【名車購入ガイド】ストレート6ツインターボ+FR。A80型スープラは最高のパフォーマンスでマニアを魅了した

トヨタ・スープラRZ・17インチホイール装着車 A80型スープラは94年秋に北米仕様と共通の17インチタイヤとフロント4ピストン&リア2ピストン強化ブレーキ装着車を設定 スポーツ性能に磨きを掛けた
トヨタ・スープラRZ・17インチホイール装着車 A80型スープラは94年秋に北米仕様と共通の17インチタイヤとフロント4ピストン&リア2ピストン強化ブレーキ装着車を設定 スポーツ性能に磨きを掛けた

トヨタ・スープラRZ・17インチホイール装着車 新車時価格:6MT 441万円(1994年式) 試乗記

走りのポテンシャルは世界第一級! 3リッター直6は超魅力的

 トヨタ製スポーツモデルの頂点を担うハイパフォーマンスの実現が、スープラ(A80型)に与えられた使命だ。エクステリアは、オリジナリティという点でまさに満点を与えてもいい。スポーツカーに不可欠な「走りのクルマ」というイメージを強く主張している。ボディサイズは、日本で扱うにはやや大柄(4520×1810×1275mm)である。

 走りのトップモデルは、17インチタイヤと専用ブレーキ(セットオプション)を装備したRZの6速MT仕様である。RZの走りのポテンシャルは、間違いなく世界第一級の水準に達している。
 搭載ユニットは、3リッター直6DOHC24Vツインターボの2JZ-GTE型(280ps/44.0kgm)。このエンジンは、ハイパワーもさることながら、信じられないほどに俊敏かつ柔軟なターボレスポンスで、ドライバーを驚かせる。ポテンシャルのすべてを発揮するためには、タコメーターの針を3000rpm以上に維持しておく必要がある。そこからアクセルペダルを踏み込むと、瞬時にターボブーストの利いた豊かなトルクがわき上がる。さらに4000rpmを過ぎるあたりから本格作動を始めるセカンダリーターボの働きで、「シートバックに押しつけられる加速」が堪能できる。

A80型スープラは3リッターツインターボ(280ps)を搭載したRZ/GZと3リッター自然吸気(225ps)を積むSZの基本3グレード構成 Cd値は0.30をマーク
A80型スープラは3リッターツインターボ(280ps)を搭載したRZ/GZと3リッター自然吸気(225ps)を積むSZの基本3グレード構成 Cd値は0.30をマーク

逞しいフットワーク。ハンドリング&スタビリティとも高水準

 このストレート6は、きわめて優れた低回転性能を誇ることもセールスポイントである。極端な話、1000rpmも回っていれば、そこからシフトポジションを問わず軽々と回転を上昇させていく実力を持つ。街中の運転も楽だ。

 フットワークは、ハンドリング性能もスタビリティ性能もハイレベルにある。試乗車は、ポテンザRE101タイヤを装着していた。そのグリップ力は超一級レベルで、2速フルパワーというシーンでも、ドライ路面では容易にはパワードリフトに持ち込めないほどだ。
 ブレーキ性能は、従来モデルから大幅に向上した。メーカーは「システム自体の改良に加えて、各部の精度向上などの技術が進歩した点も大きい」と説明する。確かにかつて試乗した17インチタイヤの北米モデルと、今回の17インチ仕様のブレーキタッチは別物だった。
(カー・アンド・ドライバー 1994年10月26日号発表)

RZは2997cc直6DOHC24Vツインターボ(280ps/5600rpm 44.0kgm/3600rpm)搭載 全域パワフル A80型スープラはニュルブルクリンク北コースで開発テストを本格実施 各部を煮詰めた 足回りは4輪ダブルウィッシュボーン式
RZは2997cc直6DOHC24Vツインターボ(280ps/5600rpm 44.0kgm/3600rpm)搭載 全域パワフル A80型スープラはニュルブルクリンク北コースで開発テストを本格実施 各部を煮詰めた 足回りは4輪ダブルウィッシュボーン式
インパネはコンソールをドライバーに向けた機能的な造形 本革巻きスポーツステアリング標準 6速MTはゲトラグ社と共同開発
インパネはコンソールをドライバーに向けた機能的な造形 本革巻きスポーツステアリング標準 6速MTはゲトラグ社と共同開発
前席はファブリック張り サポート性を重視したスポーツ形状 前後スライドとリクライニングは手動調節式 キャビンは2+2構成
前席はファブリック張り サポート性を重視したスポーツ形状 前後スライドとリクライニングは手動調節式 キャビンは2+2構成

ワンポイント名車購入ガイド

 2ndスープラ(ワールドワイドでは4thモデル・A80型)はトヨタ独自開発のFRスポーツ。1993年から2002年まで販売された。全車3リッター直6DOHC24V搭載。ツインターボとNAが選べた。ツインターボのRZには独ゲトラグ製6速MTを設定する。現在、価格は上昇傾向。350万円以上で取引されている。最近、走行1万kmのコンディション良好車で1100万円という事例も。トヨタは先日、ヘッドライトの復刻生産を発表。部品供給は改善傾向にある。

1994年式トヨタ・スープラRZ・17インチホイール装着車 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード:RZ・17インチホイール装着車(MT/1994年式)
新車時価格:6MT 441万円
寸法・重量:全長×全幅×全高4520×1810×1275mm ホイールベース2550mm 車重1510kg
エンジン:2997cc直6DOHC24Vツインターボ(280ps/5600rpm 44.0kgm/3600rpm)
サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:フロント235/45ZR17/リア255/40ZR17+アルミ 
駆動方式:FR
乗車定員:4名
※2ndモデル(ワールドワイドでは4thモデル)/生産期間:1993~2002年

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