フランス車は「人の温もり」を感じる個性的なデザインの持ち主。実用的でクラスレスが魅力【CD取材ノート】

アルカナ01人気上昇中! フランス車が人を惹きつける理由

プジョー01

シトロエン01

 一時期、日本の輸入車市場は約9割をドイツ車が占めていた。だが最近はバラエティ豊富になっている。中でも、存在感を発揮しているのがルノーやプジョー、シトロエンなどのフランス勢だ。

 フランス車の魅力は、個性的であることにつきる。フランス車のメーカーは、どれもいかにして個性を表現するかに力を注いでいる。ルノーのデザインコンセプトである「サイクル・オブ・ライフ」を主導したチーフデザイナーのヴァン・デン・アッカー氏が、「ルノーを選ぶ人が求めているのは、ドイツのクール、イタリアのホットとも違う“温かさ”」と表現しているのは言い得て妙だと思う。

ルーテシア

キャプチャー

 ルノーをはじめフランス車の多くは、使う人に寄り添うやさしさを感じさせる。デザイン自体の面白さや独特のドライブフィールなど、どことなく血の通った人間味を持ったクルマが多い。それゆえいたらない点があってもなぜか許せる気になる。乗り心地についても、最近ではそうでもないケースもあるとはいえ、古くから評されてきたとおり、他の国のクルマにはないしなやかな味わいを感じる。しかも生活臭が強いというか、日常生活を支えるパートナーとしてよく考えられている。室内やラゲッジスペースが広いだけでなく、使い勝手がいい。ちなみに現在ではSUVを含めて一般的な5ドアHBというボディ形式をポピュラーな存在としたのは、ルノー・キャトルの功績である。

カングー

シトロエン02

 また、フランス車は、ヒエラルキーという概念から離れたところにいる。つまりクラスレスのイメージが強い。ドイツ車も日本車も明確にクラス分けされているのに対し、フランス車の場合はそこに優劣という価値観を感じない。たとえ価格が安くコンパクトなクルマに乗っていても、あえてそれを選んだように見えるのだから不思議だ。

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