米国ホンダが新型シビック・タイプRのツーリングカーレース用モデル「シビック・タイプR TCR(FL5)」のプロトタイプを披露。専用の空力パッケージやシャシーの採用、トランスミッションおよびブレーキのアップグレードなどを実施してパフォーマンスを向上
米国ホンダは2022年12月12日(現地時間)、新型シビック・タイプRのツーリングカーレース用モデル「シビック・タイプR TCR(FL5)」のプロトタイプを公開した。
TCRはWSC(World Sporting Consulting LTD)が2015年に立ち上げたツーリングカーレースのシリーズで、FIA格式のWTCR(世界ツーリングカーカップ)を最高峰に、TCRヨーロッパシリーズ、アジアシリーズ、中東シリーズといった地域レースが催される。またドイツやイタリア、中国、タイなどで国内シリーズも開催され、世界中で大きな盛り上がりを見せるレースカテゴリーの1つとなっている。日本では2017年のスーパー耐久シリーズにST-TCRクラスが設定され、さらに2019年にはTCRジャパンシリーズ(TCRJ)がスタート。また、2022年のスーパー耐久シリーズ最終戦鈴鹿では新型シビック・タイプRのレースマシンが参戦し、いきなりFT-2クラス2位を獲得した。そして米国では新型シビック・タイプR TCRのプロトタイプが披露され、2023年シーズンのIMSAミシュランPilot Challengeへの参戦を予告している。
新型シビック・タイプR TCRは、ホンダの北米におけるレース活動を担うホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント (HPD) と、ホンダのカスタマーレースカーの製作を手がけるイタリアのJASモータースポーツ (JAS) がタッグを組んで開発。空力性能を引き上げる新しいエクステリアデザインおよび空力パッケージや、コーナリング性能を高める専用セッティングのシャシー、アップグレードしたトランスミッションとブレーキ、レースに対応させた2リットル直列4気筒DOHC16V・VTECターボエンジンなどを採用して、パフォーマンスをいっそう向上させる。また、コクピットは最新のFIA安全基準に準拠させたうえで、多くの情報を見やすく表示するマルチチャンネル・ドライバーディスプレイを配備。さらに、大幅改良を果たしたクイックフィル給油システムやより洗練されたコクピットディスプレイ、追加のライティングシステム、ドライバークーリングシステム、専用チューニングのアンチロックブレーキシステムなども設定した。
世界中のTCRレースでの活躍を予感させるFL5の新型シビック・タイプR TCR。サーキットデビューが、今から待ち遠しい。