ダイハツ・タント・ファンクロス・ターボ 価格:CVT 180万9500円
タントにアウトドア志向のファンクロスが登場
Kスーパーハイトワゴンの先駆であり定番であるダイハツ・タントに、新たな個性「ファンクロス」が登場した。ファンクロスは、アウトドアテイストを高めたアクティブモデル。外観は、専用フロントグリルと前後バンパー、ルーフレールで力強い印象を強調。内装は撥水加工シートやラゲッジルームランプ/USBソケットで利便性を高めた。
試乗車はターボのFFモデルだ。スタイリングは「適度にワイルド」。遊びグルマらしいイメージを発散する。魅力は圧倒的な開放感。タントの個性であるミラクルオープンドアを開口すると、室内とフィールドがシームレスにつながる。タントは、「便利なファミリーユースワゴン」の印象が強いが、ファンクロスは「自由空間ワゴン」と呼ぶのがピッタリ。ドライブ先でドアを開ければ、そこはパーソナルスペースになる。広々とした後席に座ってのコーヒーブレイクは、なかなか楽しそうだ。
とはいえ、ファンクロスのメカニズムは標準タントと共通。最低地上高は150mm(FF)。アウトドア志向とはいえ、本格的なフィールドに出かけるのは適さない。トレッキング感覚で、いつもの公園や、ちょっとしたお出かけを楽しく演出するキャラクターと考えておいたほうが無難だろう。
使い込むほどに発見のあるクルマ。気軽に出かけたくなる!
ターボの走りは、静かでスムーズ、そしてなかなか速い。64ps/100Nmのパワー/トルクを発揮する直3ターボは、ボクシーなボディをキビキビと走らせる。ベルト+ギア駆動のD-CVTの採用で、加速時にラバーバンド感が少ないのも大きなメリットだ。
静粛性は全般的に優秀。高速クルージング時でもエンジン回転数は低めに保たれ、メカニカルノイズは耳につかない。これなら長距離ドライブに連れ出しても乗員の疲労は少ないだろう。全車速対応アダプティブクルーズコントロールをはじめ、安全・運転支援システムが充実しているのもうれしいポイントである。
クルマは、使い込むほど新たな発見があると楽しいと思う。その意味で、ファンクロスは魅力的な存在だ。クルマとしての成り立ちはダイハツの新世代DNGAプラットフォームを採用するなど信頼感たっぷり。驚くほど広い室内と、両側スライドドアでユーティリティは高水準だ。そのうえで積極的に遊びに出掛けたくなるプラスαを備えている。
後席は荷室側からワンタッチでスライド&格納ができ、ラゲッジボードの工夫でフラット空間を作ることも自在。そして何よりミラクルオープンドアという個性が光る。ファンクロスはユーザーの思いに応え、楽しさがぐっと広がる逸材だ。しかもコンパクトなKカーだから、気軽に出かけられる。3列シートが必須でないユーザーなら、通常のミニバン以上に夢が広がる存在だと感じた。
ダイハツ・タント・ファンクロス主要諸元
グレード=ファンクロス・ターボ(FF)
価格=CVT 180万9500円
全長×全幅×全高=3395×1475×1785mm
ホイールベース=2460mm
トレッド=フロント:1300/リア:1295mm
車重=940kg
エンジン=658cc直3DOHC12Vターボ(レギュラー仕様)
最大出力=47kW(64ps)/6400rpm
最大トルク=100Nm(10.2kgm)/3600rpm
WLTCモード燃費=20.6km/リッター(燃料タンク容量30リッター)
(市街地/郊外/高速道路:19.4/21.8/20.4 m/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=165/55R15+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.7m
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