BMWジャパンは2021年6月28日、高性能コンパクトスポーツのM2 CS(クラブ・スポーツ)にサーキット専用モデルの「M2 CSレーシング(Racing)」を設定し、同日より購入の受付を開始した。
車種展開は以下の通り。
M2 CSレーシング ベース・バージョン:1499万円
M2 CSレーシング 450psバージョン:1799万円
なお、販売およびアフターサービスはBMW Mモデルのレース仕様車両を取り扱うBMW Mモータースポーツ・ディーラーにて実施。日本では国内唯一のBMW Mモータースポーツ・ディーラーである、モトーレン東都のみでの限定販売となる。
今回発表されたM2 CSレーシングは、BMW M社が開発したサーキット専用モデルで、レース・シーンでの高いパフォーマンスを発揮しながらも扱いやすい車両サイズと価格によって、カスタマーレーシングにおけるエントリーモデルに位置している。
車両の特徴を見ていこう。ベースモデルは高性能コンパクトスポーツのM2 CSで、パワーユニットには2979cc直列6気筒DOHC24V・Mツインパワーターボエンジンを搭載。最大トルクは550Nm/2350rpm~5500rpmを発揮し、一方で最高出力は各レースの規定に基づき280~365psの間で設定できるようにしている。また、専用セッティングを施して450ps/6250rpmにまで出力アップした450psバージョンも選択可能だ。エンジンパワーのコントロールは、パワースティックと呼ぶUSBによって調整でき、レース毎に設定されるBOP(性能調整)に応じて、パフォーマンスレベルのプログラミングおよび呼び出しが可能。さらに、M2 CSレーシング専用に製造したドライブシャフトや、タイヤの左右回転差を抑制するプリロード型の個別冷却システムを組み込んだ機械式LSD、モータースポーツ用ホイールベアリング(リアアクスル)を備えた専用アウトプットシャフト、ライトウェイト・モータースポーツ・ワイヤーハーネスなどを標準で装備する。トランスミッションには、モータースポーツ専用のソフトウェアにより制御される7速DCTをセット。制動機構には前Alcon製6ピストン固定式キャリパー/後4ピストン固定式キャリパーおよびツインフロー式ブレーキエアクリーニングを組み込み、アシストシステムとしてモータースポーツ専用に調整したスタビリティシステム(DSC/ABS)も採用した。
シャシー面に関しては、FIAレギュレーションに準拠した溶接式セーフティ・ロールケージ付シャシーを採用。外装には、カーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製ルーフやタンクフィラーネック付Makrolon製リアサイドウィンドウ、フロントスプリッター、モータースポーツ・リアウイング(角度調整可能)、エアジャッキシステム、エアロキャッチ式ボンネット/トランクリッドロック、前後牽引フックなどを装備する。また、シューズにはミシュラン27/65-18 S9Lスリックタイヤ+10.5J×18アロイホイール(マットブラック)を装着した。
コクピットについては、内装材やリアシートを取り払ったうえで、カラーディスプレイ搭載のAIM製MXG1.2レーシングダッシュロガーや照光式スイッチパネル搭載のセンターコンソール、チルト&テレスコピック・ステアリングコラム、操作ボタンとロッカースイッチを備えた着脱可能なBMW Motorsportステアリングホイール、後方視界をより広く確保する大型ルームミラー、電動調節式サイドミラー、ヒーター付フロントウィンドウ、消火システムなどを採用。エアコンディショナーも標準で装備する。シートに関しては、ベース・バージョンがSabelt製Taurus XLシート(FIA 88551999、調節式、M2 CS Racing刺繍入り)、450psバージョンがRECARO製P1300 GTシート(FIA 88622009、調節式、M2 CS Racing刺繍入り)を装着し、シートベルトにはSchroth製6点式セーフティハーネス(FIA 88532016)を設定。また、燃料タンクにはFT3安全燃料タンク(容量84リットル)を搭載し、オプションとして容量120リットルの耐久レース用燃料タンクを用意した。