伊マセラティは2021年4月19日(現地時間)、マイルドハイブリッドモデルの「レヴァンテ ハイブリッド(Levante Hybrid)」を上海モーターショー2021(4月19日~28日)とオンラインで同時発表した。
2020年デビューのギブリ ハイブリッドに続くマセラティ・ブランドの電動化モデル第2弾、そしてブランド初のハイブリッドSUVモデルとなるレヴァンテ ハイブリッドは、現行レヴァンテ用のプラットフォームをベースに、電動化に即した緻密かつ入念な改良を実施。新開発のパワートレインは、1995cc直列4気筒OHCマルチエアガソリンターボエンジンに、BSG(ベルトスタータージェネレーター)と駆動用バッテリー、eブースター(電動コンプレッサー)で構成した48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる。BSGはオルタネータの機能を有し、減速時に発生したエネルギーを電力に変えて、駆動用のバッテリーに充電。ここからエンジンに組み付けられたeブースターに給電する。そして、eブースターはターボチャージャーと連動させることで低回転時のパワーの立ち上がりを支援する仕組みだ。また、必要に応じてどんな場合でもバッテリーまたはBSGを通じてeブースターの作動を可能としている。
最高出力は330ps/5750rpm、最大トルクは450Nm/2250rpmを発生。トランスミッションには専用セッティングのZF製電子制御8速ATを組み合わせ、駆動機構にはセルフロッキング機械式LSDを配した4WDを採用する。性能面では0→100km/h加速6.0秒、最高速度240km/hの高性能を発揮。また、WLTPサイクルによるCO2排出量は231~252g/kmと優秀な数値を成し遂げた。
なおマセラティは、あえて流行のプラグインハブリッドシステムを採用しなかった理由について、「車重が大幅に増すことを避けたかった」と説明する。事実、レヴァンテ ハイブリッドの車重はPHEV化した同クラスのSUVよりも軽く、しかも既存のレヴァンテのV6ガソリンモデルより20kg、ディーゼルモデルより115kgも軽い2090kgに仕立てている。
マセラティのチェントロ・スティーレ(デザインセンター)が手がけたエクステリアは、フロントフェンダーの3連サイドエアベント周囲やCピラーに配したトライデントのエンブレム、そしてブレーキキャリパーに、クリーンなイメージを象徴するブルーのアクセントを施したことが特徴。また、ローンチバージョンの外装色にはカスタマイズプログラム「マセラティ フオリセリエ」のひとつである“アズーロ・アストロ”と称する新しいトリコートのメタリック・カラーを採用する。さらに、足もとには専用デザインのアロイホイールに265/50R19タイヤを組み込んだ。
インテリアに関してもブルーのアクセントが施され、シートやドアトリムのステッチなどに採用。新世代マルチメディアシステムのMIA(マセラティ インテリジェント アシスタント)には最新バージョンのソフトウェアを導入したほか、「マセラティ コネクト」と呼ぶコネクティッド機能も装備している。
なお、レヴァンテ ハイブリッドの日本導入時期などは、現在のところ未定だ。