TOYOTA GAZOO RacingがWRC参戦を通じて得た知見を活かして開発したRally2規定の「GR Yaris Rally2 Concept」を東京オートサロン2023で発表。一段上のスポーツ走行が楽しめるGRヤリスとGR86の「GR PARTS CONCEPT 2023」や、GRカローラの「Aero Concept」も披露
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2023年1月13日、東京オートサロン2023でRally2規定の「GR Yaris Rally2 Concept(GRヤリス ラリー2 コンセプト」を公開。合わせて、GRヤリスとGR86の「GR PARTS CONCEPT 2023(GRパーツ コンセプト2023)」や、GRカローラの「Aero Concept(エアロ コンセプト)」を披露した。
まずはGR Yaris Rally2 Conceptから紹介しよう。TGRはWRC参戦を通じて得た知見を、「もっといいクルマづくり」やあらゆるモータースポーツの発展に役立てたいと考えている。その一環として、ラリーにおいてもカスタマーモータースポーツへ本格的に取り組むことを目指し、多くのカスタマーモータースポーツチームが使用するRally2規定に即したGR YARIS Rally2 Conceptを開発した。ベース車両は市販バージョンにおいても軽量および高剛性を有する既存のGRヤリスで、GR YARIS Rally2 Conceptではさらなる軽量を図るとともに専用チューニングのG16E-GTS型1618cc直列3気筒DOHC12Vインタークーラー付ターボエンジンやFIA規定32mmエアリストリクター、シーケンシャルトランスミッション(機械式5速ギアボックス)、機械式デファレンシャル付き4WD駆動システム、専用セッティングの前後マクファーソンストラット式サスペンション、ロールケージ、リアウィング、グラベル用300mm/ターマック用355mmブレーキシステムなどを採用。ボディサイズは全長が3995mm、全幅が1820mmに設定し、全高は調整可能とする。最低車両重量はFIA規定の1230kg(スペアタイヤ1本含)で仕上げた。
2023年においては、本車両をベースに開発した「GR YARIS WR Concept(仮称)」で全日本ラリー選手権に参戦して車両を鍛えるとともに、カスタマーモータースポーツチームからのフィードバックを反映して開発を進め、2024年1月のホモロゲーション取得を目指している。
次にGRヤリス GR PARTS CONCEPT 2023に関しては、TGRのレーシングドライバーで開発も務める大嶋和也選手が参画し、外装にはGRカーボンフードやGRカーボンリアウィング、GRコールドエアインテークダクト、GRクーリングエンジンアンダーカバー(NACAダクト)などを、内装にはウルトラスエード表皮+シルバーステッチのGRステアリングホイールやGRパーキングブレーキレバー、GR軽量シフトノブ、GRフルバケットシート(RECARO社製)などを装備。また、足もとにはサーキット走行向けのGRショックアブソーバセットを組み込んだ。なお、紹介したアイテムはすべて全国のGR Garage限定で2023年1月末より順次販売を開始する予定である。
一方、GR86 GR PARTS CONCEPT 2023については、外装にGRエアロノーズコーン/GRエアロミラーフィン/GRエアロルーフフィン/GRリアサイドスポイラーなどで構成する空力パッケージⅡや、GRリアウインドルーバー、GRリアVブレースなどを、内装にGRインテリアパネルセットやGRニーパッド、LEDルームランプセットなどを装備。また、エンジン関連にはGRオイルフィラーキャップやGRスポーツオイルフィルターなどを、足もとには全長調整式GRサスペンションセットやGRモノブロックブレーキキット、GR19インチ鍛造アルミホイールなどを組み込んでいる。
そしてGRカローラAero Conceptに関しては、外装にレーシングドライバーの佐々木雅弘選手が監修したエアロキット(フロントディフューザー、サイドディフューザー、フロント&リアオーバーフェンダー、リアスポイラー、リアディフューザー、リアガーニッシュ)を装着。ボディサイズは全長4470×全幅1865×全高1455mmに設定する。また、排気系にFUJITSUBO製プロトタイプマフラーを、足もとにTOYOTA GAZOO Racingロゴ入りBBS製18インチ鍛造アルミホイールを配備した。
なお、ブースではすでに廃版となってしまった補給部品を復刻し、純正部品として再販売するGRヘリテージパーツプロジェクトにおける最新のGRヘリテージパーツを出展。2023年は8車種32品目の発売を予定しているという。