プジョー208アリュール 価格:8SAT 262万9000円 試乗記
200番台の車名を持つプジョーは、いつも身近で味わい深いエントリーグレードを用意してきた。スタイルやアリュールがそれに当たる。
プジョーのハッチバックは、GT系のスポーツモデルがイメージリーダー。スタイルやアリュールは、やや地味な印象がある。だが、フランス製実用車ならではの味わいを楽しむには最適な選択肢だ。カジュアルなデザインとしなやかな乗り心地、そして軽快な走りという、独自の魅力を発散する。いわば「通好み」のグレードである。
最新208は、ガソリン車にスタイルとアリュールを、BEVのe-208にはアリュールを設定している。今回はガソリン車の208アリュールに試乗した。
スタイリングはフレンチコンパクトらしくお洒落。スポーティなGTと比べると、グリルとヘッドランプが異なるほか、フェンダーアーチがなくなり、アルミホイールは17インチに対して 16インチなる。タイヤサイズは205/45R17から195/55R16に細くなっている。
かつての205を意識したようなGTの姿はたしかに目を引く。一方、208の丸みを帯びた優しいフォルムには、アリュールの仕立ても似合っている。パリの雑踏をキビキビと走る姿を連想させ、いい意味で生活臭を感じた。
インテリアは、小径ステアリングと遠くに置かれた3Dタイプのデジタルメーターが前衛的。フロントシートはGTに比べるとサイドの張り出しが穏やかになり、ステッチはブルーの1色の落ち着いた雰囲気。座り心地はいちだんと優しい。
パワートレーンはGTと共通だ。1.2リッター直列3気筒ターボ(100ps/205Nm)と8速ATを組み合わせて前輪を駆動する。最高出力や最大トルクをはじめ、1160kgの車重もGTと同じなので、加速感は変わらない。
足回りでGTと異なる点は、ホイールとタイヤである。サスペンションのチューニングは共通だという。しかし乗り心地は明らかにまろやかで、ゆったりした揺れが心地いい。
現行208のフットワークは、鋭いレスポンスが影を潜め、安定した接地感が主体の、大人っぽい性格になった。アリュールはそこに優しさが加わっており、リラックスした気分で走りを楽しめる。
EVのe-208を含めて、208シリーズはグローバルレベルで見ても各部の完成度が非常に高い、誰にでも勧められる1台である。フランス車らしさを重視するなら、アリュールがベストだろう。価格はGT比で36万1000円安い262万9000円だ。
グレード=アリュール
価格=8SAT 262万9000円
全長×全幅×全高=4095×1745×1465mm
ホイールベース=2540mm
トレッド=フロント:1485×リア:1485mm
車重=1160kg
エンジン=1199cc直3DOHC12Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=74kW(100ps)/5500rpm
最大トルク=205Nm(20.9kgm)/1750rpm
WLTCモード燃費=17.9km/リッター(燃料タンク容量44リッター)
(市街地/郊外/高速道路:13.4/17.9/20.8km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=195/55R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
●主要燃費改善項目:可変バルブタイミング/筒内直接噴射/アイドリングストップングストップ/電動パワーステアリング
●主要装備:アクティブセーフティブレーキ/レーンポジショニング&レーンキープアシスト/トラフィックサインインフォメーション/ドライバーアテンションアラート/アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)/エレクトリックパーキングブレーキ/バックソナー/ワイドバックアイカメラ/LEDヘッドライト/オートヘッドライト/LEDリアコンビライト/オートヘッドライト/スーパーティンテッドガラス(リア3面)/ショートルーフアンテナ/ルーフスポイラー/アンダーシャイニーブラックデコ/オートAC/3Dデジタルヘッドアップインパネ/本革巻きスポーツステアリング/パドルシフト/ドライブモード(スポーツ/ノーマル/エコ)/ファブリック&テップレザーシート/7インチタッチスクリーンオーディオ/PEUGEOTミラースクリーン/USBソケット/ワイヤレススマートフォンチャージャー
●装着メーカーop:ナビゲーションシステム23万6500円/ETC2.0車載器4万4550円
●ボディカラー:ファロイエロー
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万6540円