三菱eKクロス&eKワゴン+日産デイズ 新車解説01
三菱eKクロスT(FF) 価格:CVT 163万6200円 eKクロスはSUVテイストのアクティブモデル フロントマスクはデリカD:5のイメージを投影 パワーユニットはマイルドハイブリッド仕様
日産デイズ・ハイウェイスターX・プロパイロットエディション(FF) 価格:CVT 156万7080円 ハイウェイスターはスポーティ仕様 専用形状バンパーとエアロパーツ標準
プロフィール:すべてを一新、自信の2ndモデル
人気K-CAR、三菱eKシリーズと、日産デイズの2ndモデルがデビューした。新型は三菱と日産の合弁会社NMKVが企画・開発マネジメントを担当。生産は三菱の水島製作所が行う。
2ndモデルはエンジン、トランスミッションからプラットホームまで一新したブランニューカー。開発は日産が主導した。
ラインアップは、eKシリーズが標準仕様のeKワゴンとSUVイメージのeKクロス(X)の2タイプ。デイズは、標準仕様とスポーティなハイウェイスター、特別仕様車、ボレロの計3タイプ。
パワーユニットは直3DOHC12Vの自然吸気(52ps)とターボ(64ps)の2種。eKクロスとデイズ・ハイウェイスターは小型モーター(2.7ps)とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様となる。トランスミッションは全車CVT。駆動方式はFFと4WDが選べる。
eKクロスT インパネは水平基調 写真はopのプレミアムインテリアパッケージ(5万4000円) ステアリングは各種スイッチ付き本革巻き AC操作部はタッチパネル式
デイズ・ハイウェイスターX インパネはeKシリーズと同一形状 ハイウェイスターの室内基調色はブラック オプションでブラウン系カラーを設定
※次ページで内外装を紹介
eKクロスT 全長×全幅×全高3395×1475×1640mm(ルーフレール装着車1665mm) ホイールベースは従来比65mm長い2495mmの設定 eKクロスのリアバンパーはガーニッシュ付き
デイズは事故などの緊急時にオペレーターに自動通報するSOSコールをセットオプション設定 安全性はハイレベル
内外装:新型は旧型比ホイールベースを65mm延長
新型のボディサイズは全長×全幅×全高3395×1475×1640mm(FF)。ホイールベースは2495mm。従来モデル比で全長と全幅は同値。全高は20mm高く、ホイールベースは65mm長い。
スタイリングはボンネットが短く、キャビンが長いハイトワゴン形状。基本的なプロポーションは全車共通だが、フロントマスク形状で個性を明確にした。
eKクロスは、新型デリカD:5と同イメージの「ダイナミックシールドグリル」を採用。上部に配した横長形状コンビネーションランプと、縦型LEDヘッドランプ、そしてプロテクターをイメージしたバンパーが力強いイメージを発散する。eKワゴンは水平基調のメッキグリルを持つジェントルな造形である。
デイズは、最新の日産車がアイデンティティとするVシェイプグリル仕様。ヘッドライトはシャープな横長形状。ハイウェイスターはエアロタイプバンパーとサイドプロテクターを標準装備する。特別仕様車のボレロは、各部の専用カラーリングでキュートなイメージをアピール。
ボディカラーは多彩だ。eKクロス11種、eKワゴン7種、デイズ・ハイウェイスター11種、デイズ標準仕様11種、デイズ・ボレロ7種を設定した。このうちeKクロスとデイズ・ハイウェイスターは、ボディとルーフのカラーが異なる2トーン仕様が選べる。
eKクロスは最新三菱車がモチーフにしている「ダイナミックシールドグリル」を採用 バンパーはプロテクターイメージの加飾付き
デイズはVシェイプ・フロントグリル採用 ヘッドランプはシャープな薄型デザイン
インテリアは後席ニールームを旧型比で70mm拡大した広々仕様。室内寸法は、長×幅×高2065×1340×1270mm。
インパネは水平基調デザイン。Aピラー位置の最適化で前方横方向の視界が従来比4.7度ワイドになった。中央部に9インチ大画面ナビ(ディーラーオプション)装着スペースがあり、シフトレバー横にタッチパネル式エアコンコントローラーを配置。各部のソフトパッド化と相まって質感は高い。メーターは燃費やタイヤ切れ角などを表示するマルチディスプレイ付き。タコメーターは全車標準である。
シートはゆったり感と上質な座り心地を目指した新設計タイプ。前席はパッセンジャーの胸郭と骨盤部分を従来以上にしっかりサポートする形状に仕上げた高機能型。後席はスライドとリクライニング機構を標準装備した。
