インディカー用のパワートレインを搭載したホンダCR-Vのハイブリッドレーサーが米国デビュー

北米ホンダのレーシング部門であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメントがCR-Vをベースとしたコンセプトレーシングカーの「ホンダCR-Vハイブリッドレーサー」を発表。クロモリ鋼管パイプフレームとカーボンコンポジットのパネル類にCR-Vのアッパーボディを組み合わせ、2024年シーズンのインディカーに採用予定の2.2リットルV6ツインターボエンジン+モータージェネレーターユニットをミッドシップ搭載

 北米ホンダおよびアキュラのレーシング部門であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)は2023年2月28日(現地時間)、コンセプトレーシングカーの「CR-Vハイブリッドレーサー」を発表した。

▲北米ホンダのレーシング部門であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)がCR-Vをベースとしたコンセプトレーシングカーの「ホンダCR-Vハイブリッドレーサー」を発表

▲北米ホンダのレーシング部門であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)がCR-Vをベースとしたコンセプトレーシングカーの「ホンダCR-Vハイブリッドレーサー」を発表

 

 CR-Vハイブリッドレーサーは、現行CR-Vをベースに2024年シーズンのインディカー・シリーズで採用予定のハイブリッドパワーユニットを搭載した実験的なスペシャルモデルで、カリフォルニアに居を構えるHPDのエンジニアと、北米ホンダのオートデザイン部門(NAAD)のデザイナーが考案・設計し、オハイオのホンダ・オートモーティブ・ディベロップメント・センター(ADC)においてホンダ・オブ・アメリカ・レーシングチーム(HART)が製造を手がけた。

▲CR-VハイブリッドレーサーはHPDのエンジニアと北米ホンダのオートデザイン部門(NAAD)のデザイナーが考案・設計し、ホンダ・オブ・アメリカ・レーシングチーム(HART)が製造を担当した

▲CR-VハイブリッドレーサーはHPDのエンジニアと北米ホンダのオートデザイン部門(NAAD)のデザイナーが考案・設計し、ホンダ・オブ・アメリカ・レーシングチーム(HART)が製造を担当した

 

 基本骨格には専用設計のクロモリ鋼管パイプフレームとカーボンコンポジットのパネル類を採用。懸架機構はフロントにHPDが開発したアキュラNSX GT-3 Evo22用を、リアにインディカーのダラーラIR-18用を、アジャストして配備する。そして、ベルトラインの上にはCR-Vのアッパーボディを、フロントガラスやウィンドウなどを含めて組み合わせた。肝心のパワーユニットには、2024年シーズンのインディカーに採用予定の2.2リットルV型6気筒ツインターボエンジン(ターボチャージャーはボルグワーナーEFR7163)+エンペル製モータージェネレーターユニット+マクラーレン製ECU(Applied Technologies Tag 400i)をミッドシップ搭載し、トランスミッションにXTRAC6速シーケンシャルを装備して後輪を駆動。また、エネルギー貯蔵システムにはスケルトン製のスーパーキャパシタを配し、さらにスロットルにはドライブバイワイヤを導入する。エンジンの使用燃料には、シェル製の100%再生可能レース燃料を採用した。

▲基本骨格には専用設計のクロモリ鋼管パイプフレームとカーボンコンポジットのパネル類を採用。ベルトラインの上にはCR-Vのアッパーボディを組み合わせる

▲基本骨格には専用設計のクロモリ鋼管パイプフレームとカーボンコンポジットのパネル類を採用。ベルトラインの上にはCR-Vのアッパーボディを組み合わせる

▲2024年シーズンのインディカーに採用予定の2.2リットルV6ツインターボエンジン+エンペル製モータージェネレーターユニットをミッドシップ搭載

▲2024年シーズンのインディカーに採用予定の2.2リットルV6ツインターボエンジン+エンペル製モータージェネレーターユニットをミッドシップ搭載

 

 パワーユニットのミッドシップ化に即して、リアのボディワークには後端を起点として開くクラムシェルタイプを採用。また、カウルトップやサイドパネルには空気を取り込むエアインテークを配し、合わせてインディカーのダラーラIR-18から流用したラジエターを装備して、パワーユニットの冷却性能を高める。一方、外装にはフレアフェンダーを組み込んだカスタムカーボンファイバー下部のボディワークやリアディフューザー、強力なダウンフォースを生み出すカスタムフロントスプリッターとリアウイング、バタフライハーフカットドアと称する前ヒンジのシザーズドアなどを装備。シューズには2Elle Engineering前10.5J×20/後11J×20 2ピースアロイホイール+ファイアストンFirehawk Indy 500 Ultra-High Performance前285/35-20/後305/35-20サマータイヤを装着し、制動機構はフロントにアキュラNSX GT-3 Evo22用のブレンボ製Φ380mmディスクブレーキを、リアにダラーラIR-18用をカスタムしたブレンボ製Φ355mmディスクブレーキを組み込んだ。

▲リアのボディワークには後端を起点として開くクラムシェルタイプを採用。ドアにはバタフライハーフカットドアを配備

▲リアのボディワークには後端を起点として開くクラムシェルタイプを採用。ドアにはバタフライハーフカットドアを配備

▲強力なダウンフォースを生み出すカスタムフロントスプリッター(写真・上)とリアウイング(同・下)を装着

▲強力なダウンフォースを生み出すカスタムフロントスプリッター(写真・上)とリアウイング(同・下)を装着

▲カウルトップには空気を取り込むエアインテークを配備。パワーユニットのミッドシップ配置を示すイラストをカウル上部に描く

▲カウルトップには空気を取り込むエアインテークを配備。パワーユニットのミッドシップ配置を示すイラストをカウル上部に描く

▲コスワースのステアリングやOMPのバケットシート、ロールケージなどレース走行に必要なパーツを組み込んだコクピット。Mega-Lineアシストパドルシフトも装備する

▲コスワースのステアリングやOMPのバケットシート、ロールケージなどレース走行に必要なパーツを組み込んだコクピット。Mega-Lineアシストパドルシフトも装備する

 

 なお、CR-Vハイブリッドレーサーは本年3月3日~5日にフロリダのセントピーターズバーグで開催されたNTTインディカー・シリーズ開幕戦のファイアストングランプリで実車が初公開。今後はインディカー・シリーズの一部レース会場のほか、複数のイベントなどで展示およびデモンストレーション走行を行う予定である。

▲「最高出力800HPのモンスター」を謳うCR-Vハイブリッドレーサーは今後インディカー・シリーズの一部レース会場のほか、複数のイベントなどで展示およびデモンストレーション走行を行う予定

▲「最高出力800HPのモンスター」を謳うCR-Vハイブリッドレーサーは今後インディカー・シリーズの一部レース会場のほか、複数のイベントなどで展示およびデモンストレーション走行を行う予定

 

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