TRDからハイラックスとともに出展をされたのが、C-HRをベースにアジアパシフィックラリー選手権に参戦が可能な、AP4車両規定に則って開発されたラリーマシン。
エンジンはハイラックス同様の2リッター・ターボ付き4気筒ガソリンだ。33mm口径リストラクターが付加されるこちらは最高出力が272ps、最大トルクが480Nmというスペック。組み合わせるトランスミッションはモトクロス競技用に端を発したオランダDerenth社製の5速シーケンシャル・ユニットで、これを横方向に搭載して4輪を駆動する。
オリジナルC-HRの面影を強く残したエクステリアに対して、ダッシュボードを除く内装品が剥がされた後に見るからに頑丈そうなロールケージと、コンペティティブなバケットシートが取り付けられた室内は、本格的な競技車の雰囲気がふんぷん。知る人ぞ知る競技用パーツ・ブランド『Cusco(クスコ)』の手によるサスペンションやLSDを組み込んだその走りは、グラベル路面とは思えない強力なトラクションとパッセンジャーシートでも感じられる自在なハンドリングが印象に残った。
ラリーレイド用のハイラックスと比べるとどうしても差を感じてしまったのがサスペンションストローク、底突き感などこちらの方がスパルタンな乗り味だったのは事実。それでも、C-HRがここまで見事にラリーカーに変身するとは予想出来ない事柄だった。TRDのプロデュース能力の高さが印象に残った。
※【本誌取材ノート】は雑誌『CAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)』掲載記事と連動したコンテンツです