フォルクスワーゲンがコンパクトEVのID.3をフェイスリフト。より精悍で高品質なエクステリア、モダンなデザインで持続可能な素材を配したインテリア、最新世代のコンフォートおよびドライバー支援システムの採用などによって訴求力をアップ
独フォルクスワーゲンは2023年3月1日(現地時間)、CセグメントのコンパクトEV「ID.3(アイディ.3)」のマイナーチェンジモデルを初公開した。
ID.3は、フォルクスワーゲンの新世代プラットフォームのMEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス)をベースとしたID.シリーズの第1弾として2019年6月に欧州市場での受注を開始。今回、4年あまりの時を経て初のマイナーチェンジを実施することとなった。
エクステリアに関しては、フロントガラス下のブラックストリップを廃して塗装面を拡大したフードや、開口部を広げた新造形のバンパー、より存在感を増したLEDヘッドランプなどを採用して、精悍かつシャープなフロントビューを創出。前輪まわりの空気の流れを最適化するエアカーテンを新設定したこともトピックだ。一方でリアセクションは、2パートで構成した新デザインのリアコンビネーションランプなどを装備して、新鮮味をアップさせる。ボディサイズは全長×全幅×全高4261×1809×1562mm/ホイールベース2770mmに設定した。
内包するインテリアは、ドアトリムとシート表皮にマイクロファイバー素材のArtvelours Ecoを採用するなどして、約71%をリサイクル素材で仕立てたことがトピック。レザーなどアニマル由来の素材も未使用とする。合わせてインパネやトリムにソフトなフォームバックドサーフェスを配し、同時にコントラストが際立つステッチを入れて、より上質で洗練されたコクピットを演出した。一方で機能面では、最新世代のソフトウェアに更新したインフォメーションシステムを組み込む12インチタッチパネルセンターディスプレイや、多様な情報を見やすく表示する5.3インチドライバーディスプレイ、多機能なマルチファンクションステアリングホイールなどを装備。センターディスプレイはユーザーの使い勝手を考慮してレイアウトを変更し、充電メニューを最初のレベルに配置した。
パワートレインは従来と同様、電動モーター(150kW/310Nm)をリアアクスルにレイアウトし、1速ギアボックスを介して後輪を駆動。アンダーボディに配する駆動用リチウムイオンバッテリーは航続距離が最大426km(WLTPモード)の容量58kWh、最大546km(同)の容量77kWhを設定し、58kWh仕様がPro、77kWh仕様がPro Sのグレード名を名乗る。充電機構に関しては、充電ケーブルが充電ステーションに差し込まれると車両が認証して充電プロセスを開始するPlug&Chargeの標準機能のほか、バッテリーの充電レベルに加えて交通状況などを踏まえて充電タイミングや充電スポットをナビゲートしながら走行ルートを自動設定するエレクトリックビークル ルートプランナーを組み込んだ。
先進安全運転支援システム(ADAS)の拡充も注目ポイントで、アダプティブクルーズコントロール(ACC)とレーンアシストを組み合わせた最新のトラベルアシストをオプション設定したほか、より高機能に進化した拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイなどを採用している。
なお、フォルクスワーゲンは改良版のID.3を含めて、2026年までに新世代の電気自動車を計10車種導入すると予告している。