英国アストンマーティンは2021年4月28日(現地時間)、新型2シーターオープンスポーツ「V12スピードスター(V12 Speedster)」の特別仕様車となるリミテッドエディション(LIMITED EDITION)を発表した。受注はすでに始まっており、生産台数は88台限定。納車は2021年半ばから開始する予定である。
リミテッドエディションのV12スピードスターは、アストンマーティンのパーソナライゼーションサービス部門が、1959年にル・マン24時間レースやニュルブルクリンク1000kmレースを制したDBR1をオマージュして企画・開発したスペシャルなオープンスポーツモデルある。
車両骨格はアストンマーティン独自の押出接着アルミニウムボディ構造を基本に、コクピットまわりを補強するなどしてオープンボディを構築。エクステリアは前述のレーシングヒストリーからヒントを得てデザインし、ルーフやスクリーンは未設定で、巨大なエンジンを覆うフロントセクションや低く幅広いショルダー、シート後方の2個のハンプ、ドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のようなパネルで独特のルックスを演出する。また、ボディカラーはアストンマーティン・レーシング・グリーンを基調に、クラブスポーツ・ホワイトのピンストライプとロンデルを配し、さらにクラブスポーツ・リップスティック・グラフィックを備えたサテンシルバー仕上げのアルマイトグリルを組み込んで“DBR1”感を強調。そして、足もとにはサテンブラック・ダイヤモンド旋削仕上げによる21インチセンターロックホイールを特別装備した。
内包するインテリアは、ボディと合わせて構造部材として機能するサテン・カーボンファイバー材を基本に、ハンドクラフトのコンカー・サドルレザーやビリジアン・グリーンのテクニカルテキスタイル/ケイスネスレザーといったマテリアルを採用して、DBR1の伝統とモダンさを巧みに融合させる。また、シート後方の透明なウィンドウ状のリアカウル下には、アストンマーティン・レーシング・グリーンに塗装したドライバー&パッセンジャー用のヘルメットを配備した。
パワーユニットに関しては、オールアロイ構造の5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドにマウント。最高出力は700hp、最大トルクは753Nmを発生する。組み合わせるトランスミッションはZF製8速オートマチックギアボックスで、FRの駆動機構にはリアリミテッドスリップディファレンシャルを採用。公表性能は、最高速度が約318km/h、0→100km/h加速が3.4秒の高スペックを誇っている。