ロータス・エミーラ 新車ニュース
ロータスが中国吉利汽車(ジーリー)傘下に入ったのは2017年だった。潤沢な資金と人材という支えを得たロータスは「ヴィジョン80」を掲げ、大胆な変身を宣言した。その第1弾が2019年に発表した最高出力2000psを掲げるEVハイパーカー、エヴァイア。第2弾がタイプ131、エミーラだ。
エヴァイアがごく少量生産のイメージカーなのに対し、エミーラは次世代を担うロータスの主力モデル。従来のエリーゼ、エキシージの後継というポジショニングになる。エミーラというネーミングは「リーダー」を意味する古代言語に由来。スポーツカー界を牽引するという、ロータスの強い意志が込められている。
スタイルはエヴァイア譲り。ヘッドライト周辺やサイドの巨大なエアインテーク、全体的なシルエットは共通イメージ。航空機からインスピレーションを得たというエアロダイナミクス処理も同様だ。デザインを手がけたのは、長らくロータスデザインを担当するラッセル・カー。アメリカや中国を筆頭とした世界市場を重視した造形である。
ボディサイズは全長×全幅×全高4412×1895×1225mm。エリーゼ(同3900×1720×1130mm)比でかなり大きくなった。ベンチマークとしたのはポルシェ・ケイマンだろう。エミーラはライトウェイトスポーツではなく、ミドルスポーツカーがコンセプト。開発の当初から実用性の向上という目標が掲げられていたという。2シーターながらホイールベースを2+2のエヴォーラと同じ2575mmとし、シート後方だけでなく、独立したトランクスペースを設けたのはその成果だ。大型化は、将来の電動化の布石でもある。
インテリアはさらに挑戦的。快適性を重視し、インフォテインメントに加えてADASや各種機能装備も充実する。もちろん最も大切なテーマは、ドライビングダイナミクス。ワイドトラックとなり、ジオメトリーや前後重量配分を徹底的に最適化。シャシーは軽量設計の接着アルミニウム構造だ。
パワートレーンは、2種のピュアエンジンを設定。初期の限定モデルにはお馴染みトヨタ製3.5リッター・V6スーパーチャージャーが搭載され、MTもしくはATが選ベる。注目は、続く4気筒モデル。何とAMG製の2リッター直4ターボ(M139)+7速DCTの採用が決定した。スペックの詳細は明らかにされていないが、最高出力は365〜405ps前後になるという。
エミーラは、英国ヘセルの新工場で生産。「For The Drivers」を掲げた新型が、どのような新価値を提供するのか、楽しみだ。
車名=エミーラ
デリバリー開始時期=2022年春以降
全長×全幅×全高=4412×1895×1225mm
ホイールベース=2575mm
車重(DIN、乾燥重量)=1405kg
乗車定員=2名
エンジン=2リッター直4ターボ/3.5リッター・V6スーパーチャージャー
最高出力=360〜400hp(365〜405ps)
最大トルク=430Nm(43.8kgm)
駆動方式=MR
0→100km/h加速=4.5秒以下
最高速度=290km/h
CO2排出量=180g/km
●コネクティビティ&インフォテインメント:10.25インチタッチスクリーン/ナビゲーション(一部地区除く)/アップルカープレイ/アンドロイドオート/KEF Uni-Qプレミアムオーディオシステム
●主要装備:キーレスゴー/クルーズコントロール/雨感知ワイパー/電動格納式ミラー/電動シート/LEDエクステリアライト/アダプティブクルーズコントロール/衝突防止システム/疲労感知アラーム/道路標識情報/車速リミッター/車線逸脱警告/後退時安全確認警告機能/レーンチェンジアシスト
※スペックは欧州仕様