SUBARUの北米部門は2021年3月30日(現地時間)、フラッグシップクロスオーバーSUVのアウトバックをベースにオフロード性能を強化した新グレードの「アウトバック・ウィルダネス(Outback Wilderness)」を2022年モデルとして発表した。
今回発表されたアウトバック・ウィルダネスは、既存のアウトバック(2019年4月開催のニューヨーク・オートショーでデビュー)が有する安心感や快適性はそのままに、悪路での走破性を高め、かつアウトドアレジャーなどで役立つ機能をさらに強化して、タフでラギッドなキャラクターにいっそうの磨きをかけたことが特徴である。
まずパワーユニットには、FA24型2387cc水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジン(260hp/277lb-ft)を搭載。トランスミッションには専用セッティングのリニアトロニック(フル電子制御CVT)を組み合わせ、リアディファレンシャルのファイナルドライブレシオを4.44:1に設定して、標準モデルに対して極低速時のトラクション性能を強化する。また、高剛性ボディにバンプストローク量の大きい専用サスペンションをセットすることで、日常使用での快適性を維持しつつ、未舗装路での衝撃吸収や路面追従性を向上させた。さらに、シューズにはオールテレーンタイヤ(Yokohama GEOLANDAR)を装着して、登坂路等での走破性を強化。最低地上高に関しては、標準モデルの8.7インチ(約221mm)から9.5インチ(約241mm)へと引き上げた。そして、悪路走破性と安心感を高めるエンジン・トランスミッション・シンメトリカルAWD・VDC・ブレーキなどを統合制御するX-MODEも、DEEP SNOW/MUDモードの対応速度域を広げて、実用性をいっそう高めている。
内外装デザインをオフロード志向モデルらしく仕立て直した点も要注目だ。エクステリアは前後バンパーやサイドガード、フロントスキッドプレートなど、随所に専用パーツを装着。アクティブさを演出するとともに、車体を保護する役割も兼ね備える。また、積載力を向上させたルーフレールや左右両方に装着した牽引フックなど、アウトドアシーンでの実用性を高めるエクイップメントも満載した。さらに、これらの高い機能性を併せ持つパーツにはアナダイズドイエローのアクセントカラーを配し、オリジナリティ性を強調する。ほかにも、ヘックスデザインのLEDフォグランプやマットブラック仕上げのアンチグレアフードデカール、マットブラック仕上げの17インチアロイホイール、ブラックフィニッシュのウィンドウトリムおよびエクステリアバッジなどのアイテムを組み込んだ。ボディサイズは、標準モデル比で全幅が1.6インチ幅広い74.6インチ(約1895mm)、全高が0.8インチ高い66.9インチ(約1699mm)に設定。191.3インチ(約4859mm)の全長と108.1インチ(約2746mm)のホイールベースは共通だ。また、アプローチアングルは標準モデルの18.6度から20.0度、ランプブレークオーバーアングルは19.4度から21.2度、デパーチャーアングルは21.7度から23.6度に引き上げている。
インテリアについては、ブラックとグレーのダークトーンでコーディネートしたうえで、エクステリアと同様にアナダイズドイエローのアクセントカラーを効果的に配備。また、防水性を備えたシート表皮および後席シートバックを採用し、ヘッドレストにはエンボス加工で“SUBARU WILDERNESS”ロゴを入れる。さらに、全天候型フロアマットにも同様のロゴを貼付し、合わせてエンジン起動時にはメーターディスプレイに“SUBARU WILDERNESS”ロゴを表示する機能を組み込んだ。標準モデルと同じく、先進のEyeSightドライバーアシストテクノロジーやSUBARU STARLINK 11.6インチマルチメディアシステムも設定している。
なお、ウィルダネスを含めたアウトバックの日本への導入に関しては、現在のところ正式なアナウンスはない。