【最新モデル試乗】スタイリッシュなハイパワー4WD、T-Roc・RはVWのスポーツ代表にふさわしい

VW T-Roc・R 価格:7DCT 626万6000円 試乗記

VWの定番モデルに成長したT-RocにスパイシーなRグレードが登場した。Rは2リッター直4ターボ(300ps/400Nm)を搭載。駆動方式はシリーズ唯一の4WD。19インチタイヤを装着する

VWの定番モデルに成長したT-RocにスパイシーなRグレードが登場した。Rは2リッター直4ターボ(300ps/400Nm)を搭載。駆動方式はシリーズ唯一の4WD。19インチタイヤを装着する

300psの強心臓。ビビッドで引き締まった走り味

 VWのスタイリッシュSUV、T-Rocの販売は、2020年7月にディーゼルからスタート。約1年後にガソリン車が追加され、今回のマイナーチェンジで商品力をグッと高めた。
 内外装デザインは大きく変わった。クーペライクなスタイリングがVW車としては個性を放っていたが、最新型はライトやグリルの意匠が変更され、従来よりも力強い印象に。内装も刷新され質感が大幅に向上している。インフォテインメント系がアップデートされ、最新の運転支援システムが標準装備された。

 注目は、スポーツモデルのR仕様の登場だ。Rの心臓部には2.0TSIエンジンを採用、7速の湿式タイプDSGを組み合わせる。T-Rocで唯一、4MOTION(4WD)を搭載し、アダプティブシャシーコントロール(DCC)を標準装備する。

 スタイリングは精悍だ。絶妙にローダウンされ、専用に仕立てられた内外装がさりげなく特別感をアピール。ディフューザー形状のリアバンパーから覗く計4本のエグゾーストパイプや、19インチの大径ホイールの奥に見えるブルーのブレーキキャリパーが、タダモノではない雰囲気を感じさせる。
 インテリアもスポーツ空間。Rのロゴが誇らしげなナッパレザーのスポーツシートと、Rボタン(走行モードを選択)を備えたステアリングホイールを装備する。

マイナーチェンジでフロントマスクとバンパー形状をリファイン。スポーティな印象を高めた

マイナーチェンジでフロントマスクとバンパー形状をリファイン。スポーティな印象を高めた

Rは235/40R19タイヤとスポーク形状アルミ標準。ブレーキキャリパーはブルー仕上げ。リアサスペンションはシリーズ唯一の4リンク式を採用

Rは235/40R19タイヤとスポーク形状アルミ標準。ブレーキキャリパーはブルー仕上げ。リアサスペンションはシリーズ唯一の4リンク式を採用

 エンジンはティグアンRと基本的に共通だが、約200kg軽い車両重量に合わせて出力は20ps低い300psに。0→100km/h加速は4.9秒と俊足。2000rpmから400Nmの最大トルクを発生し、レッドゾーンの6500rpmまで一気に吹き上がる。

 走りは豪快にして痛快。DSGの歯切れのよいシフトチェンジが気持ちいい。走行モードでレースを選択すると一段と瞬発力が増し、サウンドは低音が強調される。俊敏なハンドリングもRらしい。T-Rocはホイールベースが短く回頭性が十分に確保できることから、ティグアンRのようなリアのトルクベクタリング機構は設定されていない。だが、後ろから上手く押し出してくれる感覚があり、立ち上がりもスムーズに曲がっていく。

 もう1台のお勧めは、ディーゼルのRラインである。T-Rocのキャラによく似合う。2リッターの排気量から150ps/340Nmを発揮するディーゼルは本当によくできている。低速から力強く、爪先の微妙な加減でトルクを意のままにコントロールできる。音や振動もディーゼルとしてはかなり抑えられている。DCC付きなら乗り心地も上々だ、それでいてスポーティな走りに応える懐の深さを持ち合わせているのだから申し分ない。
 最新モデルは、初期型よりも全体的に洗練された印象を受けたこともお伝えしておこう。

VW T-Roc主要諸元

エンブレム

グレード=R
価格=7DCT 626万6000円
全長×全幅×全高=4245×1825×1570mm
ホイールベース=2590mm
トレッド=未公表
車重=1540kg
エンジン=1984cc直 4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様) 
最高出力=221kW(300ps)/5300〜6500rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2000~5200rpm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量50リッター)
(市街地/郊外/高速道路=未公表)
サスペンション=前ストラット/後4リンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/40R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表

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