【最新モデル試乗】クールと高評価。アウディS3スポーツバックの上質パフォーマンス

アウディS3スポーツバック1stエディション S3は310psのパワーを誇る4WDスポーツ メルセデスAMG・A35/BMW・M135iのライバル 1stエディションは装備充実のデビュー記念車(限定125台)
アウディS3スポーツバック1stエディション S3は310psのパワーを誇る4WDスポーツ メルセデスAMG・A35/BMW・M135iのライバル 1stエディションは装備充実のデビュー記念車(限定125台)

アウディS3スポーツバック1stエディション 価格:7DCT 711万円 試乗記

310ps/4WD、高出力2リッターターボ搭載

 フルモデルチェンジを受け、4thモデルとなったA3シリーズの中で、現時点の最強モデルはS3だ。本国では、「規格外」ともいえる強靭な心臓が与えられたRSモデルが発表された。だが、日本上陸には時間が必要である。

 S3のボディタイプは、「スポーツバック」と命名されたハッチバックと、4ドアセダンの2種。パワーユニットは2リッター直4ユニットと、7速DCTの組み合わせ。スペックは310ps/400Nmとパワフルだ。エンジンのボア×ストローク値やターボ付き直噴ユニットという基本はA3・40TFSIと同じだが、120ps/80Nmもの大幅なパワーアップを果たした。
 高出力が高い過給圧設定で実現したことは、12.2から9.3まで下げられた圧縮比のデータにも裏打ちされている。一方、ハイスペックは決して日常シーンでの使い勝手を疎かにしていない。400Nmの最大トルク値は、2000rpmという低回転から発揮される。ちなみにS3の駆動方式はクワトロ、すなわち4WDだ。

スタイリングはシャープでスタイリッシュ。ヘッドライトはフルLED ウインカーはシーケンシャル式
スタイリングはシャープでスタイリッシュ。ヘッドライトはフルLED ウインカーはシーケンシャル式
全長×全幅×全高4350×1815×1440mm パワーウェイトレシオ:5.03kg/ps
全長×全幅×全高4350×1815×1440mm パワーウェイトレシオ:5.03kg/ps

鮮烈パフォーマンス。刺激的なサウンドもゴキゲン!

 試乗車はスポーツバックの1stエディション。本来はオプションとなる電子制御式の可変減衰力ダンパーを備えたダンピングコントロールサスペンションやパノラマサンルーフ、19インチタイヤなどが標準で装備されていた。
 S3はスタイリッシュだ。大径タイヤと専用デザインの前後バンパーが、A3とは一線を画すスポーティさをアピール。室内はスポーツシートが格別な印象を盛り上げる。各部の作りは、アウディ車らしく上質で入念だった。

 動力性能は予想どおり鮮烈。あらゆる走りのシーンで余裕にあふれている。DCTの採用で実現した、シャープながらもシームレスな変速感が印象的だ。
 ユニークな点は「ドライブセレクト」で走行モードを変えると、明らかに5気筒ユニットを意識したビートの効いたサウンドが選択できること。
 5気筒ハイパフォーマンスエンジンは、いまやアウディの「財産」のひとつ。鮮烈なパフォーマンスと相まって「あれ? このグレードはRSだったっけ……」と、一瞬そんな錯覚にとらわれた。

 快適性もハイレベルである。S3はスポーツチューニングが施された専用のサスペンションに、フロント2.8bar、リア2.6barと軽負荷時でもやや高い内圧設定の19インチタイヤを組み合わせる。それでも、とくにコンフォートモードでは十分なしなやかさを提供してくれた。
 新型は、「いいクルマ感」がいっそう明確に演じられる1台に仕上げられている。

