【最新モデル試乗】走りたくましく、最新スペックに進化したマツダ3。そのパワフルさの価値

マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) マツダ独自のスカイアクティブXユニットは燃焼制御のリファインで最高出力を190psにアップ 幅広い領域で力強い走りを実現した 外観はフロントフェンダーにエンブレムを装着したのが識別点
マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) マツダ独自のスカイアクティブXユニットは燃焼制御のリファインで最高出力を190psにアップ 幅広い領域で力強い走りを実現した 外観はフロントフェンダーにエンブレムを装着したのが識別点

マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) 価格:6SAT 361万6963円 試乗記

最新技術を積極投入。出力アップが嬉しいポイント

マツダ3の○と×
○:ライバルを寄せ付けない多彩パワーユニット
×:未だに割高感が拭えない「スカイアクティブX」

 最新テクノロジーは、モデルチェンジを待つことなく投入する――そんなマツダのポリシーを受けて、マツダ3が商品改良された。エンジンとトランスミッション(AT)のソフトウェア・アップデートによる性能向上、およびスプリングやダンパー特性の見直しによる、ダイナミクスと乗り心地の改善が主なメニューだ。リファインによりスカイアクティブXと1.8リッターディーゼルの最高出力は、それぞれ190ps(旧180ps)、130ps(旧116ps)にアップ。さらに2リッターガソリンのファストバックには「要望が多かった」6速MTが追加されている。

 試乗車は、マツダが世界で初めて実用化した独自の燃焼方式を採用するガソリンエンジン「スカイアクティブX」と、1.8リッターディーゼルを搭載するファストバック(ともにAT仕様)。前者は「燃焼制御を最適化することで、ほぼすべての領域でトルクと出力を向上」。後者は「燃料噴射制御の最適化で高回転まで力強さを持続」がうたわれ、同時にATの最適セッティングを通じて動力性能向上が図られた。

全長×全幅×全高4460×1795×1440mm マツダ3の造形は世界的に高評価獲得
全長×全幅×全高4460×1795×1440mm マツダ3の造形は世界的に高評価獲得
スカイアクティブX 1997cc直4DOHC16V(190ps/240Nm)+モーター(6.5ps/61Nm) 最新型はスタート時から強力
スカイアクティブX 1997cc直4DOHC16V(190ps/240Nm)+モーター(6.5ps/61Nm) 最新型はスタート時から強力

力強さを実感。すべてが正常進化。これは価値がある!

 いずれのモデルでも効果は明確だった。「圧倒的な差がある」というまでには至らないものの、確かに力強い。
 スカイアクティブX搭載モデルは、メーカーが「高応答エアサプライ」と表現するスーパーチャージャーの制御を緻密化。より多くの空気をシリンダーに送ることでパワーアップしている。まずスタート時の力強さが増していた。あたかも「排気量が上乗せされた」かのような印象で、街乗りでもたびたび恩恵を受けるだけにうれしいポイントだ。わずかなアクセルワークに対する挙動も、ドライバーの意志にリニアに反応する。初期型を手にしたユーザーにも、最新スペックへのレトロフィットが無償で行われる予定というのも、見逃せないポイントである。

 1.8リッターディーゼルは、加速の自在感がいっそうアップしていた。いい意味で「自然吸気のようなフィーリングが増した」といいたくなる仕上がりだった。30km/h付近からアクセルをわずかに踏み増したような領域で、とくに力強さが明確だ。
 フットワークの改善は、さほど大きくは感じられなかった。従来比で「サスペンションの動きの初期からダンピングが増した」印象はあるものの、それがむしろ、硬質なテイストを生み出しているように感じられるシーンもあった。

