【最新モデル詳細レポート】新しい日産セレナはBIG/EASY/FUNなマジカルBOXである!

日産セレナ 価格▷276万8700〜479万8200円 新車ニュース&試乗記

日産セレナe-POWREハイウェイスターV/価格:368万6100円。新型も標準とハイウェイスターの2シリーズ構成。最上級グレードとしてプロパイロット2.0標準のルキシオンが新登場

日産セレナe-POWREハイウェイスターV/価格:368万6100円。新型も標準とハイウェイスターの2シリーズ構成。最上級グレードとしてプロパイロット2.0標準のルキシオンが新登場

新型は最新テクノロジーを積極投入。モダンに大変身

 セレナは1991年に初代が発売されて以来、着実に販売台数を伸ばしてきた。現在の日本事業における販売構成比は15%、日産車のブランドランキングではGT-R/フェアレディZ/スカイラインに続く4位となっている。セレナは販売台数/ブランドイメージともに重要なモデル。6代目の新型は、ひと足先に新世代に移行したライバルにガチンコ勝負を挑む意欲作だ。

 開発コンセプトは「家族との遠出を最大限楽しむためのミニバン」。歴代セレナのDNA、「BIG/EASY/FUN」を最新のテクノロジーの投入で徹底的に磨き上げた。

 エクステリアはモダンな印象。全体的なプロポーションこそ旧型を踏襲するが、ヘッドライトと一体化したVモーショングリル、よりシンプルでスッキリした造形になったサイド、立体的な造形のリアビューなど、最新の日産デザインを上手に盛り込み、個性は強いが嫌味のないスタイリングに仕上げている。ボディカラーは多彩。定番の白/黒/シルバーだけでなく個性的なカラーを用意する。

セレナリア

セレナ全開

 インテリアは水平基調デザイン+フルデジタルメーター+タッチスクリーンの組み合わせ。インパネからドアトリムまでラウンドした造形はミニバンらしからぬスペシャルティ感を備える。ATセレクターは、日産初となるボタン式。見た目の先進性だけでなく、運転席~助手席間の移動のしやすさなど利便性面でもメリットは大きい。定評の居住性はパッケージの最適化でさらに広く、使いやすくリファイン。有効室内長は2720mmとクラストップ。e-POWERの8人乗り仕様設定もニュースだ。

セレナフロント

セレナインパネ

e-POWERは新開発。力強く、静かな走りはクラストップの完成度

 パワートレーンは旧型同様にガソリンとe-POWERの2種。大きく進化したのはe-POWERである。日産初となる1.4リッターの発電専用エンジン(98ps/123Nm)+高出力モーター(163ps/315Nm)の組み合わせ。走らせると余裕を感じる絶対的な力強さと、静かで滑らかなフィーリングに驚く。この上質さは、作動音を抑えたエンジンと遮音性能のアップ、さらにエンジン稼働タイミングを制御する最新のエネルギーマネージメント技術が生み出している。電動車感はMクラスミニバンの中ではトップ。日常領域ではエンジンの存在を忘れてしまうほどだ。

 ブレーキングは1ペダルドライブ(完全停止はしない)が可能なeペダルステップを採用。加速と同じく滑らかな制御で車速調整も楽である。体が揺すられにくいのでクルマ酔いも抑えられるだろう。

 ガソリン車は2リッター・NA(150kW/200Nm)+CVT。旧型とハードウェアは共通だが、エンジンは制御ロジックを変更、CVTも改良された。出足のよさと、雑味が取れて軽やかに回るフィーリングはなかなかいい。

 フットワークも大幅に進化した。プラットフォームの基本構造は旧型を踏襲。とはいえラックアシスト式EPS、新開発ハイカット特性ショックアブソーバー、リジッドマウントタイプ・サスペンションメンバーなど、走りの要となるアイテムをすべて刷新。さらに横風によるふらつき防止のためにフロントバンパー横に空力操安用のエアカーテンも装着している。
 新型は、ステアリングを切るとスッとインを向く素直な回頭性が印象的。ロールは大きいが上屋がグラつくことのない穏やかかつ連続性のあるクルマの動きにより、滑らかで安心感の高いハンドリングを実現した。

 直進安定性も高水準。ビシーッと真っすぐ走るのがうれしい。テストコースなので日常域を超えたハイスピードコーナリングも試したが、高いライントレース性は「気持ちよさ」を感じたほど。それでいながら旧型を大きく超えるアタリの優しさとストローク感のある乗り心地を実現しているのだ。旧型からの伸び代は驚くほど大きい。完成度は、旧型の「AUTECHスポーツスペック」を軽く超えるレベルだ。

 運転支援デバイスは標準/ハイウェイスターにナビリンク機能付きプロパイロット/プロパイロットパーキングを設定。ハイウェイスターの上級に位置する新グレード、ルキシオンにはプロパイロット2.0を標準装備(全車速域でのハンズオフはミニバン初)する。今回はテストできなかったが、プロパイロット2.0は、ロングドライブで大きな武器となるはずだ。

 新型セレナの進化は新型フェアレディZのそれとよく似ている。一見、ビックマイナーチェンジに思えるが、細部まで最新技術を活用してリファインしたことで、“1+1=3”イメージの大幅な進化を果たした。
 新型は、歴代セレナの最高傑作なのはもちろん、誰もが便利で楽しいと感じるミニバンである。

シート前

シート中

日産セレナ主要諸元

セレナimage

グレード=e-POWERハイウェイスターV
価格=368万6100円
全長×全幅×全高=4765×1715×1870mm
ホイールベース=2870mm
トレッド=前:1475/後:1485mm
車重=1810kg
エンジン=1433㏄直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=72kW(98ps)/5600rpm
最大トルク=123Nm(12.5kgm)/5600rpm
モーター最高出力=120kW(163ps)
モーター最大トルク=315Nm(32.1kgm)
WLTCモード燃費=19.3㎞/リッター(燃料タンク容量52リッター)
(市街地/郊外/高速道路=19.7/20.7/18.3㎞/リッター)
サスペンション=前:ストラット/後:トーションビーム
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=205/65R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=8名
最小回転半径=5.7m

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