世界で最も売れているSUV、日本でも好調なトヨタRAV4の完成度

トヨタRAV4・PHVブラックトーン 価格:THS 539万円 RAV4はトヨタを代表するワールドカー 2リッターガソリン/2.5リッターハイブリッド/2.5リッターPHVをラインアップ 駆動方式は4WD主体
トヨタRAV4・PHVブラックトーン 価格:THS 539万円 RAV4はトヨタを代表するワールドカー 2リッターガソリン/2.5リッターハイブリッド/2.5リッターPHVをラインアップ 駆動方式は4WD主体

トヨタRAV4  価格:274万3000〜539万円 デビュー/2019年4月 販売台数/4万288台(2021年1〜9月)

現行型はたくましく変身。世界中で販売好調のグローバルSUV

 RAV4は、FFコンパクトカーのメカニズムを流用したSUVのパイオニア。まだ小柄なSUVが珍しかった時代に登場して一躍人気車となった。1stモデル(1994年デビュー)の記憶は、いまでも鮮烈だ。しかし世界戦略車として2nd/3rdモデルが大型化するにつれ、日本では存在感が薄れていった。そして2013年にフルチェンジした4thモデルは、ついに日本に導入されなかった。

 ところが、ガラリと雰囲気が変わり、復活した最新5thモデルは日本でも好調である。ひとあし先にデビューした北米での爆発的ヒットがプラスをもたらしたのだろうか。トヨタSUVで唯一、日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車となったことも特筆できる。

 現行型は、都会派だった歴代モデルから一転。オフローダーっぽくたくましさを増した。スタイリングは、ちょっぴりワイルドで、しかもSUV本来の高いユーティリティを連想させる。この造形に多くの人を振り向かせる力があることは、世界中で販売好調という事実が証明している。

PHVのシステム出力は300psとパワフル 充電はAC200Vと100Vの普通充電に対応 充電時間は200Vで約5.5時間
PHVのシステム出力は300psとパワフル 充電はAC200Vと100Vの普通充電に対応 充電時間は200Vで約5.5時間
フロントマスクは写真の標準タイプとワイルド志向のアドベンチャーの2タイプを用意
フロントマスクは写真の標準タイプとワイルド志向のアドベンチャーの2タイプを用意

少々の悪路なら平然と走り切るタフな存在。PHVは時代が求める「電動モデル」

 クルマとしてのポテンシャルも高い。舗装路を快適に走り、少々の悪路ならものともしないというRAV4伝統のキャラクターに一段と磨きがかかった。最低地上高は200mmと高く、走破性を高めるためのデバイスも万全。頼もしい内容となっている。

 パワーユニットは2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッド、そしてトヨタSUV唯一のPHVが選べる。販売主力の2リッターガソリンは、大柄な車体に対してはやや線が細く、発進用ギアを備えたCVTも若干の違和感を感じる。ただしアクティブなキャラクターのアドベンチャーに設定されたトルクベクタリングによる気持ちのよい回頭性は秀逸。SUVとしてかつてない爽快なフィールが味わえる

 2.5リッターハイブリッドは、モーターならではのレスポンスが魅力的。力強い加速と圧倒的な経済性が持ち味だ。加えて後輪をモーターで駆動する4WDは独自の味付けがされており、意外なほどよく曲がる。見た目のよさに加えて、最新RAV4は走りの完成度も高い。

 最上級モデルとして位置づけられたPHVは、内外装を差別化したほか、強力な動力性能とともに、EV走行換算距離95kmを誇る。「電動モデル」として一級品の仕上がりだ。時代を一歩リードする先進性が与えられている。

インパネは水平基調デザイン 各部の質感は高く視界はワイド PHVブラックトーンは9インチ・ディスプレイオーディオ標準 操縦性はスポーティなセッティング
インパネは水平基調デザイン 各部の質感は高く視界はワイド PHVブラックトーンは9インチ・ディスプレイオーディオ標準 操縦性はスポーティなセッティング
ブラックトーンの合成皮革シートは前席快適温熱&ベンチレーション付き 室内長1890mm
ブラックトーンの合成皮革シートは前席快適温熱&ベンチレーション付き 室内長1890mm
ラゲッジは広く使い勝手良好 容量は後席使用時490ℓ 後席は6対4分割 荷室最大長1855mm
ラゲッジは広く使い勝手良好 容量は後席使用時490ℓ 後席は6対4分割 荷室最大長1855mm
PHVは2487cc直4エンジン(177ps)+モーター(前182ps/後54ps)+18.1kWhの大容量バッテリーで構成 EV走行可能距離95km
PHVは2487cc直4エンジン(177ps)+モーター(前182ps/後54ps)+18.1kWhの大容量バッテリーで構成 EV走行可能距離95km
ブラックトーンは235/50R19+7.5Jアルミ装着 最低地上高200mm 最小回転半径5.7m
ブラックトーンは235/50R19+7.5Jアルミ装着 最低地上高200mm 最小回転半径5.7m
メーターは7インチTFT液晶を内蔵したオプティトロン式 左側にパワーメーターを装着 視認性良好
メーターは7インチTFT液晶を内蔵したオプティトロン式 左側にパワーメーターを装着 視認性良好
欧州ではハイブリッドのアドバンチャー・グレードが登場 日本でもラインアップ予定 同時にライト回りの小変更を実施
欧州ではハイブリッドのアドバンチャー・グレードが登場 日本でもラインアップ予定 同時にライト回りの小変更を実施

トヨタRAV4 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=PHVブラックトーン
価格=THS 539万円
全長×全幅×全高=4600×1855×1695mm
ホイールベース=2690mm
トレッド=前1595/後1615mm
最低地上高=200mm
車重=1920kg
エンジン=2487cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=130kW(177ps)/6000rpm
最大トルク=219Nm(22.3kgm)/3600rpm
モーター最高出力=前134Kw(182ps) /後40kW(54ps)
モーター最大トルク=前270Nm(27.5kgm)/後121Nm(12.3kgm)
WLTCモードEV走行換算距離=95km
WLTCモードハイブリッド燃費=22.2km/リッター(燃料タンク容量55リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=20.5/23.0/22.5km/リッター)
サスペンション=前ストラット/後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/55R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m

●主な燃費改善対策:可変バルブタイミング/プラグインHV/電動パワーステアリング/アイドリングストップ/充電制御/電気式無段変速機
●主要装備:トヨタセーフティセンス(プリクラッシュセーフティ+レーントレーシングアシスト+全車速対応レーダークルーズコントロール+オートマチックハイビーム+ロードサインアシスト)/先行車発進告知機能/インテリジェントクリアランスソナー/リアクロストラフィックオートブレーキ/7エアバッグ/パノラミックビューモニター/バイビームLEDヘッドライト/デジタルインナーミラー/E-Fourシステム/TRAILモード/ダイヤル式ドライブモードセレクト/ヒルスタートアシスト/フロントバンパーロアモール/ホイールアーチモール/リアスキッドプレート/リアスポイラー/レッドステッチ合成皮革シート/前席快適温熱&ベンチレーション&電動調節機能/後席シートヒーター/ヒートポンプ式オートAC/イルミネーテッドエントリーシステム/ハンズフリーパワーバックドア/9インチ・ディスプレイオーディオ/アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)/おくだけ充電/AC200V&100V用充電ケーブル/ドアロック連動コネクターロックシステム
●ボディカラー:アティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカ(op5万5000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万2600円

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