【最新モデル試乗】シリーズ中ベストバランス、マツダCX-30の新たな個性。マイルドHV仕様の実力

マツダCX-30・20Sプロアクティブ・ツーリングセレクション(4WD) 価格▷303万6000円 試乗記

CX-30メイン

マツダCX-30・20Sプロアクティブ・ツーリングセレクション(4WD) マイルドHVは2リッター直4(156ps/199Nm)とモーター(6.9ps/49Nm)の組み合わせ。WLTCモード燃費は15.5km/リッター(4WD)

CX-30に本命マイルドハイブリッド仕様が新登場

 心地よいナチュラルテイスト、スタイリッシュなマツダCX-30にマイルドHV仕様が誕生した。「e-スカイアクティブG・2.0」と名付けられた新ユニットは、従来の自然吸気2リッターの後継。海外市場ではすでにおなじみの心臓で、国内ではMX-30に搭載しているエンジンと共通である。システムは2リッター直4ガソリン(156ps/199Nm)とモーター(6.9ps/49Nm)の組み合わせ。控えめなモータースペックからも理解できるように、走りはエンジンが主役。モーターは加速時などにアシストする脇役だ。

 CX-30のパワーユニットは3種から選べる。新設定のマイルドHVに加え、マツダ自慢の圧縮着火ガソリンユニット「スカイアクティブX」(2リッター・190ps/240Nm)とディーゼルターボ(1.8リッター・130ps/270Nm)である。

 その中でe-スカイアクティブGは、価格とパフォーマンスのバランスが光る。試乗車のプロアクティブ・ツーリングセレクション(4WD)のプライスはディーゼル比、27万5000円安い303万6000円。ディーゼルはトルクフルな味わいが魅力だが、サウンドなど独特のフィールには好き嫌いがある。一方、スカイアクティブXの場合、4WDには上級版のX・Lパッケージの設定しかなく価格は391万5980円と高価。

 スカイアクティブXは、ガソリンエンジンの理想を追求した逸品である。とはいえ正直な感想では、性能面で高価なプライスタグを正当化させるほどのアドバンテージはない。総合的に見てマイルドHVは、ガソリンユニットならではのスムーズフィールを、さりげなく味わいたいユーザーにピッタリの選択肢といえる。

CX-30リア

CX-30エンジン滑らかでスムーズな走り。ただしモーター感は希薄

 実際の走りは魅力たっぷり。モーターの貢献こそ、あまり実感できないが、2ℓユニットは全域で滑らか。右足の踏み込みに応じ気持ちよく回転が上昇する。加速力は十分以上。交通の流れを軽々とリードする余裕があり、ときにはスポーティな走りも楽しめる。都会的なイメージのCX-30に期待される洗練が実感できる心臓だ。静粛性も全般に高い。これでクリープ時や低中速走行時にEV走行が可能になると、満足度は一段と高まるに違いない。そのためにはモーター出力の大幅増強などシステム全体の改良が必要だろうが、メカにこだわるマツダである。期待したい。ちなみに試乗車のWLTCモード燃費は15.5km/リッター。今回の約200kmの試乗では13.3km/リッターをマークした。

 足回りの印象はなかなかよかった。登場直後は、やや硬い印象があったが、現在はしっとりとした印象が際立つ。路面の継ぎ目などで、ときにちょっぴり後輪に落ち着きがないと感じたが、乗り心地、ハンドリングとも完成度が高い。

 CX-30は、現在でもハッとするほどのスタイリングの冴えを感じる。室内も上質でパーソナルな味わいが心地いい。バランスに優れたマイルドHVのデビューで、CX-30の商品性はさらに高まった。いまが旬のクロスオーバーSUVである。

CX-30インパネ

CX-30走りマツダCX-30 主要諸元

CX-30真横

グレード=20Sプロアクティブ・ツーリングセレクション(4WD)
価格=6SAT 303万6000円
全長×全幅×全高=4395×1795×1540mm
ホイールベース=2655mm
トレッド=フロント:1565/リア:1565mm
最低地上高=175mm
車重=1500kg
エンジン(レギュラー仕様)=1997cc直4DOHC16V
最高出力=115kW(156ps)/6000rpm
最大トルク=199Nm(20.3kgm)/4000rpm
モーター最高出力=5.1kW(6.9ps)/1800rpm
モーター最大トルク=49Nm(5.0kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=15.5km/リッター(燃料タンク容量48リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=12.1/15.9/17.3)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/55R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m

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