メルセデス・ベンツ日本は2021年7月1日、メルセデス・マイバッハの新型サルーン「メルセデス・マイバッハSクラス」を発表し、先行予約の受付を開始した。
車種展開は以下の通り。
メルセデス・マイバッハS580 4MATIC:2648万円
メルセデス・マイバッハS680 4MATIC:3201万円
なお、ユーザーへの納車は本年11月以降を予定している。
今回発表されたメルセデス・マイバッハSクラスは、新型メルセデス・ベンツSクラスのロングホイールベース仕様を基に、ホイールベースを180mmほど伸ばした(3396mm)専用シャシーを採用したうえで、世界最高レベルの安全性、快適性、機能性と“マイバッハ”の本質的なラグジュアリーを融合させたことが特徴である。
まずエクステリアでは、オーセンティックな3ボックスセダンのスタイルを基調に、フロントのショートオーバーハングとリアのロングオーバーハングという高級セダンの伝統的様式を最新デザインで再構築し、マイバッハならではの威厳に満ちた、唯一無二の佇まいを創出する。フロント部は、縦に走る立体的なトリムが際立ったハイグロスクロームグリルに、グリル中央上部に配した“MAYBACH”のロゴ、クロームフィンを中央に配したボンネットに、“スリーポインテッドスター”のボンネットマスコット、クローム仕上げのバンパー・エアインテークなどを組み込んで、荘厳とした雰囲気を醸し出すマスクを具現化。一方、サイドビューは超ロングホイールベースを活かした伸びやかなフォルムに、厚みのあるパネル面、サイドトリムに溶け込むフレームによって囲まれた固定型のクォーターライトウィンドウにマイバッハのエンブレムをあしらったCピラーなどによって、流麗かつエレガントなルックスを際立たせる。また、ドアハンドルを格納型として空力性能を向上。足もとには、20インチの鍛造ディッシュタイプアルミホイール(タイヤサイズは255/40R20)を標準で、21インチの鍛造マルチスポークアルミホイール(タイヤサイズは265/35R21)をオプションで設定する。また、フロントドアを開いた際に足もとの地面にマイバッハ・ブランドのエンブレムをLEDで投影するブランドロゴプロジェクターライトを採用した。そしてリアセクションは、夜間走行時に特有の見栄えを演出するツーピース型コンビネーションランプや、専用意匠のバンパーおよびエグゾーストエンドなどを採用して、落ち着きと重厚感のあるラグジュアリーサルーンらしい後ろ姿を創出する。最高品質のボディカラーには、メタリックペイントのモノトーンを12色設定。また、今後オプションとして受注生産の2トーンを導入する予定だ。
インテリアに関しては、デジタルとアナログ、そしてラグジュアリーの融合と調和を図り、先進技術の象徴ともいうべき大型有機ELメディアディスプレイや高級素材を用いながら精巧なクラフトマンシップを実施して、上質かつ華やかな室内空間を創出する。12.3インチのコックピットディスプレイの表示モード「マイバッハ」では、メルセデス・マイバッハのステータスをアピールするブランドカラーのローズゴールドをメーターの周囲と指針にあしらい、合わせてシステム始動時にはコクピットディスプレイとメディアディスプレイに専用のアニメーションを表示。また、アンビエントライトには新たにメルセデス・マイバッハSクラス専用のローズゴールドホワイトとアメジストグローの2色を追加する。さらに、生体認証によるシートポジション等の設定機能やAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションのフロントウィンドウ表示、速度計などの表示が立体的に見える3Dコックピットディスプレイ、最新バージョンの対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」およびテレマティクスサービス「Mercedes me connect」などを設定した。
シートについては新型Sクラスを踏襲したうえで、ダイヤモンドパターンとダブルシームを加え、同時に前席バックレストの背面は上質なウッドパネルとアンビエントライトを組み込んで、高級家具のような雰囲気を演出する。また、ファーストクラスパッケージ(4名乗り仕様) を選択した際は、後席を包み込むようなインテリアウッドトリムを配置。さらに、アクセルペダルとブレーキペダル、ヘッドレストクッション、フロントシートバック レストにはマイバッハ・ブランドのエンブレムをあしらい、ステアリングホイールやイルミネーテッドステップカバーには“MAYBACH”の文字を刻印した。
