トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは5月13日、プレミアムスポーツクーペの「RC F」をマイナーチェンジし、同日に発売した。
車種展開
標準モデルRC F(1021万909円)
RC F "Carbon Exterior package"(1099万6364円)
RC F "Performance package"(1404万円)
▲レクサスRC F "Performance package" 価格:8SAT1404万円 全長4710×全幅1845×全高1390mm ホイールベース2730mm 車重1720kg カーボンフロントスポイラー/カーボン大型ロッカーフィン/カーボンエクステリアパーツ(エンジンフード・ルーフ)/カーボンパーテーションブレースを標準で装備する
今回のマイナーチェンジのおもな特徴は2点。軽量化・空力を中心に改良を施してスポーツ走行をより楽しめる運動性能を実現したこと、そして限界域での走りを極めた高性能バージョンの"Performance package"を新設定したことだ。
1点目のスポーツ走行をより楽しめる運動性能の実現については、まず運動性能向上を狙って車両重量の低減を実施。軽量化は新たに設計したすべての部品を対象とし、レーシングカーさながらグラム単位での軽さを追求する。結果として、車両重量は従来型比で約-20kgの軽量化を果たした。また、レスポンスに優れたハンドリングと限界領域でのコントロール性アップを目的に、トレッドパターン1本1本のコンパウンド材質にまでこだわってタイヤを新開発(サイズは前255/35ZR19 92Y、後275/35ZR19 96Y)。さらに、エンジンマウント、サスペンションメンバーブッシュ、ステアリングラックブッシュなどの剛性を高めたことで、サーキット走行などにおける優れた操縦安定性を具現化した。
▲レクサスRC F 価格:8SAT1021万909円 全長4710×全幅1845×全高1390mm ホイールベース2730mm 車重1770kg 搭載エンジンは全車共通で改良版の2UR-GSE型4968cc・V8DOHC(481ps/54.6kg・m)を採用する
パワートレインの2UR-GSE型4968cc・V8DOHCエンジンについては、自然吸気ユニットならではのリニアな加速フィーリングを際立たせるため、エンジン出力を引き上げる(477ps/54.0kg・m→481ps/54.6kg・m)とともに、エアクリーナー形状変更による吸気性能のアップ、スロットル制御の改良によるアクセルレスポンスの向上などを実施する。同時に、ディファレンシャルのローギア化を図ることで、サーキット走行におけるアクセルでの車両コントロール性をいっそう高めた。また、エンジントルクを制御し、発進時のタイヤ空転を防ぐローンチコントロールを設定。スポーツ走行における鋭いスタートダッシュを可能とした。
▲フロントスポイラーのコーナーにカナード形状を取り入れてダウンフォースを向上させたほか、サイドのロッカーモール後端にアンダーカット形状をつくることでリアタイヤ周辺の乱気流を抑制するなど空力性能の着実な向上を図った
エクステリアに関しては、「レース育ちのスタイリング」をコンセプトに、レースで培われた空力デバイスや形状を最大限スタイリングに織り込んだデザインに刷新する。具体的には、フロントスポイラーのコーナーにカナード形状を取り入れてダウンフォースを向上させたほか、サイドのロッカーモール後端にアンダーカット形状をつくることでリアタイヤ周辺の乱気流を抑制するなど、空力性能の向上を図りながら、"F"としての独自性を狙った造形に仕立てた。また、前後のホイールハウスにエアアウトレットを設けることでホイールハウス内に溜まった空気の圧力を低減。最適なコーナリング姿勢やステアリングの応答性の向上を実現した。
▲RC FおよびRC F "Carbon Exterior package"にはセミアニリン本革ハイバックスポーツシートを装着(写真) RC F "Performance package"にはアルカンターラ/セミアニリン本革ハイバックスポーツシートを装備する
2点目のRC F "Performance package"については、"F"の持ち味であるサーキットにおける優れた走行性能を象徴することを目的に、新たにラインアップした高性能バージョンである。開発に際しては、日本のSUPER GTや米国のデイトナ24時間レースなど、RC F GT3 によるレース参戦で得たノウハウを活用し、専用の空力パーツを採用したほか、さらなる軽量化や加速性能の向上を図っている。
▲RC F "Performance package"のカーボンセラミックブレーキはリアのディスクローターをフロントと同径のΦ380mmとして制動力をアップ ブレーキキャリパーにはレッド塗装を施す
外装部品については、CFRPを用いたカーボンフロントスポイラーやカーボン大型ロッカーフィン、カーボンエクステリアパーツ(エンジンフード・ルーフ)を装備したほか、軽量鍛造アルミホイール(マットブラック塗装)やチタンマフラーなどをセット。さらに、専用装備となるカーボンパーテーションブレース、カーボンセラミックブレーキ、カーボンリアウィング(固定式)を組み込み、従来型比で約-70kgの軽量化を実現した。また、リアのディスクローターはフロントと同径のΦ380mmとし、より高い制動力を追求。高性能な"Performance package"であることを主張する目的で、ブレーキキャリパーにはレッド塗装(フロント&リア)を施している。