アウディRS4アバント 試乗記
アウディRS4アバント 価格:8SAT 1196万円
V6ツインターボ搭載。栄光の伝統を継承
アウディスポーツと聞いて、「ちょっとスポーティなアウディ車のこと?」なんて思っているとしたら、いますぐ考えを改めてほしい。旧クワトロ社の社名をアウディスポーツ社と改めたうえで、R8やRSシリーズを企画・生産するアウディのプレミアムスポーツブランドだ。ある意味、BMWのMやメルセデスのAMGより過激なハイパフォーマンスカーを生み出している。
アウディスポーツの最新作がRS4アバントだ。RSモデルのルーツは、1993年にポルシェとの刺激的なコラボレーション(当時業績不振だったポルシェ社救済の意味合いも強かった)で誕生したRS2アバントである。2.2リッター直5ターボ(315ps)を搭載し、ポルシェ用ホイールを装着したワゴンボディのRS2は、いまなお高い人気を誇る。
RS2の伝統を継承した最新RS4アバントは現行A4シリーズのフラッグシップ。最大のニュースは、搭載エンジンを従来の4.2リッター・V8(450ps/43.8kgm)から2.9リッター・ V6ツインターボ(450ps/61.2kgm)にダウンサイズした点。パフォーマンスを引き上げつつ、燃費など環境性能も向上させる手法は、ハイパフォーマンスカー界でも常識となった。もっとも、かつてのRS2もターボユニットだったから、RS44とターボの組み合わせは伝統の復活ともいえる。
RS4アバントはアウディスポーツ社(旧クワトロ社)が企画から生産まで手がけるA4のスポーツフラッグシップ 最高速度は280km/h(リミッター作動) 駆動方式は4WD
精悍かつ精緻。エッジのきいたエアロデザイン
RS4アバントのルックスはスパイシーだ。大型のバンパーグリルを左右に配したフロントフェイスは威圧的でさえあり、エッジのきいたエアロデザインは同じグループのランボルギーニを彷彿させる。全幅は標準比で25mm広くなっており、ベースとなったA4アバントとは別物の存在感を発する。275/30R20サイズのタイヤと大径9Jアルミが、クワトロらしく路面をつかんでいる。
インテリアはラグジュアリーな仕立てだ。質感の高いスポーツシートに身を任せ、触感に優れたステアリングホイールを握りしめた。
インパネはベース車のA4と共通形状 本革巻きスポーツステアリングはフラットボトム形状 メーターはフルデジタル12.3インチ液晶タイプ
過激にして洗練。最上のオールラウンダー
発進加速は強烈だ。大トルクが発進時から高速域まで持続する。0→100km/h加速は4.1秒。スーパースポーツカー並みのダッシュ力だ。それでいて加速シーン、いや、ステアリングを握っているときはずっと、洗練された抜群の走りが味わえた。
悪魔的な過激さが影を潜めたというとウソになる。過激は過激だ。実にRSシリーズらしい。けれども、その過激さを発揮するプロセスが、MやAMGに勝るとも劣らず極上だ。それゆえ街乗りではまったくの高級車として振る舞える。
RS4アバントは、圧倒的に速く、快適でユーティリティの高いオールラウンダー。スーパーなパフォーマンスを誇る、とびきり刺激的なワゴンだ。
シートはサポート性が高いスポーツ形状 ファインナッパレザー仕上げ 前席シートヒーター標準 乗り心地はしなやか
2893cc・V6DOHC24ツインターボ 450ps/5700〜6700rpm 61.2kgm/1900〜5000rpm JC08モード燃費:11.2km/リッター
※次ページでスペックを紹介
アウディRS4アバント主要諸元と主要装備
グレード=アバント
価格=8SAT 1196万円
全長×全幅×全高=4780×1865×1435mm
ホイールベース=2825mm
トレッド=フロント1595×リア1590mm
車重=1840kg
エンジン=2893cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=331kW(450ps)/5700〜6700rpm
最大トルク=600Nm(61.2kgm)/1900〜5000rpm
JC08モード燃費=11.2 km/リッター(燃料タンク容量58リッター)
サスペンション=前後ウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=275/30R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/電子スロットル/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/アイドリングストップ/8速ティプトロニックトランスミッション
●主要装備:アウディプレセンスシティ/アウディパーキングシステム/アウディプレセンスリア/マトリクスLEDヘッドライト/LEDリアライト/DRC付きスポーツサスペンションプラス/アウディドライブセレクト/ダイナミックステアリング/ファインナッパレザーRSスポーツシート/RSマルチファンクションスポーツステアリング(本革巻き)/ステンレス製ペダル/3ゾーンオートAC/7インチディスプレイMMI/アジャスタブルスピードリミッター/20インチ鍛造アルミ/リアスポーツデファレンシャル/RSバンパー/マットアルミニウムウィンドウモール/オートマチックテールゲート
●装着メーカーオプション:RSスポーツエグゾーストシステム17万円/前後シートヒーター6万円/ヘッドアップディスプレイ14万円/カーボンスタイルパッケージ90万円/カラーブレーキキャリパー(レッド)5万円/アシスタンスパッケージ8万円
●ボディカラー:ナルドグレー
※価格とスペックは2019年3月現在