FCAジャパンは2021年7月30日、ジープの上級SUVに位置するグランドチェロキーの全面改良モデル(WL型)に3列シート仕様の「グランドチェロキーL(Grand Cherokee L)」を新規にラインアップして、今秋に日本で発表すると予告。合わせて、日本専用の特設サイトをオープンした。
今回の全面改良で第4世代(本国仕様では第5世代とカウント)に移行する新型グランドチェロキーは、歴代モデルで初となる3列シート仕様の「グランドチェロキーL」を設定したことが特徴だ。本国仕様のグレードは、ラレード(Laredo)/リミテッド(Limited)/オーバーランド(Overland)/サミット(Summit)で展開する。2/3/2名乗車のシート配列で構成した同車は、本国仕様でホイールベース/ボディ長を2列シート仕様の116.5インチ(2959mm)/196.8インチ(4999mm)より長い121.7インチ(3091mm)/204.9インチ(5204mm)に設定し、7名乗車が可能な居住空間を確保。また、2列目と3列目には分割可倒機構を内蔵し、乗員数や積載物に即した多様なアレンジを可能とする。さらに、2列目には独立タイプのキャプテンシートのほか、ベンチタイプも用意した。
キャビン空間自体は、ジープの新世代インテリアを具現化したことが訴求点だ。温かみのある素材と最新テクノロジーを融合させたインパネには、Uconnect5を組み込んだ最新世代の10.1インチディスプレイを配備し、またドライバーの正面には10.25インチのフレームレスデジタルゲージクラスターを設定。そして、アダプティブクルーズコントロールやハイウェイアシスト、ナイトビジョン、ドライバー疲労の検出、交通標識認識などの安全運転支援システムを含めた20あまりのメニューを選択可能とする。さらに、様々なデジタル制御を司るスイッチを組み込んだ新造形のパドルシフト付きマルチファンクションステアリングホイールを採用。ほかにも、クラストップの12個のUSBポートやアンビエント機能付きのLEDインテリア照明、4ゾーンのオートエアコン、ワイヤレス充電器、19スピーカーのマッキントッシュオーディオサウンドシステムなどを装備した。
エクステリアに関しては、高級SUVの新型グランドワゴニアに触発されたロングノーズとロングキャビン、テーパー形状のルーフなどでプロポーションを構築。ディテールにも徹底してこだわり、フロント部には新アレンジの7スロットグリルやスリムなLEDヘッドライト、有効なアプローチアングルを確保したバンパー下部、新開発のレーダーコンポーネントとアクティブグリルシャッターを内包した開口部などを、サイドビューには低いベルトラインと面積を拡大したガラス、一体設計のサイドレールキャップ、台形のホイールアーチ、新デザインのアルミホイールなどを、リアセクションには高い位置に配した横長のLEDコンビネーションランプやサイドまで回り込ませたキャラクターライン、ワイド感を強調するアクセントトリム、バンパー内に組み込んだマフラーエンドなどを採用して、華やかかつ存在感あふれるSUVルックを創出した。
本国仕様のパワーユニットは、220cu. in.(3604cc)・V型6気筒DOHCガソリンエンジン(290hp/257lb-ft)と345cu. in.(5654cc)・V型8気筒OHV“Hemi”ガソリンエンジン(357hp/390lb-ft)の2機種を搭載。トランスミッションには電子制御式8速ATを組み合わせる。駆動機構には2WD(V6エンジン)と4WD(V6/V8エンジン)を設定し、4WDには進化版のセレクテレインシステムとクォドラトラックⅠ4×4システム(Laredo/Limited)およびクォドラトラックⅡ4×4システム(Overland/Summit)を採用。また、電子制御アダプティブダンピングを備えた独自のエアサスペンション「Quadra Lift(クォドラリフト)」を設定し、走行性能をいっそう高めた。
日本仕様のグレード展開や諸元、エクイップメント、そして車両価格などの詳細については、今秋の正式デビュー時での発表を予定する。なお、本国FCAは新型グランドチェロキーの2列シート仕様とプラグインハイブリッドモデル(PHV)の「4xe」を本年中に発売すると予告。日本市場への導入時期などは、現在のところ未定である。