グループPSAジャパンは2021年3月10日、DSオートモビルのフラッグシップSUVであるDS7クロスバックにプラグインハイブリッド(PHEV)の「DS7クロスバック E-テンス4×4(DS7 CROSSBACK E-TENSE 4×4)」をラインアップし、同日より発売した。グレードはグランシック(Grand Chic)の1タイプで、車両価格は732万円に設定する。
DSブランド初のPHEVモデルとなるDS7クロスバック E-テンス4×4は、DSのラグジュアリーSUVならではのエレガンスさに、次世代モビリティへの道を拓く最新の“E-TENSEテクノロジー”を高度に融合させたことが特徴である。
基本骨格には、新世代モジュラープラットフォームのEMP2をベースに、PHEVを構成するパワートレインを効率的にレイアウトする改良を実施。そのパワートレインは、“PureTech”1598cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(200ps/300Nm)+フロントモーター(81kW/320Nm)+リアモーター(83kW/166Nm)という総出力300ps/520Nmの動力源に、容量13.2kWhのリチウムイオンバッテリーとオンボードチャージャー+DC/DCコンバーター、トルクコンバーターに代わり湿式多板クラッチを配したe-EAT8(電子制御8速AT)を組み合わせて、電動4×4システムを具現化する。また、減速時の運動エネルギーでバッテリーを充電、残量を回復する回生ブレーキシステムも導入し、フォーミュラEからインスパイアされたDモードとBモードの2つのエネルギー回生パターンを採用。性能面では0→100km/h加速を5.9秒(純ガソリンエンジン仕様は8.2秒)でこなし、また燃費面はWLTCモードで14.0km/リットルを成し遂げる。さらに、エレクトリックモードでの航続距離(EV走行距離)は56kmを実現した。
シチュエーションに合わせて走行性能を最適化する5つのドライブモード、ハイブリッド/コンフォート/スポーツ/4WD/エレクトリックモードを設定したことも訴求点だ。ハイブリッドモードは、エンジンと前後のモーターを活用しながら総合的に効率を高める仕組み。コンフォートモードは、DSアクティブスキャンサスペンションを作動させ、快適な乗り心地と静粛性、走行安定性を実現する。スポーツモードは、主にエンジンを動力源としながら、状況に応じてモーターのパワーも活用して高出力を引き出し、ダイナミックな走りを演出。4WDモードは前後のモーターを独立して制御し、4輪それぞれのグリップ状況をモニターしながらトラクションを最大化する。そしてエレクトリックモードは、電動モーターのみで走行するゼロエミッションパターンで、EVならではの静かで振動の少ない走りを達成。最高速度は135km/hに設定した。
満充電に要する時間は、付属の充電ケーブルを使った3kW/200Vで約5時間、ウォールボックスタイプの6kW/200Vで約2.5時間。また、無料のスマートフォン用アプリ“MyDS”をダウンロードすれば、離れた場所からでの充電予約と状況の確認、そしてエアコンのプリコンディショニングの操作が可能だ。
エクステリアについては、フロントフードおよびリアゲートに配したE-TENSEエンブレムを除いて、純内燃機関モデルのDS7クロスバックと基本的に共通。電動化モデルとしての差異化はあえて行わず、エレガントかつ存在感あふれるSUVルックを踏襲する。一方でボディカラーには、繊細なメタリックホワイトを基調にハイライト部分にほのかにシャンパンゴールドが覗く専用色のクリスタルパールを新設定。ほかに、ブランナクレ/ブルーアンクル/ブランバンキーズをラインアップした。
内包するインテリアは、オフホワイトのレザーをあしらったRIVOLIインスピレーションで構成。シート(シートヒーター&ベンチレーション付き)、ドアトリム、インストルメントパネルにはダイヤモンドステッチを採用し、メーター、センターモニターのグラフィック、センターコンソールに配したクル・ド・パリ文様(ギョーシェ)と統一された世界観を創出する。乗員の開放感を高めるパノラミックサンルーフも標準で組み込んだ。
なお機構面では、レーンキープ時に左右両側の白線の中央のみならずドライバーが任意に左右位置を決めることができるDSコネクテッドパイロットや、路面をセンシングして足回りを制御するDSアクティブスキャンサスペンション、6つの配光モードを自動で使い分けるDSアクティブLEDビジョンなどを標準で採用している。