急ピッチで充実、レベル3自動運転が現実に。 現在搭載が進む先進運転支援システムは、衝突被害軽減ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、駐車支援システムなど全方位で充実中。駐車支援は利便性向上という側面も強く、衝突被害軽減ブレーキは自身の体験が限られている。今回は高速道路や自動車専用道路での運転支援を中心に、経験などをもとに選んだ。センサーやAIの精度に加え、レベル3自動運転以上で必要な高精度地図が重要と感じている。
レジェンドのホンダセンシング・エリート搭載車は、100台限定のリース販売という限定的な供給ながら、市販車として世界初になる公道でのレベル3自動運転を実現した。レベル3が体験できる範囲は限定的だが、自動運転社会の実現のためには、誰かが第一歩を踏み出す必要がある。レジェンドのレベル3への挑戦は自動運転社会の「はじめの一歩」として価値がある。ハンズオフでの車線変更支援機能など、レベル3以外の運転支援もレベル2として最高水準にある。インターフェイスがわかりやすいのもポイント。レベル2ではステアリング、レベル3ではステアリングとインパネにブルーのアクセントランプが点灯し、レベル3終了時はその色がオレンジに変わる。メーターもレベル3では円形のダイヤルが消えて速度の数字と自動運転を示すイラストがメインになる。自動運転をどのように提供するとベターかというテーマに対し、視覚面まで踏み込んで開発したことを評価したい。
2019年の一部改良でスカイラインに導入されたプロパイロット2は衝撃的だった。レベル2自動運転ではあるものの、センサーに加えて高精度地図を採用したことで、高速道路などでハンズオフ走行を実現。安定した運転支援技術に感心した。クルマに安心して任せられる完成度はいまも色褪せていない。技術の日産というフレーズを思い出すほどのレベルにある。
レヴォーグはアイサイトの進化形を搭載。EXグレードは3D地図データを採用した最新仕様。高い完成度からは、豊富な経験を感じる。衝突被害軽減ブレーキはもちろん、高速道路でのレーンチェンジや渋滞時ハンズオフ、料金所通過など、多彩な支援をスムーズかつスピーディにこなす。操作系もわかりやすい。アイサイトは今後もこの分野の代表格であり続けるだろう。
トヨタがレクサスLSとMIRAIに搭載したアドバンストドライブは、高精度地図を搭載して高速道路などでのハンズオフを実現するとともに、駐車支援機能を高めたアドバンストパークを搭載。洗練された運転支援をバージョンアップした。ソフトウェアのアップデートにも対応しており、レベル3に迫る最新の安全技術の提供を続けようという姿勢は高く評価できる。
5位:BMW 3-Series
現行3シリーズは、先進運転支援システムを支えるカメラに3眼タイプを初導入した。周囲の状況を的確に認識することで高速道路などでの渋滞時にハンズオフを実現。直近50mの走行経路を自動的に記録し、35km/h以下での後退時ならステアリングを自動で操作する機構を備える。BMWを代表する車種だからこそ、先進装備を積極的に取り入れる姿勢に感心する。