デジタルコクピット が主流。機能性とデザインで選ぶ。 ADASの高機能化やコネクティビティコンテンツの多彩化もあって、「デジタルコクピット」の採用例が拡大している。最新モデルはディスプレイ位置や大画面化に重きが置かれている。気になる点は、スイッチ類の操作性や空調吹き出し口の位置が疎かにされる傾向だ。内装デザインは、運転に必要な情報の伝達と各種スイッチのコントロール性、快適な空間作りが求められる。エモーショナルな見た目も重視した。
最新ホンダ車のインテリアはレベルが高い。安全性に直結する優れた運転視界を確保したうえで、やはり安全性に大きく関係する「ドライバーにストレスを与えない環境」に配慮してまとめている。新型ヴェゼルの各方向への視界や、ドアミラー周辺の「抜け」は良好。そのうえで、オーソドックスなデザインのメーターは見やすく、3連ダイヤルとプッシュボタンを組み合わせた空調スイッチも使いやすい。リアウィンドウに強い傾斜が与えられ、振り向き後方視界こそやや限定的であるものの、機能と開放感を高次元で融合している。見知らぬ土地でのトンネル進入時などに咄嗟に調整したいメーター類の照度切り替えが、ステアリングコラム脇に置かれた物理スイッチで操作できるのも美点だ。ダッシュボード両脇上部から「そよ風」を送り出す吹き出し口は、今後すべてのホンダ車に標準装備してほしいと思えるほど実効性に富んだアイデアである。本格導入が始まったホンダコネクトは多彩なサービスを提供する。
乗り込んでまず驚くのが、ワイドな視界。独自技術で極限まで細く仕上げられたAピラーと、フラットで形状が吟味されたダッシュアッパーの造形がかつてない開放感を生み出した。シンプルな造形ながら上質な作り込みも好印象。各種スイッチの操作性も良好である。シートはクッションが厚くゆったりした座り心地。コンパクトカーとは思えない仕上がりを見せる。
適度なサイズとリーズナブルな価格で、今後日本でも人気が高まりそうなキャプチャーは、インテリアのデザインも機能的で斬新。インパネは水平基調。最大の見せ場である「フライングセンターコンソール」は、下部にスマホのワイヤレスチャージャーも設定した収納スペースをレイアウト。ダイヤル中央部に表示窓を備えた空調スイッチは、わかりやすく使いやすい。
競い合うようにセンターディスプレイが大型化する中で、そもそもディスプレイを持たないことでスッキリと個性的なデザインを実現したのがアウディTT。地図表示などはバーチャルメーター内のグラフィックで実現。慣れればブラインドタッチを駆使し、ドライビングに集中できる。スポーツカーにふさわしい機能性は秀逸。アウディらしい丁寧な作り込みも魅力だ。
5位:CITROËN C3
ブランドを代表するベーシックモデルながら、細部まで手を緩めることなく仕上げられているのがC3。内装デザインの基本はシンプル。凝った造形の空調レジスターと絶妙なアクセントカラーを採用した高いデザイン力が魅力だ。見ても座っても「厚み感」に富んだシートもいい。快適性抜群でシトロエン独特の乗り心地を提供する。すべてがフランス車らしい1台だ。