今春発表予定の新型ポルシェ・カイエンのテストがいよいよ最終段階

ポルシェが2023年春のワールドプレミアを予定する新型カイエンのテストプログラムが大詰めを迎えたと公表。再構築した駆動方式や新しいセミアクティブシャシーなどを限界までテストする目的でアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米で試験走行を実施。メーカー自ら「ポルシェ史上でも最大級の広範な製品アップグレード」と宣言

 独ポルシェAGは2023年2月8日(現地時間)、今春の発表を予定する新型カイエンのテストが最終段階を迎えたと発表した。

▲ポルシェが今春発表予定の新型カイエンのテストプログラムが大詰めを迎えたとアナウンス。パワートレインやシャシー、デザイン、装備、コネクティビティなどを大幅に刷新したという

▲ポルシェが今春発表予定の新型カイエンのテストプログラムが大詰めを迎えたとアナウンス。パワートレインやシャシー、デザイン、装備、コネクティビティなどを大幅に刷新したという

 

 現行の3代目カイエンは2017年にデビューして以来、プレミアムSUVとしてワールドワイドで高い人気を獲得している。新型はパワートレインやシャシー、デザイン、装備、そしてコネクティビティなどを大幅に刷新。メーカー自ら「ポルシェ史上でも最大級の広範な製品アップグレード」と評している。

 独ヴァイザッハのポルシェ開発センターのエンジニアたちは、カイエンにおける駆動方式の再構築に加えて、シャシーシステムの大幅な見直しを実施。ポルシェ特有のオンロード性能や長距離走行時の快適性、およびオフロード性能の幅をさらに広げることを目指し、新しいセミアクティブシャシーを採用する。また、コクピットにはコネクティビティ機能の強化のため広範囲にデジタル化された新しいディスプレイと操作コンセプトを導入。安全性のさらなる向上を狙って、革新的な照明技術のHDマトリックスLEDヘッドライトも装備した。

▲新型カイエンのプロトタイプを駆って、さまざまな気候帯での品質と耐久性のテストを目的として世界中を旅し、極限状態をシミュレート。実際のテストはアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米で行い、試験距離は計400万kmを超える。過酷なオフロードテストも実施

▲新型カイエンのプロトタイプを駆って、さまざまな気候帯での品質と耐久性のテストを目的として世界中を旅し、極限状態をシミュレート。実際のテストはアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米で行い、試験距離は計400万kmを超える。過酷なオフロードテストも実施

 

 多くの機構を新開発した新型カイエン。そのコンポーネントを意図通り正確に、かつ高い耐久性をもって機動させるためには、複雑で緻密なテストが必要となる。そのため、ポルシェは「ゼロから開発されたかのように、完全で包括的なテストプログラム」を敢行した。

 精度を高めたバーチャルシミュレーションはもちろん、実際のテストを高い優先度をもって実施。完全車両試験と呼ぶテストでは、ユーザーが体験する状況と、それをはるかに超えた状況で、すべてのコンポーネントとシステムが相互作用する際の動作の安定性と機能性を確認する。また、耐久試験ではユーザーが実際に体験することはほとんどないような厳しい条件下で、車両のライフサイクルをシミュレート。日常の条件下では、市街地や郊外、高速道路を数カ月にわたって20万kmをはるかに超える走行試験を行った。

▲キャラバンを組んで過酷な砂丘における試験走行を敢行

▲キャラバンを組んで過酷な砂丘における試験走行を敢行

 

 また、ポルシェは新型カイエンのプロトタイプを駆って、さまざまな気候帯での品質と耐久性のテストを目的として世界中を旅し、極限状態をシミュレート。実際のテストはアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米で行い、試験距離は計400万kmを超える。カイエンのプロトタイプの組立およびテストチームを率いるディルク・レルシュ氏は、「スペインでの過酷なオフロードテスト、モロッコの過酷な砂丘、フィンランドのアイスバーン、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでのダイナミックな走行など、私たちが新しいカイエンに求めたものは、多くのユーザーが実践することとは異なるかもしれません。しかし、ポルシェ車を購入するユーザーには、走行する路面に関係なく、非常に高い負荷に耐えることができたということをお知らせしたいと思います」と、テスト結果を総括した。

▲アイスバーンや積雪路面において低μ路での走行性能を確認

▲アイスバーンや積雪路面において低μ路での走行性能を確認

 

 果たして、新しいパワートレインやシャシーを採用した新型カイエンがどのようなパフォーマンを演じるのか。今春のワールドプレミアが今から楽しみだ。

 

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