サーキット激走!ランボルギーニ・ウラカンSTOの驚愕パフォーマンス。これはレーシングカーである

ランボルギーニ・ウラカンSTO 価格:7DCT  4125万円 ウラカンSTOはレーシングマシンの血統を継承した“公道も走れるサーキットスポーツ” 独自の軽量化技術とエアロダイナミクスで圧倒的な速さを実現
ランボルギーニ・ウラカンSTO 価格:7DCT 4125万円 ウラカンSTOはレーシングマシンの血統を継承した“公道も走れるサーキットスポーツ” 独自の軽量化技術とエアロダイナミクスで圧倒的な速さを実現

ウラカンSTO、それは新たな時代に向けたランボルギーニの決意表明

 驚愕のパフォーマンスだった。操って面白いとか、スリリングだというレベルをもはや超えている。富士スピードウェイで試したウラカンSTOは、これまでのどのスペシャルなランボルギーニ製市販モデルとも違う、まさに別格のパフォーマンスを見せつけた。インパクト抜群のスタイリングから、圧倒的なパフォーマンスを想像できていたつもりだった。しかし、予想を遥かに超えていた。ランボルギーニは、来る電動化時代に向けて、そのスーパーな性能を今後はサーキットモデルでアピールするのだろう。STO(=スーパートロフェオ・オモロガータ)はその先駆けだ。

 先駆けという意味では、ランボルギーニには既にエッセンツァSCV12というサーキット専用モデルを発表している。エッセンツァSCV12は、GT選手権用のマシンを開発・製造しワンメイクレースのスーパートロフェオシリーズの運営も手掛けるランボルギーニのモータースポーツ部門、スクアドラ・コルサと、デザイン部門のチェントロ・スティーレのコラボレーションで生み出された世界限定40台のマシンだ。

 ウラカンSTOも同様のコラボから誕生した。つまりスクアドラ・コルセが開発したレース仕様のスーパートロフェオに限りなく近い性能を持つロードカーを作るべく、チェントロ・スティーレが開発の初期段階(およそ3年前)からエンジニアリングに深く関わったのだ。デザインチームの仕事は高性能になればなるほどエンジニアリングと密接に関連するという見本のようなプロジェクトだった。

STOは外装パネルの75%以上をカーボンファイバーで構成 ウィンドウも標準車比20%軽い専用タイプ 足回りはトレッドを拡大した専用仕様 駆動方式は2WD
STOは外装パネルの75%以上をカーボンファイバーで構成 ウィンドウも標準車比20%軽い専用タイプ 足回りはトレッドを拡大した専用仕様 駆動方式は2WD
STOは専用カラーリングが存在感を主張 STOはランボルギーニのレース部門とデザインチームがタッグを組んで開発
STOは専用カラーリングが存在感を主張 STOはランボルギーニのレース部門とデザインチームがタッグを組んで開発

すべてがサーキット指向。STOは速さとハンドリングを徹底

 サーキットで速いマシンを作るために何が最も重要か、という質問に対して、ランボルギーニエンジニアリング部門のトップであるマウリツィオ・レッジアーニは「一にも二にもコーナリング性能が重要、そのためには車体全体のバランスにこだわらなければならない」と即答した。車体の基本パッケージが決まっている以上、その意味するところは明白である。噛み砕いて言えば出力、加減速、ハンドリング、重量という4つの項目をバランスよく仕立てることに尽きる。そしてハンドリングと重量はチェントロ・スティーレの深い関与がなければ改善できない。つまり空力と軽量化である。

 チェントロ・スティーレのトップであるミッティア・ボルカートは、「私たちがコファンゴと名付けたフェンダー一体型のカーボン製フロントカウルは軽量化と空力を両立した最も特徴的なパートでしょう。そしてこれはミウラというとても重要な歴史のオマージュでもありました」と胸を張った。

