ランボルギーニがウラカン・シリーズに全地形対応型全輪駆動スーパースポーツカーの「ウラカン・ステラート」を設定。グランドクリアランスをウラカンEVO比で44mm高めた専用サスペンションに、610hp/560Nmを発生する5204cc・V型10気筒DOHCエンジンを搭載
伊アウトモビリ・ランボルギーニは2022年11月30日(現地時間)、ウラカン・シリーズの全地形対応型全輪駆動スーパースポーツモデル「ウラカン・ステラート(Huracán Sterrato)」を、米国のマイアミで開催されたアート見本市「アート・バーゼル・イン・マイアミ・ビーチ2022」において初公開した。
今回発表されたウラカン・ステラートは、「オールテレーン・スーパースポーツカー」を標榜する、クロスオーバータイプの全地形対応型全輪駆動スーパースポーツモデル。BRAVE(勇敢)、AUTHENTIC(本物)、UNEXPECTED(予想外)というブランド理念のもと、アスファルトを離れて非舗装・ダートの路面でも最高の走りを楽しめる新ジャンルのスーパースポーツカーに仕立てている。ちなみに、イタリア語のSterratoを日本語に訳すと「(地面を)掘り返した、掘削した」の意。今回の車名では、ダートやオフロードを掘り起こしながら走破するという意味が込められているようだ。
エクステリアに関しては、ベース車のウラカンEVOと同様、アルミニウムとカーボンファイバーのハイブリッドシャシーにアルミニウムおよび複合素材を適材適所に配したボディを組み合わせたうえで、ウラカンEVO比で44mm高めた専用サスペンションの採用や、トレッド幅の拡大(前+30mm、後+34mm)、ブリヂストンが誇るランフラットテクノロジーを内蔵したオールステージタイヤのDUELER AT002(前235/40R19/後285/40R19)の装着、前アルミ製モノブロック6ピストンキャリパー+直径380mm×厚38mmクロスドリルド加工カーボンセラミック製ディスク/後アルミ製モノブロック4ピストンキャリパー+直径356mm×厚32mmクロスドリルド加工カーボンセラミック製ディスクで構成する専用ブレーキの組み込みなどを実施。また、ボディプロテクションに加えて強化されたシルやリアディフューザー、頑丈なホイールアーチなどを配備する。さらに、フロント先端にはダートなどを走行した際の視界を確保する専用LED補助ライトを、リアフードにはスポーツスピリットを高めるだけでなく埃が多いトラックの走行時にきれいな空気をエンジンに流す専用エアインテークを装着した。
コクピットについては、ベース車と共通の“feel like a pilot”を踏襲したうえで、Verde Sterrato色のアルカンターラを配したダッシュボードやステアリング、チタン製のリアアーチ、4点式安全ハーネス、カーボンファイバー骨格バイシェルスポーツシートなどを専用装備。また、タッチスクリーンには新しいグラフィックとオフロード走行に特化した機能を追加し、さらにメーターにはピッチロールインジケーター付きのデジタル傾斜計、コンパス、地理座標測定器、ステアリング角測定器を採用する。一方、LamborghiniコネクテッドサービスはAmazon Alexaと統合され、シンプルな音声コマンドで空調や照明などの車内機能の調整や、ナビゲーション、通話、エンターテインメントなどの操作が可能。Lamborghini UNICAアプリを使った遠隔操作も提供され、スピードをモニタリングしたり、ナビゲーションシステムに目的地を直接送信したりすることができる。
なお、ウラカン・ステラートはランボルギーニ パーソナライゼーションプログラムのAd Personamによってエクステリアは350色から、またインテリアのレザーとアルカンターラは60色以上から選択可能である。
ミッドシップ配置のパワーユニットには、連続可変式吸排気カムシャフトを組み込んだ5204cc・V型10気筒DOHCエンジンを搭載。圧縮比は12.7:1に設定し、最高出力は610hp/8000rpm、最大トルクは560Nm/6500rpmを発生する。オイル潤滑はドライサンプ方式。トランスミッションには専用セッティングのデュアルクラッチ7速LDFを組み合わせ、駆動機構には電子制御全輪駆動システム(Haldex gen.V)およびリア機械式セルフロッキングディファレンシャルを配備した。パフォーマンス面では、最高速度が260km/h、0→100km/h加速が3.4秒を発揮する。また、LDVI(ランボルギーニ·ディナミカ·ヴェイコロ·インテグラータ)システムには「STRADA」および「SPORT」モードのほか、ダートでの走破性を高める専用キャリブレーションの「RALLY」モードを設定した。
なお、ウラカン・ステラートの生産台数は1499台の限定で、製造は2023年2月から開始する予定である。