BYD Autoジャパンが大型EVバスの「K8」を西武バスに2台納入したと発表。西武バス新座営業所にて本年2月27日より、主に清瀬駅北口~けやき通り~旭が丘団地を結ぶ系統において路線バスとして運行を開始する予定。営業所には太陽光パネルも設置
中国のBYD(比亜迪、本国での発音はビーヤーディ)グループの日本法人であるBYD Auto(ビーワイディー オート)ジャパンは2023年2月15日、大型EVバスの「K8」を西武バスに2台納入したと発表した。
BYDはグローバルで累計約7万台のEVバスを納入しており、世界中の公共交通の電動化を後押ししている。また、BYDジャパンは2015年に中国自動車メーカーとして初めて日本にEVバスを納入して以降、日本市場向けの小型EVバス「J6」や路線バスとして最適な大型 EVバス「K8」などを展開。「eモビリティを、みんなのものに。」をブランドパーパスに掲げ、日本の顧客ニーズに応える製品・サービスを実施してきた結果、本年2月15日の時点で100台あまりのEVバスを納入している。
一方で西武バスは、かねてより安全安心を第一として環境や社会情勢が抱える課題解決に向けた取り組みを推進し、エコドライブの実施や、ハイブリッドバスおよび燃料電池バス、バイオディーゼル燃料、リニューアブルディーゼル燃料といった環境に配慮したバスの導入を積極的に進めるなど、環境にやさしく、地域と調和できる公共交通機関を目指している。こうした方針を背景に、今回BYDの大型EVバスを導入することとなった。
BYD K8は、全長10500×全幅2500×全高3360mm/ホイールベース5500mmという路線バスに最適なボディサイズに、最大81名の乗車定員を確保。パワートレインには高出力モーターと総電力量287kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は220kmを実現する。充電に関しては、日本の急速充電のCHAdeMO方式に対応した。
納入したK8は、西武バス新座営業所(埼玉県新座市)にて本年2月27日より、主に清瀬駅北口~けやき通り~旭が丘団地を結ぶ系統において路線バスとして運行を開始する予定。また、営業所には関西電力が展開するオンサイトPPA(発電事業者が需要家=電気を使用する企業の敷地内に太陽光発電設備を発電事業者の費用により設置し、所有・維持管理をしたうえで、発電設備から発電された電気を需要家に供給する仕組み)を導入し、営業所の建物に太陽光パネルを設置して、発電される電気を同営業所施設に供給する計画である。これにより、日中はバスの運行管理システムの運用から空調・照明まで、同営業所内で使用する一部の電気を自然エネルギーでまかなうことが可能となり、合わせて実質再生可能エネルギー由来の電力のみを使用することで、西武バスが目指す非化石証付電力供給の実現に向けた100%カーボンニュートラルな営業所運営に貢献することとなった。さらに、今回の取り組みは災害時に停電した場合でも、営業所の運行管理機能が維持されることでバス運行が継続できるほか、充電されたEVバスを一時避難施設などに派遣して電力供給を行い、地域住民のライフライン確保に大きく寄与することが期待できる。なお、EVバスとオンサイトPPAを合わせて導入する取り組みは、国内で初めての事例になるという。