「コファンゴ」と命名されたフロントカウルはレーシーな一体構造 名車ミウラを彷彿させる開閉システム導入
「コファンゴ」と命名されたフロントカウルはレーシーな一体構造 名車ミウラを彷彿させる開閉システム導入
STOはトップスピード/加速性能とともに空力特性を徹底リファイン ダウンフォースは標準車比53%アップした
STOはトップスピード/加速性能とともに空力特性を徹底リファイン ダウンフォースは標準車比53%アップした

珠玉のV10は640hpをマーク。速さは驚愕レベル

 ドライバーの背後に縦置きされているのはもちろん5.2ℓのV10自然吸気エンジン。最高出力640hp、最大トルク565Nmというハイスペック。7速DCTを組み合わせ、駆動方式にリア駆動(2WD)をチョイスしたのはスーパートロフェオ譲りである。トップスピードは310km/h。加速パフォーマンスで4WDのウラカンEVOにほんの少し劣るものの、それ以外の全域において“高性能”だ。

 その他の注目点として、ドライビングモード(=アニマ)とブレーキ、タイヤを挙げておく。アニマにはスタンダードモデルとは名称が違う三つの特性、“STO”、“トロフェオ”、“ピオッジア”を用意。普段乗りには“雨”という意味のピオッジアが最適だろう!またブレーキには量産ロードカーとして初めてCCM-RというF1由来のブレンボ製システムを装備。タイヤは日本のブリヂストン製ポテンザ・スポーツを装着する。

 サーキットを駆け抜けて。何より驚いたのは正確なハンドリング性能とダイレクトなエンジンレスポンスだった。この二つが揃ったことで、凄まじく速いラップを刻むことができる。コーナリングはとにかく安定の一言。はっきり言って筆者レベルの腕では振り回すどころではない。それどころか直線で280km/h以上に達するハイペースで走っても汗ひとつかかなかった。まさにスーパーな走り。レーシングドライバーでなくてもサーキットで速く、安全に操ることのできる生粋のマシンである。

室内はカーボンファイバーを多用した軽量仕様 走行モード切り替え(アニマ)はSTO/トロフェオ/ピオッジアの3モードを用意 ステアリングはアルカンターラ巻き パドルは大型サイズ ドアの開閉はストラップで行う
室内はカーボンファイバーを多用した軽量仕様 走行モード切り替え(アニマ)はSTO/トロフェオ/ピオッジアの3モードを用意 ステアリングはアルカンターラ巻き パドルは大型サイズ ドアの開閉はストラップで行う
フロントフードには冷却性を高め空気を整流する大型エアダクトを刻む
フロントフードには冷却性を高め空気を整流する大型エアダクトを刻む
ウイング形状のリアスポイラーは3段階に角度を調節できる設計
ウイング形状のリアスポイラーは3段階に角度を調節できる設計
タイヤは前後20㌅のBSポテンザ ホイールはマグネシウム製 ブレーキは量産車初のブレンボ製CCM-Rを採用
タイヤは前後20㌅のBSポテンザ ホイールはマグネシウム製 ブレーキは量産車初のブレンボ製CCM-Rを採用
5204cc・V10DOHC40V  640hp/8000rpm  565Nm/6500rpm エンジンは圧倒的なパワーとシャープなレスポンスを追求 シフトスピードも速められた専用仕様 ヘッド回りは専用ゴールド仕上げ
5204cc・V10DOHC40V 640hp/8000rpm 565Nm/6500rpm エンジンは圧倒的なパワーとシャープなレスポンスを追求 シフトスピードも速められた専用仕様 ヘッド回りは専用ゴールド仕上げ

ランボルギーニ・ウラカンSTO 主要諸元の主要諸元と主要装備

価格=7DCT 4125万円
全長×全幅×全高=4547×1945×1220mm
ホイールベース=2620mm
乾燥重量=1339kg
乗車定員=2名
エンジン=5204cc・V型10気筒DOHC40V
最高出力=470kW(640hp)/8000rpm
最大トルク=565Nm/6500rpm
燃料タンク容量=80リッター
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=前245/30R20/後305/30R20
駆動方式=MR
0→100km/h加速=3.0秒
最高速度=310km/h
※諸元は欧州仕様 価格は消費税込み

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