フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは2021年7月28日、8代目ゴルフのワゴンモデルとなる新型ゴルフ・ヴァリアントを発売した。
車種展開は以下の通り。
eTSIアクティブ・ベーシック:305万6000円
eTSIアクティブ:326万5000円
eTSIスタイル:384万6000円
eTSI Rライン:389万5000円
約8年ぶりのフルモデルチェンジで第6世代に移行した新型ゴルフ・ヴァリアントは、ハッチバックモデルと同様に「デジタル化」「電動化」「運転支援システム」において大幅な進化を遂げながら、よりスポーティなスタイルや広々としたキャビン&ラゲッジ空間を具現化して、Cセグメントワゴンとしての魅力度をいっそう高めたことが特徴である。
まずエクステリアは、歴代ゴルフ・ヴァリアントのアイデンティティである高い実用性および機能性とクリーンで精度の高いワゴンデザインを踏襲しながら、いっそうダイナミックでスポーティなアピアランスへと昇華させる。ボディサイズは従来モデル比で65mm長く、10mm狭く、高さは共通で、ホイールベースが35mm長い全長4640×全幅1790×全高1485mm/ホイールベース2670mmに設定。フロントおよび側面のBピラーまでは、ハッチバックモデルの新型ゴルフを踏襲するが、Bピラーからリアエンドにかけては新型ゴルフ・ヴァリアントならではの独自性を際立たせる。具体的には、力強いショルダーセクション、わずかに上昇した後にリアへと向かって下降する長いルーフセクション、クーペのように傾斜したリアウィンドウなどによって、より伸びやかでスリークなルックスを創出した。また、空力特性も最大限に重視。ドアミラーやリアルーフセクションといったボディパーツの形状の見直し、アンダーボディを広範囲にカバーするパネルの装着、空力性能を最適化したホイールハウジングライナー(フロント排気エレメントとリアスポイラー)の採用などによって全面投影面積を2.21㎡に低下させ、空気抵抗係数(Cd値)は従来の0.3から0.275へと向上する。ボディカラーは新色のライムイエローメタリックやドルフィングレーメタリック、キングズレッドメタリックを含む全7色をラインアップした。
全長およびホイールベースの延長は、ワゴンモデルの訴求点であるリアシートおよびラゲッジルームのスペース拡大にも寄与する。リアシートでは、最大レッグルームが従来の903mmから941mmに増加。一方でラゲッジでは、リアシート背もたれの上端まで荷物を積んだ場合の収納スペースが従来比6リットルアップの611リットル、リアシート格納時は同22リットルアップの1642リットルを実現した。また、ラゲッジには実用的なバッグ用フックや固定用リング、照明などを標準装備。オプションとして、荷物で両手がふさがっていても足の動きをセンサーが感知してテールゲートを開けられるパワーテールゲート(挟み込み防止機能、“Easy Open”機能付)を設定した。
内包するインテリアは、最新のデジタルアーキテクチャーを鋭意採用したことが注目ポイントだ。大型液晶ディスプイを採用した最新デジタルメータークラスター“Digital Cockpit Pro”を全車に組み込み、そのすぐ横にはインフォテイメントシステム“Discover Pro”を配備。機能性を高めるとともに視認性も向上させ、クラスを超えたデジタルインターフェースを創出した。また、オートマチックデュアルクラッチギアボックス(DSG)のシフトレバーを従来よりも小型化し、センター部にクリーンにレイアウト。さらに、ライトおよび視界関連の機能、ルーフコンソールおよびインフォテイメントシステムの各要素は、機能に応じてタッチスクリーン、タッチスライダー、または直接に操作できるボタンを使用して操作することを可能とし、使い勝手をいっそう引き上げた。
パワーユニットに関しては、ハッチバックモデルの新型ゴルフと同様、48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを全車に採用。モーターのアシストによってスムーズな発進や加速、さらに燃料消費率の低減を実現する。日本導入モデルでは、eTSIアクティブ・ベーシック/eTSIアクティブに1.0eTSIの999cc直列3気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力110ps/5500rpm、最大トルク200Nm/2000~3000rpm)+モーター(最高出力9.4kW、最大トルク62Nm)+リチウムイオンバッテリー+7速DSGを、eTSIスタイル/eTSI Rラインに1.5eTSIの1497cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力150ps/5000~6000rpm、最大トルク250Nm/1500~3500rpm)+モーター(最高出力9.4kW、最大トルク62Nm)+リチウムイオンバッテリー+7速DSGを採用した。
安全運転支援システムの充実ぶりも見逃せない。具体的には、静電容量式センサーを採用したステアリングホイールを軽く握っているだけで前走車との車間および走行レーンの中央維持をサポートする同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”、ドライバーが運転中に意識を失うなど万が一の事態が発生しても安全に車両を停止させる緊急時停車支援システム“Emergency Assist”、乗員が降車時にドアを開いた際に後方から接近している車両や自転車などの障害物を検知すると警告音とドアミラーハウジングの表示灯にて注意喚起を行うエグジットウォーニング(降車時警告機能)など、フォルクスワーゲン初の最新テクノロジーを鋭意採用する。また、フロントカメラで対向車や先行車を検知し、マトリックスモジュールに組み込んだ片側22個のLEDを個別に点灯・消灯の制御をすることで最適な配光を可能とした最新のLEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”をオプションで設定(テクノロジーパッケージ)。さらに、ステアリングの切れ角に応じて配光を変更するダイナミックコーナリングライト、右左折時の被視認性を向上させるダイナミックターンインジケーターなども採用した。
なお、パッケージオプションとしては以下のメニューを用意している。
■Discover Proパッケージ(eTSIアクティブ/eTSIスタイル/eTSI Rライン):19万8000円
フォルクスワーゲン純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”(SSDナビゲーションシステム、通信モジュール内蔵、MP3/WMA再生、AM/FM、ワイドFM対応、地デジTV受信、Bluetoothオーディオ/ハンズフリーフォン、コネクティビティ機能“App-Connect”)
■テクノロジーパッケージ(eTSIアクティブ):23万1000円
LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”(ダイナミックターンインジケーター付)/スタティックコーナリングライト/ダイナミックコーナリングライト/ダイナミックライトアシスト/オールウェザーライト/駐車支援システム“Park Assist”/パークディスタンスコントロール(フロント、リア)/オプティカルパーキングシステム/ヘッドアップディスプレイ/LEDテールランプ(ダイナミックターンインジケーター付)/パワーテールゲート(挟み込み防止機能、“Easy Open”機能付)
■テクノロジーパッケージ(eTSIスタイル/eTSI Rライン):18万7000円
LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”(ダイナミックターンインジケーター付)/ダイナミックコーナリングライト/ダイナミックライトアシスト/駐車支援システム“Park Assist”/ヘッドアップディスプレイ/LEDテールランプ(ダイナミックターンインジケーター付)/パワーテールゲート(挟み込み防止機能、“Easy Open”機能付)
■ラグジュアリーパッケージ(eTSIスタイル/eTSI Rライン):25万3000円
電動パノラマスライディングルーフ(サンシェード、UVカット機能付)/プレミアムサウンドシステム“Harman Kardon”(総出力480W、12チャンネル-9スピーカー)