インパネは10.25インチ液晶メーターと10.1インチタッチスクリーンを組み合わせたデジタルコクピット センター部をドライバーに傾けたスポーティ形状 各部の作りは上質 ナビ標準装備
インパネは10.25インチ液晶メーターと10.1インチタッチスクリーンを組み合わせたデジタルコクピット センター部をドライバーに傾けたスポーティ形状 各部の作りは上質 ナビ標準装備
1stエディションは本革とアルカンターラのスポーツシート装着 前席は電動調節機構付き 乗り心地は適度に硬めのセッティング
1stエディションは本革とアルカンターラのスポーツシート装着 前席は電動調節機構付き 乗り心地は適度に硬めのセッティング
メーターは多彩なデザインが選べる A3とは別意匠 視認性良好
メーターは多彩なデザインが選べる A3とは別意匠 視認性良好
トランスミッションは7速DCT メインセレクターはシンプル パドルシフト標準 変速はシャープ
トランスミッションは7速DCT メインセレクターはシンプル パドルシフト標準 変速はシャープ
走行モード切り替え標準 ダイナミックモードではサウンドを含め刺激的な味わい
走行モード切り替え標準 ダイナミックモードではサウンドを含め刺激的な味わい
コンソール部にスマホのワイヤレス充電スペースを用意
コンソール部にスマホのワイヤレス充電スペースを用意
1stエディションは電動パノラマサンルーフ標準 開放感はハイレベル
1stエディションは電動パノラマサンルーフ標準 開放感はハイレベル
1984cc直4DOHC16Vターボ 310ps/5450~6500rpm 400Nm/2000~5450rpm 全域パワフル 加速鮮烈
1984cc直4DOHC16Vターボ 310ps/5450~6500rpm 400Nm/2000~5450rpm 全域パワフル 加速鮮烈
1stエディションは235/35R19タイヤ+専用アルミ装着 足回りは電子制御式
1stエディションは235/35R19タイヤ+専用アルミ装着 足回りは電子制御式
排気エンドは4本出し ダイナミックモード時に快音を奏でる
排気エンドは4本出し ダイナミックモード時に快音を奏でる

アウディS3スポーツバック1stエディション 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=S3スポーツバック1stエディション
価格=7DCT 711万円
全長×全幅×全高=4350×1815×1440mm
ホイールベース=2630mm
トレッド=フロント:1545×リア:1530mm
車重=1560kg
エンジン=1984cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=228kW(310ps)/5450~6500rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2000~5450rpm
WLTCモード燃費=11.6㎞/リッター(燃料タンク容量56リッター)
(市街地/郊外/高速道路=8.2/12.0/13.8㎞/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ウィッシュボーン
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=235/35R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
主な燃費改善対策:筒内直接噴射/電子スロットル/可変バルブタイミングリフト(排気側)/電動パワーステアリング/7速Sトロニックトランスミッション/アイドリングストップ
1stエディション特別装備:ブラックスタイリングパッケージ/エクステリアミラーブラック/前席スポーツシート(アルカンターラ&アーティフィシャルレザーダイヤモンドステッチング)/5アームデザイン・マットチタニウムグレー19インチアルミ/235/35R19タイヤ
主要装備:レーンアシスト/アダプティブクルーズアシスト/アダプティブクルーズコントロール/サイドアシスト/エグジットワーニング/リアクロストラフィックアシスト/パークアシスト/リアビューカメラ/アウディプレセンスフロント/アウディホールドアシスト/LEDヘッドランプ/スポーツシート(前席電動調節機能+4ウェイランバーサポート+前席シートヒーター付き)/3分割可倒リアシート/マルチカラーアンビエントライティング/MMIナビゲーション/バーチャルコクピットプラス/スマートフォンインターフェース/テクノロジーパッケージ(ワイヤレスチャージング+後席USB)/Sスポーツ&ダンピングコントロールサスペンション/プログレッシブステアリング/アウディドライブセレクト/Sスポーツバンパー/ハイグロスパッケージ/本革巻きステアリング/2ゾーンオートAC/ストレージパッケージ/プライバシーガラス/パノラマサンルーフ/アウディコネクト
ボディカラー:バイソンイエローメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万4530円
※1stエディションはデビュー記念特別仕様車(限定125台)

撮影協力/マースガーデンウッド御殿場

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