ホンダS660モデューロXバージョンZ 価格:6MT 315万400円 新車ニュース
ホンダは、「S660を2022年3月に生産を終了する」と発表。同時に、ファイナルモデルのモデューロXバージョンZを発売した。
S660は、本田技術研究所設立50周年を記念した商品企画提案をきっかけに開発がスタートした異色モデル。ホンダらしい「走る喜び」を追求したミッドシップKカーとして2015年4月にデビューした。以来、約3万2000台を販売し、本発表前でも納車まで3カ月かかる人気ぶり。メーカーは生産終了を「今後厳しくなる安全・環境規制を考慮しての判断」と説明する。
S660の生産終了は、2021年シーズンで終了するF1プロジェクトとともに、ファンは残念。だが、S660の場合、単に終了するのではなく、素敵なファイナルモデルが設定された。モデューロXバージョンZである。バージョンZは、「ホンダにしかできない、多くの人が楽しめる、心揺さぶるスポーツカーを」というS660の開発時の思いを大切にした、集大成となる最終形だ。
ベースモデルは、内外装から足回りまで、徹底的にファインチューンしたモデューロX。ボディカラーはソニックグレーパールとプレミアムホワイトパールの2色で、トランスミッションは6速MTのみ。価格は315万 400円になる。ちなみにバージョンZというネーミングは、かつてのビートの最終モデルと同じだ。
バージョンZと通常のモデューロXとの違いは、さほど多くない。ひと目でわかるポイントは、ボディカラーだ。特別色として精悍なソニックグレーパールをラインアップした。その他、エンブレムをブラッククローム調に変更、アルミホイールはステルスブラック仕上げになり、リアのアクティブスポイラーもブラックで統一した。
インテリアは、メーターバイザーやセンターコンソールパネルがカーボン調になり、ドアライニングパネルをラックススエードと合皮(ボルドーレッド)でコーディネート。専用シートセンターバッグ、バージョンZのロゴ入りアルミ製プレートが装着される。
メカニズム関係はモデューロXと共通。エアロ形状のフロントバンパーがボディ下面の空気の流れを整流。ガーニーフラップ付きリアスポイラーとの相乗効果で、エアロダイナミクス性能はハイレベル。足回りには5段階減衰力調整式の専用サスペンションが組み込まれ、タイヤは前165/55R15、後195/45R16サイズのアドバン・ネオバを装着する。
ドライバーの背後に搭載するエンジンは658ccの直3DOHC12Vターボ。64ps/6000rpm、104Nm/2600rpmのスペックは標準車と共通だ。トランスミッションはアクティブにドライビングが楽しめる6速MTのみ。ベース車は7速CVTも選べるが、バージョンZには未設定だ。
2022年3月の生産終了まで、S660のラインアップは、最終仕様のモデューロXバージョンZのほか、標準のモデューロZ、そしてαとβが出荷される。
なお、S660のメーカー公式サイトでは、今後スペシャルムービーや、開発者・製造者のメッセージをまとめた“S660ヒストリー”を順次公開予定。こちらも面白そうな企画だ。
グレード=モデューロXバージョンZ
価格=6MT 315万400円
全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm
ホイールベース=2285mm
トレッド=フロント:1300×リア:1275mm
最低地上高=125mm
車重=830kg
エンジン=658cc直3DOHC12Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=104Nm(10.6kgm)/2600rpm
WLTCモード燃費=20.6km/リッター(燃料タンク容量25リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:16.0/21.6/22.7km/リッター)
サスペンション=前後:マクファーソン
ブレーキ=前後:ディスク
タイヤ&ホイール=フロント・165/55R15/リア:195/45R16+アルミ
駆動方式=MR
乗車定員=2名
最小回転半径=4.8m
※燃費データはαグレードの数値