GMが新開発の電動AWD(全輪駆動)モデル「シボレー・コルベットE-Ray」を2024年モデルとして発表。ミッドシップ配置の6.2リットルLT2スモールブロックV8エンジンが後輪を駆動し、フロントアクスルに配した電気モーターがシート間のフロアトンネルに設置したバッテリーパックを介して前輪を駆動。システム最高出力は655hpを発生
米国ゼネラルモーターズは2023年1月17日(現地時間)、シボレー・ブランドの旗艦スポーツカーであるコルベットの電動AWD(全輪駆動)モデル「コルベットE-Ray」を2024年モデルとして発表した。
コルベットの誕生70周年を記念して設定されたコルベットE-Rayは、ミッドシップ配置の6156cc・V型8気筒OHV直噴VVTエンジン(最高出力495hp、最大トルク470lb.ft)が後輪を駆動し、フロントアクスルに配した電気モーター(最高出力160hp、最大トルク125lb.ft)がシート間のフロアトンネルに設置したバッテリーパック(総電力量1.9kWh)を介して前輪を駆動。システム最高出力は655hpを発生し、性能面では0→60mph(約96km/h)加速2.5秒、1/4マイル加速10.5秒を実現する。また、電動アシストのモードとしてツアー/スポーツ/トラック/ウェザー/マイモード/Zモードという6モードのほか、バッテリーの充電状況を最大限に高めるチャージ+を設定。さらに、EV走行において静粛性を優先し最高速度45mph(約72km/h)までモーターのみで走行可能なステルスモードを選択可能とした。
一方、パフォーマンス・トラクション・マネージメント(PTM)は電動AWDシステムと強調して最適化。また、3種類のサスペンション設定が可能なマグネティックライドコントロール4.0を装備する。さらに、足回りには20インチと21インチの専用5スポークツイスターデザインアルミホイールにオールシーズンタイヤのミシュランPILOT SPORT A/S(サマータイヤのPILOT SPORT 4Sはオプションのパフォーマンスパッケージで選択)や、ブレンボ社製のカーボンセラミックブレーキシステムを組み込んだ。
エクステリアについては、全幅を3.6インチほど拡大したロー&ワイドなプロポーションに仕立てたうえで、ボディタイプにクーペとコンバーチブルを、ボディカラーに2024年モデルの新色となるリップタイドブルー、シーウルフグレー、キャクタイを含む計14色を採用。アルミホイールはパールニッケルやグロスブラックなど4種類のフィニッシュを用意する。また、エレクトリックブルーの「E-Ray」専用ボディレングス・ストライプ・パッケージや、ブラックカラーのエグゾーストチップとブライトバッジ、カーボンファイバー製のグラウンドエフェクト、カーボンファイバー製のホイール(カーボンフラッシュ、ビジブルカーボンファイバーフィニッシュ、レッドストライプ入りビジブルカーボンファイバー)などをオプションで設定した。
コクピットに関しては、パワートレインの動作状況をインフォテインメントシステムに配したE-Rayパフォーマンスアプリに表示する機能を採用したことがトピック。表示レイアウトは、電気モーターとV8エンジンの動的出力を表示する“ゲージ”、時間間隔でのパワー/トルクをグラフ表示する“ダイノ”、電気システムの性能と効率性を表示する“データ”という3タイプを設定する。また、2024年モデルのみの仕様として、内装の仕上げの大部分に深いグリーンの色調を補完的に配色した新しいアルテミスディップドインテリアを導入。さらに、2種類のカーボンファイバートリムパッケージや3種類のシート、7色のインテリアカラーなど、複数のオプションを用意した。
ドライバーアシストテクノロジーの強化を図ったことも特徴で、バージョンアップしたレーンキープアシスト(レーンディパーチャーウォーニング付き)やフォワードコリジョンアラート、オートマチックエマージェンシーブレーキングなどを採用。これらのシステムは、2024年型コルベットの全モデルに設定している。
なお、コルベットE-Rayは米国ケンタッキー州に居を構えるGMのボウリンググリーン組立工場で生産する計画で、米国内では2024年モデルとして2023年内に発売予定。車両価格は1LZクーペが10万4295ドル(約1355万円)、1LZコンバーチブルが11万1295ドル(約1445万円)に設定する。日本への導入時期などは、現在のところ未定だ。