SUBARU・WRX(北米仕様) 新車ニュース
WRXが7年ぶりにフルチェンジした。WRXは、WRC(世界ラリー選手権)で大活躍し、近年はニュルブルクリンク24時間レースで速さを実証しているスバルのスポーツフラッグシップ。ベールを脱いだ北米仕様は、日本ではWRX・S4に相当するオールラウンダー。ピュアスポーツのWRX・STIは開発進行中。遅れてラインアップに加わる予定だ。
新型は、コンセプトモデルVIZIVパフォーマンスのイメージを投影したアグレッシブなスタイリングと、パワフルな2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボがアピールポイント。WRX初採用のスバルグローバルプラットフォームとフルインナーフレーム構造の導入により、走りの基本ポテンシャルが徹底的に高められた。気になる日本仕様はWRX・S4のネーミングで10月下旬に発表予定。2022年初頭からデリバリーが開始される。
新型はアグレッシブな造形が目を射る。ヘキサゴングリルとシャープなヘッドライトが精悍な印象を強調。新採用のスポーツサイドガーニッシュ&サイドシルスポイラーが新しさを主張する。ぐっと張り出した前後フェンダーとボンネット上のエアスクープと相まってスポーツセダンらしさ満点だ。機能的にも前輪スポーツガーニッシュの後方とリアバンパー刻まれたエアアウトレットが、ダウンフォースを高め空気を整流。走りにプラスをもたらしている。
北米仕様のボディサイズは全長×全幅×全高4669×1826×1468mm。旧型(日本仕様・同4595×1795×1475mm)より一回り拡大された。
パワーユニットは2.4リッターのボクサー4DOHC16Vターボを新搭載。パワースペックは271hp/350Nm。日本仕様の旧型S4用の2ℓターボ(300ps/400Nm)と比較すると排気量が拡大されたにも関わらず数値上はダウンした。メーカーでは「電子制御技術により、ドライバーのアクセル操作に瞬時に応答、低回転から力強いトルクを発揮する」とアピール。スポーツ走行時の加速性能はもちろん、日常的な使用シーンでも走りの楽しさを追求したスポーツ心臓という。従来の2ℓ以上のパフォーマンスの持ち主と考えて良さそうだ。
変速システムは6速MTと、新たな変速制御を導入した“スバル・パフォーマンストランスミッション”の2種。パフォーマンストランスミッションは従来からのリニアトロニックCVTをベースに改良を加え、ドライバーの加減速操作に応じて最適な変速を実現した新タイプ。シフトアップ&ダウンともシャープなだけでなく、CVTの弱点であるラバーバンド感を払拭したスバルの自信作である。日本仕様のS4には、6速MTは未設定、新導入のパフォーマンストランスミッションが組み合わされる。
ボディは高剛性仕様。フルインナーフレーム設計と構造用接着剤の最適使用によりねじり剛性が旧型比28%、サスペンション取り付け部剛性は75%アップした。前ストラット/後ダブルウィッシュボーン式の足回りは、ジオメトリーの最適化とストローク量を拡大。モーターアシスト軸とドライバーの操作軸を別体としたデュアルピニオン式電動パワーステと相まって、新世代スポーツセダンらしい気持ちのいいフットワークを実現している。
北米仕様のラインアップは、標準とGTトリムの2グレード。GTトリムには電子制御ダンパーを標準装備。パワーユニットだけでなく、ステアリングやダンパー、エアコンまで車両を統合制御するドライブモードセレクトを設定した。
装備は充実。室内には11.6インチセンターディスプレイを採用。本革巻きステアリングは操作性に優れたDシェイプ。GTトリムには、新開発のレカロ製スポーツシートを装備する。安全・運転支援システムは、パフォーマンストランスミッション車に最新仕様のアイサイトXが標準になる。
新型WRXは、スバルが求める走りの理想を体現した4WDスポーツ。ドライビングを楽しむパートナーとして最適なパフォーマーである。
全長×全幅×全高=4669×1826×1468mm
ホイールベース=2672mm
エンジン=2.4ℓ水平対向4DOHC16Vターボ
最高出力=271hp
最大トルク=359Nm
トランスミッション=6MT/8CVT(スバルパフォーマンストランスミッション)
サスペンション=前:ストラット/後:ダブルウィッシュボーン
タイヤ&ホイール=245/40R18+アルミ
駆動方式=4WD