BMWジャパンは2021年9月10日、第2世代のM4(G82)の4輪駆動モデルにオープン仕様の「M4 Cabriolet Competition M xDrive(カブリオレ・コンペティション・エム・エックスドライブ)」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は1433万円に設定する。
BMW M社が開発する高性能バージョンのMモデルには、2つのカテゴリーが存在する。1つはサーキットでの走行を可能としたMハイパフォーマンスモデルで、もう1つはサーキットで培われた技術を取り入れて走行性能を高めたMパフォーマンスモデルである。今回発売されたM4 Cabriolet Competition M xDriveは、Mハイパフォーマンスモデルの4輪駆動仕様に位置づけられる。
エクステリアに関しては、コクピットまわりを入念に強化したうえで、閉じている状態から約18秒で開けることが可能な電動開閉式のキャンバス製ソフトトップを採用。ソフトトップを閉じれば、AピラーからCピラーにかけて流れるような美しいルーフラインを持つエレガントなクーペスタイルとなり、ソフトトップを開ければ上質かつ軽快なオープンモデルに早変わりする。一方、フロントデザインは迫力ある縦型の大型キドニーグリルを配したうえで、水平方向にはダブルバーを採用。大出力に合わせてエンジンの冷却性能を高めるために、大型のエアインテークも組み込んだ。また、サイドビューにおいてはMモデル専用のサイドギルやカーボン・ドアミラーなどを標準装備。そしてリアセクションには、ダウンフォース性能を高めるスポイラーやエンジンサウンドを走行モードに合わせて最適に調律するMスポーツエキゾーストシステム、空力特性を向上させるディフューザーなどを採用する。足もとには、オービットグレー/マット仕上げのM鍛造ライトアロイホイール・ダブルスポーク・スタイリング825M(前9.5J×19/後10.5J×20サイズ。タイヤは前275/35ZR19/後285/30ZR20)を装着した。
インテリアについては、MスポーツシートやMロゴが輝くドアシル、Mモデル専用にデザインしたメーターパネル、M専用カーボンステアリングなどを採用して、高揚感の高まるコクピットを創出。また、よりスポーツ走行に適した Mカーボンバケットシートをオプションで用意した。
2992cc直列6気筒DOHC直噴Mツインパワーターボガソリンエンジン(最高出力510ps/6250rpm、最大トルク650Nm/2750~5500rpm)+8速Mステップトロニック(Drivelogic付)のパワーユニットに組み合わせるM xDriveは、インテリジェント4輪駆動システムの BMW xDriveとアクティブMディファレンシャルをベースとして、Mモデル専用に開発した制御システム「ドライビング・ダイナミクス・コントロール」によって制御される。さらに、車両の安定走行をサポートする DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)を組み込み、日常の安定した走行から、サーキットでのアクティブな走行まで多様な楽しみを提供するようにチューニングした。
M xDriveの基本設定は「DSCオン/4WDモード」で、Mモデル特有の俊敏性を十分に発揮できるようにセッティング。また、Mダイナミック・モード(MDM/4WD Sport)ではリアアクスルへの駆動トルク配分を増加させ、リアホイールのスリップ許容量を大きくすることで、より多様なハンドリングを楽しむことができる。一方、DSCオフ時に選択可能な「4WDモード」「4WD Sportモード」「2WDモード」も設定。「4WDモード」では最もバランスの良いコントロールとトラクションの組み合わせを、「4WD Sportモード」ではより高い精度のステアリング特性と力強いトラクションを、熟練したドライバーに向けた「2WDモード」ではクルマの挙動を制限する制御システムの介入を断ち、ドライバー自らが車両を操作する歓びをダイレクトに味わえるようにアレンジした。
足回りに関しては、専用セッティングのMアダプティブ・サスペンションを装備。スポーツドライビングのみならず、街中走行時での乗り心地の向上も実現している。一方、制動機構には耐熱および耐フェード性能に優れた大径ブレーキディスク、軽量化された6ポッドMコンパウンドブレーキを標準で採用。オプションとして、耐摩耗性能や耐熱性能をより高めたMカーボンセラミックブレーキを設定した。
機能装備も充実しており、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能や安全運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」、BMWコネクテッドドライブ、BMW Intelligent Personal Assistant(インテリジェント・パーソナル・アシスタント)などを採用している。