ダイハツは2021年11月11日、インドネシアのADM(アストラ・ダイハツ・モーター)のスンター車両工場で生産する7名乗りコンパクトMPVの新型セニア(XENIA)を発売した。
新型セニアは、ダイハツの新世代のクルマづくり「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」によるインドネシア第2弾商品で、かつDNGA初のBセグメント小型車となる3列シート式のコンパクトMPVだ。初代セニアのデビューは2004年、2代目のデビューは2011年で、今回の新型が3代目となる。発売からの累計販売台数は、ダイハツがインドネシアで販売する商品において最大となる約68万台にのぼる。また、従来と同様にトヨタ・グループの新興国小型車事業の一環として、トヨタ自動車へのOEM供給も実施。車名は「アバンザ(AVANZA)」を継続している。
DNGA初のBセグメント用プラットフォームとなるDNGA-Bプラットフォームに搭載されるパワーユニットは、2NR-VE型1496cc直列4気筒DOHC16V・Dual VVT-iエンジン(最高出力106ps/6000rpm、最大トルク14.1kg・m/4200rpm)と1NR-VE型1329cc直列4気筒DOHC16V・Dual VVT-iエンジン(最高出力98ps/6000rpm、最大トルク12.4kg・m/4200rpm)の2機種を設定。トランスミッションにはCVT(D-CVT)または5速MTを組み合わせ、駆動方式はセニア初のFFを採用する。また、予防安全システムのスマートアシスト(現地名:Advanced Safety Assist)をリーズナブルな価格で設定した。
エクステリアについては、インドネシアのユーザー志向を反映して、よりスポーティで上質なアピアランスを演出。具体的には、シャープな造形のLEDヘッドランプやフロントグリルで形成する精悍なマスク、抑揚のあるボディ面と従来より大径なタイヤ(185/65R15または195/60R16)などでアレンジしたサイドビュー、新デザインのLEDコンビネーションランプやバックドアにインテグレートしたスポイラーなどが印象的なリアセクションで構成する。ボディサイズは、取り回しの良い全長4395×全幅1730×全高1690~1700mm/ホイールベース2750mmに設定した。
内包するインテリアは、FF化によって従来から室内長を160mm拡大し、大人7名(2/3/2名乗車の3列式シート)が十分に乗れて荷物もしっかりと積載できる、広くて使いやすい室内空間を確保する。2列目シートに分割式スライド機構を内蔵するなど、シートアレンジも多彩。収納スペースも豊富に用意した。一方、コクピットは水平基調のダッシュボードを採用して視認性を引き上げたうえで、操作性に優れる3本スポークステアリングやサポート性を高めたエルゴノミックシートを装備。9インチサイズのフローティングオーディオディスプレイやデジタルAC、プッシュ式START/STOPエンジン機構なども新たに組み込んだ。
インドネシア仕様の新型セニアは、ヤングファミリー層にも購入しやすい車両価格を意図して1億9090万~2億4270万ルピア(約153~194万円)に設定。また、同車はアセアンを中心とした新興国へも順次展開していく予定である。