日産キャラバン・プレミアムGX 価格:7SAT 302万3900円 試乗記
日産キャラバンがマイナーチェンジした。キャラバンはプロユースの商用ライトバン&ワゴン。最近ではアクティブなライフスタイルを楽しむプライベートユーザーからも支持されている。ちなみにリファインを受けたのはガソリン仕様のみ。ディーゼルは現在開発中。当面は従来モデルを継続販売する。
メカニズム面はトランスミッションを従来の5速ATから、7速ATに変更。合わせてエンジンの改良を行い、排気ガスのクリーン化と燃費の改善を図った。主力となる2ℓユニットのスペックは96kW/178Nm。WLTCモード燃費は8.3km/ℓをマークする。
安全装備の充実も新型のポイントだ。カメラとミリ波レーダーで構成する新システムにより衝突被害軽減ブレーキの検知性能を引き上げ、車線逸脱警報、標識認識機能、ハイビームアシスト機能をプラス。乗用車と同等のハイスペックに仕上げた。中級グレード以上はアラウンドビューモニターも標準装備する。ただしアダプティブクルーズコントロールはオプションでも設定されない。
外装は、新意匠グリルとフロントバンパーによりダイナミックな印象が増した。室内はシートを改良。前席を骨盤と胸郭をしっかりサポートする形状に変更し、合わせてクッション部にスラブウレタン層を追加した。メーターやステアリング形状も新しい。
テストコースでライトバンの上級グレード、プレミアムGXに試乗した。ボディサイズは全長×全幅×全高4695×1695×1990mm。一見、大柄に見えるが、小型車規格に収まる。取り回し性は優秀。驚いたのは圧倒的なスペース性だ。最大荷室長はクラストップの3050mm。後席を立てた状態でも1860mmを確保する。バイクや自転車の積み込みは自由自在。趣味用のプライベート空間としてぴったりのフリースペースである。遊びに長けたプライベートユーザーが注目するのも納得だ。
ステップに足をかけ、運転席に収まる。前席はちょうど前輪の上に位置する。アイポイントは高く見晴らしは上々。通常のSUV以上の開放感が気持ちいい。ただし運転環境はややタイト。ステアリングシャフトのため足元スペースは制限され、頭上空間もあまり広くない。
走りは実用十分なイメージ。加速は意外に力強く、7速ATの効果で巡航時のエンジン回転が抑えられ静粛性も高い。乗り心地は上々。空荷での試乗だったが、後輪からの不快な突き上げはなく、しっとりとした乗り味が印象に残った。ボディはしっかりしている。
キャラバンはプロユースに応える抜群のスペース性の持ち主。酷使に耐えるタフな作りと相まってユーティリティが驚くほど高い。仕事の相棒としてはもちろん、遊びのパートナーとしても気になる存在である。
グレード=プレミアムGX
価格=7SAT 302万3900円
全長×全幅×全高=4695×1695×1990mm
ホイールベース=2555mm
トレッド=前1475×後1450mm
最低地上高=170mm
荷室長×幅×高=3050×1520×1325mm
車重=1820kg
最大積載量=1000/950/850kg
エンジン=1998cc直4 DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=96kW(130ps)/5600 rpm
最大トルク=178Nm(18.1kgm)/4400rpm
WLTCモード燃費=8.3km/リッター(燃料タンク容量65リッター)
(市街地/郊外/高速道路=6.2/8.6/9.4km/リッター)
サスペンション=前ダブルウィッシュボーン/後リーフ・リジッド
ブレーキ=前ベンチレーテッドディスク/後ドラム
タイヤ&ホイール=195/80R15+スチール
駆動方式=FR
乗車定員=2/3/5名
最小回転半径=5.2m
●主な燃費改善対策:未公表
●主要装備:インテリジェントエマージェンシーブレーキ/LDW(車線逸脱警報)/インテリジェントDA(ふらつき警報)/VDC/ハイビームアシスト/ヒルスタートアシスト/インテリジェントアラウンドビューモニター/前後カラードバンパー/メッキグリル/メッキバックドアフィニッシャー/ハロゲンヘッドライト/サイドターンランプ内蔵電動格納式ドアミラー(メッキ)/抗菌仕様/ファインビジョンメーター/前席吹き出し口加飾(サテンクロム)/インテリジェントキー/インテリジェントルームミラー/ステアリングスイッチ/オートエアコン+リアクーラー/リアヒーター/LEDリアコンビランプ/スライドサイドウィンドウ(リア両側)/スパイナルサポート機能付きシート(前席・2層ウレタン構造)/分割&リクライニング付きリアシート/ボディサイドトリム/フルルーフトリム/フルラゲッジトリム
●ボディカラー:ピュアホワイトパール(op5万5000円)
※価格はすべて消費税込み