2006年型マツダ・ロードスターRS(NC型) 新車時価格:6MT 250万円 試乗記
2005年2月のジュネーブショーで世界初公開され、8月に販売がスタートした3rdマツダ・ロードスター(NC型)は、ライトウェイトFRの運動性能とミドルスポーツの高いポテンシャルを融合した意欲作だった。プラットフォームは、ロータリースポーツRX-8用の改良版。200psオーバーの高出力に対応する贅沢な設計により、高い剛性と優れたロ―ドホールディング性能を実現する。パワーユニットは2ℓに拡大。ボディタイプはもちろん伝統の2シーターオープン。ワンタッチで開閉可能なZ型ソフトトップが採用され、オープンエアが一段と気軽に味わえるようになった。
NC型は2006年8月に電動リトラクタブルHT仕様のRHTモデルを追加。2007年1月に1stモデルからの生産累計80万台を達成、2011年2月には同90万台に伸ばす。
多くのファンに愛されたNC型は、現在、歴代モデルで最も入手しやすく、走りが楽しめるロードスターとして認知されている。100万円以下で手に入る中古車も多く、車両によっては50万円を切るケースもある。パフォーマンスは標準状態でも高水準。多彩なカスタマイズパーツを利用して、自分好みの1台に仕上げることも自由自在だ、その魅力を実感しようと2006年モデルのRSを連れ出した。
取材車はフルカスタム状態。外観はオートエグゼ製エアロパーツと、レイズ製18㌅アルミを装着。ソフトトップはお洒落なレッドカラーに張り替え済み。クスコ製車高調節サスペンションを組み込んだローダウン・フォルムと相まって鮮烈なイメージを発散する。メカ関係もファインチューニング済み。オーナーが、サーキット走行を日常的に楽しむマニアなだけにエンジンのPCUが交換され、HKS製エグゾーストシステムが組み込まれていた。
マツダスピード製のスポーツシートに身を落ち着けてイグニッションON。引き締まった快音とともにスタート。その走りは実に痛快だった。エンジンは右足を踏み込むほどにパワーを増し、回転フィールもシャープ。ドライバーの期待値以上の速さを披露する。オープンの爽快感と相まって、まさに刺激的なひと時を過ごした。
驚いたのは足回りの完成度。その低い車高からは想像できないほどのしなやかで軽快なフットワークを示した。ハンドリングがシャープなだけでなく、乗り心地も決して悪くない。これなら日常使用もやせ我慢しなくて済む。
NC型のパーツ供給は現在でも豊富で維持は楽。カスタマイズアイテムは、今でも新製品がリリースされるほどだ。自分好みのスポーツカーライフを楽しむ相棒としてNC型ロードスターは最良の選択肢である。
グレード=RS(2006年式・NC型)
新車時価格=6MT 250万円
全長×全幅×全高=3995×1720×1245mm
ホイールベース=2330mm
トレッド=前1490/後1495mm
車重=1100kg
エンジン=1998cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=125kW(170ps)/6700rpm
最大トルク=189Nm(19.3kgm)/5000rpm
10・15モード燃費=13.0km/リッター(燃料タンク容量50リッター)
サスペンション=前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク
ブレーキ=前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ&ホイール=205/45R17+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=4.7m
●主な燃費改善対策:可変バルブタイミング
●主要装備:アルミ製パワープラントフレーム/トルクセンシングスーパーLSD/ビルシュタイン社製ダンパー/前後スタビライザー/フロントサスタワーバー(カウル結合タイプ)/軽量フライホイール/大径エレキスロットル/DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)/アルミ製フロントサスペンションコントロールアーム/17インチアルミ/クラッチスタートシステム/アルミ製ボンネット&トランクリッド/ガラス製Rウィンドウ付きZ型ソフトトップ/ディスチャージヘッドライト/本革巻きステアリング&シフトノブ/アルミペダル/オートAC/ファブリック製バケットシート/メッシュタイプエアロボード/イモビライザー
●ボディカラー:ギャラクシーグレーマイカ
※価格はすべて消費税込み