アウディQ5スポーツバック1stエディション 価格:7DCT 837万円 試乗記
アウディQ5にクーペフォルムのスポーツバックが追加された。ラインアップは2ℓ直4ディーゼル(204ps/400Nm)を積む40TDIクワトロ・アドバンスと同Sライン、そして3ℓ・V6ターボ(354ps/500Nm)を搭載したSQ5の3グレード。試乗車は、40TDIクワトロSラインをベースにした限定車、1stエディションである。
「スポーティなキャラクターと高い実用性を追求」とメーカーが説明するとおり、Q5スポーツバックの魅力はデザインと機能性の融合。流麗なルーフラインを描きながら、ベース車に対して室内の広さをほとんど犠牲にしていない。後席に身長175cmのパッセンジャーが座っても、頭上にはコブシ1個ほどの余裕があり、膝前も広い。前席下への足入れ性も優れている。開放感も十分だ。大人4名でのロングクルーズが快適にこなせる室内である。
荷室も広い。ラゲッジ容量は後席使用時550リッター、最大1550リッターと十分。しかもホイールハウスが目立たないスクエア形状なので使い勝手がいい。
走りも素晴らしかった。パワートレーンは、2リッター直4ディーゼルターボとベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)、そしてリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様。48Vではなく12Vだからその恩恵は控えめだが、ディーゼルとは思えないほど静かで滑らかな点は大きな魅力。パワーも力強い印象だ。7速DCTの制御もかつてとは比べ物にならないほどスムーズになっている。
足回りの仕上がりには大いに感心した。以前からQ5のポテンシャルは相当なものだと感じていたが、その思いがさらに高まった。引き締まっていながらもよく動くサスペンションがフラットな走行姿勢をキープする。高速巡行は快適そのもの。タイヤの接地の仕方も理想に近く、ステアリングを介して路面がどのような状態であるかを的確に伝えてくる。このクラスでベストの完成度だった。1stエディションは路面状況に応じてダンパーの減衰力を自動調節するダンピングコントロール機能を標準装備。この効果も大きいに違いない。
ADAS関連も充実しており、停車中に後続車が2m以内に近づくと点灯して注意を促すアラート機能を備えたマトリクスLEDリヤライトの採用が新しい。
Q5スポーツバックは、クルマとしての高い実力はもちろん、スタイリッシュな見た目が大きな魅力。このルックスが手に入るなら、ベース車比で50万円ほどの価格差も納得できるに違いない。
主要諸元と主要装備
グレード=1stエディション(限定車)
価格=7DCT 837万円
全長×全幅×全高=4685×1900×1665mm
ホイールベース=2825mm
トレッド=1620/1610mm
最低地上高=185mm
車重=1910kg
エンジン=1968ccc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=150kW(204ps)/3800~4200rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/1750~3250rpm
WLTCモード燃費=14.5km/リッター(燃料タンク容量70リッター)
(市街地/郊外/高速道路=11.7/14.5/16.2km/リッター)
サスペンション=前後ウィッシュボーン
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=255/45R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
●主要燃費改善項目:筒内直接噴射/コモンレール式電子制御/高圧噴射装置/水冷式インタークーラー付きターボ/アイドリングストップ/電動パワーステアリング/7速Sトロニックトランスミッション
●1stエディション特別装備:Sライン・プラスパッケージ(アーティフィシャルインテリアレザートリム+前後席シートヒーター+アコースティックサイドガラス)/マトリクスLEDリアコンビネーションライト&ダイナミックインジケーター/20in・5セグメントスポークアルミ+255/45R20タイヤ/ファインナッパスポーツシート/ダンピングコントロールサスペンション/コントラストメタリックペイント
●主要装備:アウディプレセンスシティ&リア/サラウンドビューカメラ/アダプティブクルーズコントロール/アクティブレーン&サイドアシスト/パークアシスト/アウディホールドアシスト/アドバンストキーシステム/マトリクスLEDヘッドライト+ダイナミックターンインジケーター/Sラインバンパー/ハイグロスパッケージ/オートマチックリアゲート/12Vマイルドハイブリッドシステム/ストレージパッケージ/本革巻きステアリング/パドルシフト/MMIナビゲーション/アウディコネクト/バーチャルコクピットプラス
●ボディカラー:ウルトラブルーM
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万5060円