ホイールベースの延長によって拡大した後席スペースは、座面とバックレストを別々に調整することができ、かつバックレストのリクライニング角度を最大で43.5度までリクライニング可能な独立エグゼクティブパワーシート(後席左右)を配備。リクライニングポジションにした場合、着座認識機能が誰も着座していないことを確認すれば、助手席シートは自動的に前方へ移動する。また、助手席のバックレストは改良型のヘッドレストにより従来よりもさらに前方へ26度倒れるようになり、後席から前方への視界が拡大。さらに、フットレストを助手席側背面に、レッグレストを左右後席下にそれぞれ配し、両方を使うと身体のほぼ全体を支える快適なリクライニングポジションに設定した。レッグレストは調整範囲が従来比で約50mm拡大し、新たにふくらはぎのリラクゼーション機能も内蔵。そして、ナッパレザーのアームレスト前方に快適機能のすべてを操作できるMBUXリアタブレットを、後席左右前にMBUXリアエンターテインメントシステムのモニターを配備する。リアドアの電動開閉機能(後席コンフォートドア)や後席左右のSRSリアエアバッグ、シートベルトの着用を自然な形で促す後席左右シートベルトフィーダーを採用したこともトピック。リアホイールハウス周辺部への発泡吸音材の追加やCピラーのクォーターライトに使用する合わせガラスの厚みのアップ、ノイズ軽減タイヤの装着、アクティブロードノイズキャンセレーション機能のオプション設定などによって、最上の室内静粛性を実現したこともアピールポイントだ。一方、4名乗り仕様のファーストクラスパッケージを選択すると、後席が左右独立シートとなり、合わせてクーリングボックスや格納式テーブル、シャンパングラスなどを装備している。
パワートレインに関しては、S580に「M176」3982cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジン(最高出力503ps/5500rpm、最大トルク700Nm/2000~4500rpm)+ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター、モーター出力15kW/200Nm)/48V電気システム/リチウムイオンバッテリー+9G-TRONIC(電子制御9速AT)を搭載。一方、S680には「M279M」5980cc・V型12気筒OHC直噴ガソリンツインターボエンジン(最高出力612ps/5250~5500rpm、最大トルク900Nm/2000~4000rpm)+9G-TRONIC(電子制御9速AT)を搭載する。駆動機構には全天候型フルタイム4WDシステムの4MATICを採用し、合わせて走行安定性と旋回性を高める後輪操舵システムのリア・アクスルステアリングを新たに設定した。
懸架機構にはエアスプリングと電子制御ダンパーを組み合わせて極上の乗り心地を提供する高性能型のAIRMATICサスペンションに加えて、4輪それぞれに48V電動油圧ユニットを装備する「E-ACTIVE BODY CONTROL」を導入。機能としては、フロントガラス上部のステレオマルチパーパスカメラで前方の路面の詳細な凹凸を検知し、様々なセンサーからの情報によるドライビング状況も加味して電子制御ダンパーおよびエアスプリングをコントロールするロードサーフェススキャン機能のほか、コーナリング時のロールによるばね上の傾きを修正して水平になるよう制御するダイナミックカーブ機能を採用した。
安全運転支援システムに関しては、最先端のセンサーシステムを組み込んだインテリジェントドライブを採用。機能としては、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)やアクティブステアリングアシスト、渋滞時緊急ブレーキ機能、アクティブレーンチェンジングアシスト、アクティブエマージェンシーストップアシスト、アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)、緊急回避補助システム、トラフィックサインアシスト、アクティブレーンキーピングアシスト、アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付)、PRE-SAFE360°、PRE-SAFEサウンドなどで構成する。また、片側約130万画素のプロジェクションモジュールを瞬時に制御することで、前走車や対向車を眩惑させずに、より広い範囲をかつてない高精度で照射し続けるDIGITALライト(ウルトラハイビーム付き)を設定した。