マツダは2021年12日9日、手動運転装置付きのMX-30セルフエンパワーメント・ドライビング・ビークル(Self-empowerment Driving Vehicle=SeDV)を発表し、同日より予約受注を開始した。装備価格は52万8000円(取付費込み、消費税非課税)で、新車での注文のみで受け付け。MX-30の電気自動車とガソリンエンジン車の全グレードで選択でき、発売は2022年1月以降を予定している。
新発想の福祉車両であるMX-30 SeDVは、クロスオーバーSUVのMX-30をベースに、既存のペダル操作運転に加えて手動運転装置を組み込み、足の不自由なドライバーが手動運転したり、ペダル操作が可能な人と運転を交代したりしながらのドライブが楽しめるように、創意工夫を凝らしたことが特徴である。
機構面は、押し込むと加速するアクセルリング(直感コントロール機能付き)、肩を起点に力を発揮しやすい軌道にレイアウトしたレバーブレーキ(押し込み式)、肘を支点に細かな操作ができる配置に設定したブレーキサポートボード、乗り移りの際の体や手を支える面積を確保しつつ足入れのスペースも維持した形状の移乗ボード(折りたたみ式)で構成する専用装備を採用。手動運転とペダルによる運転が容易に選択できる機構とした。
また、利便性の面ではMX-30ならではセンターピラーレスのセンターオープン式ドア構造である“フリースタイルドア”を活かした、広いドア開口部による優れた乗降性と車いすなどの積載性を確保。さらに、安全面では移乗ボードをサイドエアバッグの展開に影響が少ない位置に配置した。
なお、購入の際はオフィシャルウェブサイトを通じて、専門知識を備えたスタッフがオンライン上にてユーザーの1人ひとりの要望に即した装備を提案するパーソナライズサポートを用意。また、マツダはMX-30以外の車種でもSeDVの設定を計画しているという。