ユーティリティ面は、ティッシュの箱が収納できるアッパーグローブボックスや、ドリンクホルダー付きセンタートレイなど、多くの収納を設定。トランクは、奥行きが従来比135m㎜延長。荷室側からの後席位置調整機能や、深さ20cm(容量54リッター/FF)のサブトランクなどの使い勝手面の配慮も行き届いている。
eKクロスT シートはクッションが厚い快適仕様 後席ニースペースは従来比70mm拡大 後席はスライド&リクライニング機構付き
デイズ・ハイウェイスターX シートは前後ともベンチ形状 前席はセンターアームレスト標準 後席の足元スペースはクラストップ級
※次ページでメカニズムを解説
三菱eKクロス&eKワゴン+日産デイズ 新車解説03
三菱eKワゴンG(FF) 価格:CVT 137万7000円 eKワゴンは水平基調のメッキグリル採用 パワーユニットは自然吸気(52ps)でターボは未設定 Gはキーレスオペレーション/オートAC/IR&UVカットガラスを装備した上級仕様
メカニズム:装備クラスレス。安全装備充実
うっかりミスを防ぎ、安心ドライブをサポートするシステムが充実。全車に衝突被害軽減ブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、オートマチックハイビーム(ハイビームアシスト)、車線逸脱警報機能を装備。エアバッグは前席左右に加え、サイド&カーテンエアバッグを標準装備した。移動物検知機能付きマルチアラウンドビューモニターや、カメラ映像を映し出すデジタルルームミラー(eKシリーズのみ)が選べる。
アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援機能をセットにした"高速道路同一車線運転支援システム"は、eKシリーズが上級グレードにオプション、デイズはオプションとともにプロパイロットエディション・グレードを設定した。デイズは事故などの緊急時に自動的にオペレーターに通報するSOSコールを設定している。
日産デイズ・ボレロ(FF) 価格:CVT 141万1560円 ボレロはオーテックジャパンが手がけたキュートな特別仕様車 室内はクリームとピンクでコーディネート パワーユニットは自然吸気仕様(52ps)
エンジンは高効率設計の新開発ユニット。全車が直3DOHC12Vレイアウトを採用し、スペックは自然吸気が52ps/6400rpm、6.1kgm/3600rpm、ターボは64ps/5600rpm、10.2kgm/2400~4000rpm。eKクロスとデイズ・ハイウェイスターは、2.7ps/4.1kgmのモーターとリチウムイオンバッテリーを備えたマイルドハイブリッド仕様になる。
走りは、実用域のトルクを重視したエンジンチューンで発進と中速域の加速性能をリファイン。ステップ式ATのような節度感のあるシフト制御を追求した新型CVTと相まって、ドライバビリティは大幅に向上した、とメーカーは説明する。WLTCモード燃費は、自然吸気が18.2〜21.2km/リッター、ターボは16.8〜19.2km/リッター。
プラットホームは新世代の高剛性仕様。サスペンションはフロントがストラット、リアはFFがトーションビーム、4WDは3リンクの組み合わせ。雪道などで片輪が空転した場合、スリップした車輪をブレーキ制御し、走破性を高める機能を全車に装備した。
※次ページは日産デイズ・インプレッション
三菱eKクロス&eKワゴン+日産デイズ 新車解説04
ミニミニ試乗記:ゆとりある走り。足回りは快適指向
「日産が開発した初の軽自動車と、解釈してもらってさしつかえありません」と、新型デイズの担当のエンジニアは語っていた。
このモデルが軽自動車のボリュームゾーンをターゲットとしていることは、デザインやパッケージングから明らかだ。安全・運転支援システムの充実にも意欲的に取り組んでいる。
短時間だが、クローズドコースで試乗した。新型は、すべてを一新した意欲作である。
走り出した瞬間から、高い完成度を感じた。動力性能にゆとりがあるのは最高出力64psを発揮するターボ仕様。しかし、52psの自然吸気仕様でも日常シーンでの走りに不満はない。
新型CVTの採用効果で、加速時に「エンジン回転数だけが先行して高まる印象」が抑えられている点は、感触がよかった。
フットワークのチューニングは快適性重視。それでもコーナリング時などの安定感は思いのほか高い。自然吸気仕様と比較するとターボ付きモデルのほうがゆすられ感が小さく、快適性に優れていた。
高速道路をよく利用するユーザー、リアシートを頻繁に使うユーザーは、動力性能と快適性面を考えて、ターボ付きモデルの選択がお勧めだ。
報告●河村康彦
※次ページでスペックを紹介
三菱eKクロス&eKワゴン+日産デイズ 新車解説05
三菱eKクロス&eKワゴン・シリーズ
日産デイズ・シリーズ