 マツダ3は、いちだんと魅力的になっていた。従来型のユーザーにも配慮しつつリファインを積極的に継続するマツダの姿勢には、大いなる賛辞を贈りたい。

室内は変更なし 写真は標準インテリア レッドカラーをあしらったバーガンディセレクション(7万1500円高)も設定
室内は変更なし 写真は標準インテリア レッドカラーをあしらったバーガンディセレクション(7万1500円高)も設定
Lパッケージは本革シート標準 前後席とも自然な着座姿勢を提供 長距離ドライブでも疲れが少ない設計
Lパッケージは本革シート標準 前後席とも自然な着座姿勢を提供 長距離ドライブでも疲れが少ない設計
ヘッドライトはアダプティブ機能付きフルLED シャープな意匠
ヘッドライトはアダプティブ機能付きフルLED シャープな意匠
215/45R18タイヤ+7Jアルミ装着 最新モデルはスプリングとダンパー特性を改良
215/45R18タイヤ+7Jアルミ装着 最新モデルはスプリングとダンパー特性を改良
スカイアクティブX車は専用形状エグゾーストエンド採用
スカイアクティブX車は専用形状エグゾーストエンド採用
メーターは精緻な印象の3眼形状 中央の速度計は7インチ液晶タイプ 表示モードが選べる先進設計
メーターは精緻な印象の3眼形状 中央の速度計は7インチ液晶タイプ 表示モードが選べる先進設計
6速ATはエンジン応答制御を最適化 思いどおりの的確な加速を追求
6速ATはエンジン応答制御を最適化 思いどおりの的確な加速を追求
ACCは全車速対応 加減速制御をスムーズに変更
ACCは全車速対応 加減速制御をスムーズに変更
センターモニターは8.8インチ 360度モニターはセットop(8万6880円)
センターモニターは8.8インチ 360度モニターはセットop(8万6880円)
荷室は後席使用時に67リッターのトランクが 2個積めるスペース 後席を倒すとミニワゴン級のユーティリティ
荷室は後席使用時に67リッターのトランクが 2個積めるスペース 後席を倒すとミニワゴン級のユーティリティ

マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=X・Lパッケージ(4WD)
価格=6SAT 361万6963円
全長×全幅×全高=4460×1795×1440mm
ホイールベース=2725mm
トレッド=フロント:1570×リア:1580mm
車重=1510kg
エンジン=1997cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=140kW(190ps)/6000rpm
最大トルク=240Nm(24.5kgm)/4500rpm
モーター最高出力=4.8kW(6.5ps)/1000rpm
モーター最大トルク=61Nm(6.2kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=16.2km/リッター(燃料タンク容量48リッター)
(市街地/郊外/高速道路=12.6/16.7/18.1km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/45R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3
●主な燃費改善対策=ハイブリッドシステム/アイドリングストップ/筒内直接噴射/リーンバーン/可変バルブタイミング/充電制御/ロックアップ機構付きトルクコンバーター/電動パワーステアリング
●主要装備=スマートブレーキサポート(前後進時)/AT誤発進抑制制御(前後進時)/リアパーキングセンサー/レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)/レーンキープアシスト/交通標識認識システム/車線逸脱警報/ブラインドスポットモニタリング/ドライバーアテンションアラート/アダプティブLEDヘッドライト/バックガイドモニター/8.8インチセンターディスプレイ/7㌅マルチスピードメーター/ヘッドアップディスプレイ/本革巻きステアリング&シフトノブ/ステアリングヒーター/レザーシート/運転席電動調節機構/前席シートヒーター/フルオートAC/マツダ・ハーモニックアコースティックス(8スピーカー)/ブラックメタリック塗装18インチアルミ/Gベクタリングコントロールプラス/電動パーキングブレーキ(オートホールド付き)/マフラーカッター
●装着メーカーop=360度セーフティパッケージ(360度ビューモニター+ドライバーモニタリング)8万6880円/スーパーUVカットガラス+IRカットガラス+CD/DVDプレーヤー+地デジTVチューナー4万9500円
●ボディカラー:ポリメタルグレーメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は9780円

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