いフロントフェイスに安定感のある佇まい、厚みのあるブリスターフェンダー、短くなったフロントオーバーハングなどによって、力強さと上質さを兼ね備えたアグレシッブな造形を創出する。初代モデルをオマージュして再解釈を加えた、スリースロットグリルと組み合わせたVモーショングリルやC字型のヘッドライト、流れるようなルーフライン、スクエアなフォルムなども印象的だ。また、歴代で初めてリアピラーおよびルーフを塗り分ける2トーンカラーを採用し、洗練度もいっそう高めている。
インテリアに関しては、「comfort and flexibility for the whole family(家族全体のための快適性と柔軟性)」をテーマに、現代のファミリー層のニーズに応える快適空間と実用性を、最新技術を融合させたうえで具現化したことが訴求点だ。水平基調で機能性に富むデザインで仕立てたインパネには、多様な情報を表示する12.3 インチのデジタルディスプレイを採用。また、視認性に優れる10.8インチサイズのヘッドアップディスプレイも装備する。一方、インターロッキングデザインのサイドベントとドアフィニッシャーは乗員にクルマの頑強さと安心感を印象づけ、合わせて電動シフターの設定によってブリッジ形状のセンターコンソールの下部に収納スペースを設けて、実用性をいっそう高めた。
3列式シートは2/3/3名乗車の8名乗りを標準で採用したほか、2列目にパスファインダーとして初の2名掛けキャプテンシートを装着した仕様を用意。さらに、脱着可能なセンターコンソールを設定し、後席乗員の利便性をより向上させた。
パワーユニットにはアイドルストップ&スタート機能を組み込んだ最新バージョンの3.5リットルV型6気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(284hp/259lb-ft)に、シフト・バイワイア方式の新しい電子制御式9速ATを搭載。駆動機構には、7種類(ノーマル、スポーツ、エコ、スノー、サンド、マッド/ラット、トーイング)の走行モードを選択できるドライブ&テレインモードセレクターを備えたダイレクトカップリング式の新型インテリジェント4WDを採用した。
一方、安全運転支援機構については、最新の日産セーフティシールド360を全車に標準で組み込んでクラストップレベルの安全性を確保。また、SVおよびSLグレードにはステアリング制御とインテリジェントクルーズコントロールの組み合わせにより、高速道路において巡行時から渋滞時までアクセル、ブレーキ、ステアリングを統合制御することで運転をサポートするProPILOT Assistを採用する。さらに、Platinumグレードにはナビゲーションの地図情報を活用して高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に調整する新機能を組み込むProPILOT assist with Navi-linkを装備した。